NHK高校講座

数学T

Eテレ 毎週 月曜日 午前10:30〜10:50
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第9回 数と式

1次不等式を解く

  • 湘南工科大学特任教授/湘南工科大学附属高校教育顧問 湯浅 弘一
学習ポイント学習ポイント

1次不等式を解く

  • ばんび/あすみ
  • アイク/湯浅先生

数学Tの時間です!
この番組のMCはみみずくのアイク、みなさんといっしょに学習していくのは、藤本ばんびさん、酒井蒼澄(あすみ)さんの2人です。
そして数学を分かりやすく教えてくれるのは、湯浅弘一先生です。
今日も数学を楽しみましょう!

今回のテーマは「1次不等式を解く」です!

不等式&不等号
記号の意味を確認しよう

みなさんは、上の画像の記号に見覚えはありますか?
まずは、記号の意味を確認しておきましょう。

「aは3以上」を表しているのは、「a≧3」です。

「aは3より小さい」は、「a<3」で、「aは3未満」とも言います。

「a>3」は、「aは3より大きい」を表します。

そして、「a≦3」は「aは3以下」を表す記号です。
3を含むので、不等号の下に等号がつきます。

「a>3」と「a≦3」の不等式を数直線上に表す

「a>3」と「a≦3」の不等式を数直線上に表すと、上の画像のようになります。
上が、「aが3より大きい」ときを、下は「aが3以下」を表します。

上の数直線で使われている点は「白丸」といって、その数自身を含めない場合に使われます。
下の数直線で使われている点は「黒丸」で、その数自身を含める場合に使われます。

湯浅先生「もうひとつ違いがあるんだけど、言える?」

ばんび「3の真上に線があるか、ないか」

ばんびさん、よく気づきました。

その数自身を含まないときには、白丸から斜めに出て線が引かれます。
その数自身を含むときは、黒丸から真上に出て、そして直角に線が引かれます。

それでは続いて、ウォーミングアップ行ってみましょう!

  • きびだんごの数を不等式で表せ
  • 2人とも正解

上の左の画像の文章を不等式で表しましょう。
注目してほしいのは、問題文の「より重い」の部分です。

ばんびさんとあすみさんは、上の右の画像のように表しました。
二人とも正解です。

湯浅先生「“より重い“っていうことは、“大きい”ということね」

Step1 不等式の性質
  • 同じ数を足しても大小関係は変わらない
  • 同じ数をかけても大小関係は変わらない

ウォーミングアップを終えたところで、次は不等式の性質を見ていきます。

3と5の大小関係は、5のほうが3より大きく、「3<5」と表すことができます。

この不等式の両辺に2を足すと、
3+2<5+2
となりますが、大小関係は変わりません。


両辺から2を引いても
3−2<5−2
となりますが、大小関係は変わりません。

次に、両辺に同じ「正の数」をかけてみましょう。
3×2<5×2
のように、大小関係は変わりません。

不等号の向きは、両辺に同じ数を足しても引いても、同じ「正の数」でかけても割っても変わらないのです。

  • 負の数をかけた場合は?
  • 大小関係が逆になる

では、上の左の画像の問題の場合、不等号はどうなるでしょうか。
先ほどの問題と違って、マイナスの符号がついています。

ばんびさんは、上の右の画像のように数直線を使って考えました。
「負の数」をかけると数直線上は、プラスの方向とは逆に進みますね。

a<bなので、マイナスの符号がつく場合は−2bのほうが−2aより小さくなり、数直線上では左にあることになります。

  • 両辺に負の数を掛けると大小関係が変わる

aがbより小さいとき、両辺に「正の数」をかけても大小関係は変わりませんが、
両辺に「負の数」をかけると大小関係が変わります。
つまり、不等号の向きが変わるということです。

同じように、負の数で割っても不等号の向きは変わります。


これが不等式の性質です。

Step2 不等式の解き方
  • 方程式では…
  • 両辺を4で割って…

次は、不等式を解いてみよう!

4x>5
という不等式を解くには、どう考えればよいでしょうか。

ここで、不等号を等号に変えて、上の左の画像のように方程式で考えてみましょう。

方程式を解く場合、xを求めたいので、両辺を4で割りますよね。
不等式を解く場合も、方程式を解く手順と同じです。

両辺を4で割ると、
4x>5
 x>5/4

このように、この不等式の解が求められました。

アイク「どういうことかわかったかな?」

ばんび「方程式と同じように解けばいいんだよね」

両辺を−4で割ったので不等号の向きが変わる

では、どんどん問題を解いていきましょう!

次の1次不等式を解きなさい。
−4x>5

ばんびさんはxの係数の−4で両辺を割って、上の画像のように計算しました。
負の数で割ったので、不等号の向きが変わっています。
ばんびさん、よくできました!

−5で両辺を割るので不等号の向きが逆に

次の1次不等式を解きなさい。
−2x+3≦3x−7

あすみさんは方程式を解く手順にならって、移項から始めました。

−2x−3x≦−7−3
   −5x≦−10

さて、この後は注意が必要です。
xの係数−5で両辺を割りますが、−5は負の数なので不等号の向きが逆になります。

   −5x≦−10
     x≧2

と解いて、あすみさん正解です。

  • 桃太郎が持つきびだんごの数は?
  • ばんびさんの解答

最後に、桃太郎が持っているきびだんごの数を表す、上の左の画像の不等式を解いてみましょう。ただし、xは正の整数とします。

2人とも210を15で割るという計算をしました。
xの係数15は正の数なので、不等号の向きは変わりません。

ここで気をつけるポイントがあります。
求めるのはきびだんごの数ですが、ばんびさんが出した答えは
x>14
つまり「きびだんごの数は14より大きい」ですが、これでよいでしょうか?

湯浅先生「きびだんごの数は“14個より大きい”って言うかな?」

ばんび「言いません。15個とか16個とか…」

湯浅先生「もうちょっと、やさしく言うと?」

ばんび「15個以上!」

14個より大きいということは、14個を含みません。
そのため、「きびだんごの数は15個以上」が正解です。

不等号を使って比べてみよう
  • 地球の直径は、火星の直径より大きい
  • 地球の直径を10倍すると…

地球の直径は、火星の直径より大きい
地球の直径は、木星の直径より小さい

地球の直径を10倍すると、木星の直径より小さいが、土星の直径よりは大きい

Step3 文字を含む不等式
  • 両辺をaで割ると…
  • aが正のときは、この答えで正解

xの不等式「ax>1」を解きなさい。
この問題を解くには、どう考えればよいでしょうか?

xは最終的に求めたいものです。
また、aにはいろいろな数が当てはまります。

xを求めるために、ためしに両辺をaで割ってみると上の左の画像のようになりました。

ここで問題です。
この解答は、正解でしょうか?

実はこれだけでは不十分です。
aにいろんな数があるということで、場合分けをしましょう。
aがどのような数ならばこの答えは正解になるでしょうか?

あすみ「aが正の数だったら、不等号の向きが変わらないから、オッケーだと思います」

湯浅先生「じゃあ、aが負だったら?」

ばんび「“不等号は逆になる”が答えだと思います」

湯浅先生「そうだよね。ひとつ抜けてない?」

あすみ「あっ!0?」

ばんび「1/0ってありえなくない?」

  • 「成り立たない」?
  • この式は成り立つ?

2人はaに0を代入してみることにしました。

ばんびさんは上の左の画像のように計算し、「成り立たない」と書きました。
一方、あすみさんは ばんびさんと同じように計算し、「?」としました。

0・x>1
という式に1、2、3、4、5… と入れても、
0>1
となってしまうため、この式は成り立ちません。

ということは、このxは存在せず、解がないことになります。
つまり、「解なし」が正解です。

湯浅先生「解答があり得ないことを、”解なし”って言うんですね」

  • 3つそろって正解

まとめると、上の画像のように3つそろって正解になります。

文字を含む不等式では、このように「場合分け」をして考えます。

  • aが正の場合
  • aが負の場合、不等号が逆になる

次の問題です。
xの不等式、ax>−1を解きなさい。

この問題は2人の解答を見る前に、湯浅先生が解説していきます。

a>0のとき、両辺をaで割っても不等号の向きは変わらず、正解は上の左の画像のようになります。

a<0のとき、両辺をaで割る際に不等号の向きは変わります。
正解は、上の右の画像のようになり、不等号の向きはa>0のときと逆になっています。
しかし、ばんびさんは気になるところがあるようです。

ばんび「aは負の値だから、マイナス割るマイナスはプラスになるはずなんで、a分の1になるはずです」

ばんびさん、aにマイナスの符号がついていると勘違いして、右辺のマイナスを取ってしまっていました。

  • −5=aとすると…
  • ばんびさんの間違い

湯浅先生「じゃあ例えば、a=−5だと思ってください(左の画像の右上)。−1を−5で割りました。そしたら、5分の1ですよね。そのとき、5はaですか?」

ばんび「aじゃない!」

湯浅先生「aじゃなくて、−aになっちゃってるわけね」

aが負の数なので、aにマイナスの符号をつけて考えてしまった ばんびさんですが、aはaのままにしておくべきでした。
a<0のとき、x<−1/a が正解です。

  • a=0のとき、「xはすべての実数」が正解
  • 次回もお楽しみに!

次に、a=0の場合も考えなければいけません。
0・x>−1は、xがどんな値のときでも
0>−1
となり、すべての数で成り立ちます。

あすみさんは「すべての数」と答えましたが、「すべての実数」としていれば、完璧でした。


アイク「今日は奥が深かったなあ」

ばんび「aとかxにかかってくる数を、場合分けして考えないと、xの範囲が変わっちゃうってところが一番ポイントだったかなって思った」


それでは、次回もお楽しみに!

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