NHK高校講座

数学T

Eテレ 毎週 月曜日 午前10:30〜10:50
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第6回 数と式

ルートの基本計算

  • 湘南工科大学特任教授/湘南工科大学附属高校教育顧問 湯浅 弘一
学習ポイント学習ポイント

ルートの基本計算

今回のテーマ「ルートの基本計算」
  • ばんび/あすみ
  • アイク/湯浅先生

数学Tの時間です!
この番組のMCはみみずくのアイク、みなさんといっしょに学習していくのは、藤本ばんびさん、酒井蒼澄(あすみ)さんの2人です。
そして数学をわかりやすく教えてくれるのは、湯浅弘一先生です。

今回のテーマは「ルートの基本計算」です!
今日も張り切っていきましょう!


湯浅先生「たし算(加法)や ひき算(減法)などのルートの計算をしていきます。基本なので あなどらないように、でも楽しんでやりましょうね」

  • こんな問題ができるようになる!

今回のテーマを勉強すると、最後は上の画像のような問題を解けるようになります。

ばんび「たし算もひき算もあるね…」

あすみ「ルートの中の数字もばらばらだけど、これって どうやって計算するんだろうね」

湯浅先生「今までだって1つずつステップを踏んできましたよね。今回もそのステップでできるようになります!」

Step1 素因数分解とは
  • 素数とは
  • 1は素数ではない

ルートの計算では、ルートの中をなるべく小さい数にします。
そのときに「素因数分解」を使います。
素因数分解とは、整数を素数の積で表すことです。

素数とは、2,3,5,7,11,13… のように、1とその数自身以外に約数を持たない自然数のこと。つまり約数が2個の数です。


1はどうでしょうか?
1の約数は1の1つだけなので、素数ではありません。

  • 100を素因数分解

100を、素因数分解してみましょう。
上の画像のように、100を小さい素数から順に割っていきます。

まず、一番小さな素数である「2」で割れそうです。
割った答えの「50」を下に書き、これを繰り返していきます。
そして、最後はいつも1になります。
ここで左側に並んだのが、100の素因数です。

つまり、100を素因数分解すると、
100=2×2×5×5
   =2×5
と表せます。

ばんび「割り算を逆にしたような形だね」

素因数分解をする際に使うこの計算方法を「すだれ算」といいます。

2人とも正解!

では、ここで問題に挑戦です。
840を素因数分解しなさい。

ばんびさん、小さい素数から順に割っていき、正解です。
あすみさんも、つまずくところなく計算して正解です!

ここで湯浅先生から、素因数分解するときは できるだけ小さい順に割っていった方がいいというアドバイス。

湯浅先生「大きい数だと計算間違いしてしまうことがあるから、そこだけちょっと注意です」

Step2 k√aの形にする
  • √12を素因数分解
  • 2は2つあるのでルートの外に出す

素因数分解を使うと、ルートの中を簡単にすることができます。

√9で考えてみましょう。

√9=√(3×3)
  =3

上記のように、3が2つあるのでルートの外に出すことができます。

次に、√12で考えてみましょう。
左の画像のように12を素因数分解します。

12=2×2×3
となるので、
√12=√(2×2×3)
と表すことができます。

ルートの中に、2が2つあるので、ルートの外へ出すことができます。
また、3は1つだけなので、ルートの中に残して、

√12=2√3

こうして、ルートが簡単になりました!

  • k√aで表す

公式で表すと、上の画像のようになります。

湯浅先生「ルートの中の数を素因数分解して2乗になる数、つまり同じ数が2つあるのを見つけたらルートの外に出すということが、ルートを簡単にするということなんです」

  • √20をk√aの形で表しなさい
  • 20を素因数分解

実践問題です。
左の画像の問題を解きましょう。
ばんびさん、まずは右の画像のようにルートの中を素因数分解し、
√20=√(2×2×5)
   =2√5

として正解です。

素数の見つけ方
  • 2の倍数を消す
  • 5の倍数を消す

素数は無限にありますが、現れ方に法則性がありません。
では、どうすれば素数を見つけることができるのでしょうか。

100までの自然数の中から素数を見つけてみましょう。
まず、素数ではない「1」を消します。

次に2の倍数、3の倍数、5の倍数、7の倍数…と順に消していきます。

  • 素数だけが残った
  • エラトステネスのふるい

すると、左の画像のように素数だけが残ります。

この方法は、穀物などをより分ける道具の「ふるい」に似ていることから、考え出した学者の名前にちなんで「エラトステネスのふるい」と呼ばれています。

  • 簡単そう?

続いて、今回のメインテーマ、ルートの加法と減法を見ていきましょう!
まずは、√2+√18 を計算しましょう。

あすみ「たし算だから、ちょっと簡単そうな感じしない?」

ばんび「する」

アイク「フッフッフッ…。どうやって計算するのかな?」

Step3 ルートの加法・減法
  • 18を素因数分解
  • √2=aとすると…

はじめは、ルートのたし算の問題です。

√2+√18 の計算では、まず素因数分解を使って、ルートの中を簡単にします。
この式では、√18が簡単にできそうです。

ルートの中の18を素因数分解すると、左の画像のようになり、

√18=√(2×3×3)
と表せます。

3が2つあるので、3はルートの外に出します。

すると、
√2+√18=√2+3√2
と表すことができ、式の中のルートが同じになりました。

ルートのたし算は、文字式の計算と同じ考え方です。
つまり、ルートが同じものを同類項と考えるのです。


例えば、√2をaと置き換えると、
√2+√18=√2+3√2
      =a+3a
      =4a

aを√2に戻すと、
√2+√18=√2+3√2
      =4√2
と求まります。

  • √7をaとおく
  • 同類項の計算と同じように考える

ルートのひき算も、たし算と同じ考え方です。
2√7−7√7 を計算してみましょう。

ルートの中の数が同じなので、√7をaと考えましょう。
すると、
2√7−7√7=2a−7a
      =−5a
となります。

aを√7に戻して、
2√7−7√7=−5√7
と求まります。


ばんび「同類項の計算と同じように考えたらできるんだね」

あすみ「しかもルートの数を文字って考えると、ずっと簡単になるよね」

  • 問題!

ルートの加法・減法の考え方がわかったところで、はじめに見た 加法・減法が混ざった問題をやってみよう!

上の画像の問題です。
まずは、ルートを簡単にできるものを探します。

2人「√3も √6も簡単にできないね」

ばんびさん、あすみさん、お見事!
√6の6の因数には同じ数が2つ含まれていたいので、簡単にはできません。

2人は √12と√24が簡単にできそうだと予想し、素因数分解を始めました。

  • 12と24の素因数分解
  • 2をルートの外に出す

左の画像のように素因数分解をしたら、ルートの外に出せる数を探します。
12と24の素因数には、それぞれ2が2つあるので、ルートの外に出します。

問題の式は、次のようになります。
 √3+√6−√12+√24
=√3+√6−√(2×2×3)+√(2×2×2×3)
=√3+√6−2√3+2√6

ここで、あすみさんが√3の項と√6の項が残ることに気づきました。

の位置で項に区切って√3の項と√6の項を計算し、
√3+√6−√12+√24
=√3−2√3+√6+2√6
=−√3+3√6
として正解です。

ルートを簡単にできるものや計算途中のものは?

では、簡単なクイズでここまで学んだことを確認です!
上の画像の中から まだルートを簡単にできるものや、計算が途中のものを探しましょう。

まずは、ばんびさんが黄色い四角の「4√5−2√5」を選びました。

ばんび「√5が一緒で同類項としてみると、4a−2aってみることができて、結果2aだから、2√5って、できるんじゃないですか?」

ばんびさん、正解です!


次に、あすみさんは、紫の四角の「√27」を選びました。

あすみ「27は3の3乗だから、3×3×3。3が2つあるから、3を外にだして、もう1個残った3はルートの中にしまっておいて、3√3になります」

あすみさんも正解です!

  • √24=√(2×2×2×3)

次にばんびさんは、青い四角の「√18+√24」を選びました。

「それぞれ、もっと簡単にできる」と考えたばんびさん。

まずは√18の18を素因数分解して、
18=2×3×3
3が2つあるのでルートの外に出して、あまった2はルートの中に残し、
√18=√(2×3×3)
   =3√2
となります。

次は√24のルートの中を素因数分解します。
√24=√(2×2×2×3)
2が2つあるのでルートの外に2を出し、あまりの2×3=6をルートの中に残し、
√24=√(2×2×2×3)
   =2√6
となります。

3√2と2√6では、ルートの中が異なるため、これ以上は計算できません。
よって、
√18+√24=3√2+2√6
となります。

ばんびさん、正解です!

  • 残りの2つはこれ以上簡単にできない

最後はあすみさんが「もう ありません!!」と答えました。パーフェクトです!

残りの2つについて見てみましょう。
√11の11は素数なので、これ以上簡単にできません。

2√2−√6
についても、ルートの中の数が違うので、これ以上は計算できません。

  • よくあるルートの計算間違い
  • ルートの中を足したり引いたりしてはいけない

ルートの計算には、まだまだ気をつけるポイントがあります。

ルートの計算でよくある間違いとして、左の画像のようなものがあります。

湯浅先生「なんで間違いなの?」

あすみ「√2+√3は、そのまま、そっとしておくしかないんです」

ルートの中の数を足してはいけません。
引き算の場合も同じです。


なぜでしょうか?

  • √4=2、√9=3
  • 答えが違ってしまう

2人はその理由を考えました。

ばんび「いい例… あ! √4+√9」

√4+√9=2+3
=5
が正解です。

しかし、ルートの中をそのまま足すと、
√4+√9=√13
のように、違う答えになってしまいます。
こういうことが起きてしまうので、ルートの中で足し算・引き算をしてはいけないんです。

  • 次回もお楽しみに!

アイク「みんな、今日はどうだった? 」

ばんび「中身だけ勝手に計算しちゃいけない理由がわかって、ちょっと楽しいなって思った」

あすみ「大きい数のルートが簡単になるとすっきりするから、楽しかった!」

湯浅先生によると、ルートの計算は
1.√〇〇という数がでてきたら、まずルートの中の数が素因数分解でシンプルな形にできないか試す
2.たし算やひき算の場合は、項に区切る
3.最後に、同類項のようにまとめることはできないか疑う


という手順で考えていくと、うまく計算ができるといいます。


湯浅先生「そのためには素因数分解。これがとても大事ということですね」


それでは、次回もお楽しみに!

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