NHK高校講座

数学T

Eテレ 毎週 月曜日 午前10:30〜10:50
※この番組は、前年度の再放送です。

数学T

Eテレ 毎週 月曜日 午前10:30〜10:50
※この番組は、前年度の再放送です。

今回の学習

第4回 数と式

式の展開と因数分解の応用

  • 湘南工科大学特任教授/湘南工科大学附属高校教育顧問 湯浅 弘一
学習ポイント学習ポイント

式の展開と因数分解の応用

  • ばんび/あすみ
  • アイク/湯浅先生

数学Tの時間です!
この番組のMCはみみずくのアイク、みなさんといっしょに学習していくのは、藤本ばんびさん、酒井蒼澄(あすみ)さんの2人です。
そして数学をわかりやすく教えてくれるのは、湯浅弘一先生です。
今日も数学を楽しみましょう!

今回のテーマは「式の展開と因数分解の応用」です!

「応用」と聞いてしり込みする2人ですが、湯浅先生が「応用って、もっと楽しくなるってことだよ!」と励まします。

まずは復習しましょう。
式の展開とは?

あすみ「カッコがついた式を分配法則とかを使ってカッコのついていない形に展開する…カッコを外して開くっていうのが式の展開です」

イメージは合っていますね。
もう一つ思い出してほしいことがあります。「乗法公式」です。

乗法公式と式の展開
基本の乗法公式4タイプ

さっそく乗法公式を使って次の式の展開をしてみましょう!
(x+y+2)

ここでヒント!
基本の乗法公式は上の画像の4つのタイプでした。
この中でどの公式を使えばいいでしょうか?

あすみ「項が3つになっちゃったね」

ばんび「でも符号は+しか使ってないじゃん。だから+だけの平方タイプを使ったらいいんじゃないかな」

4つの中では、平方タイプに形が似ていますが、問題の式は項が3つあります。
項を2つにできれば当てはめられそうです。
そこで、「x+y」を、1つの文字に置き換えます。

  • x+yをAに置き換えた

あすみさんは、x+yをAに置き換え、「(A+2)」としました。
項が2つになったので、乗法公式の平方タイプに当てはめることができます。
展開すると、
(A+2)=A+4A+4
となります。

ここで、置き換えた式を元に戻すこと忘れないようにしましょう。

Aをx+yに戻して、
A+4A+4
=(x+y)+4(x+y)+4

まだカッコがあるので、さらに展開します。

  • あすみさんの解答
  • ばんびさん、惜しかった!

上の左の画像のように展開できました!

一方、ばんびさんの解答は、右の画像のようになりました。
4(x+y)のところのカッコが残っていましたね。
すべて外しましょう。

Step1 新しい乗法公式とたすきがけ
  • 式の展開をするよりオススメの方法がある

次は新しい公式を見ていきましょう!
(ax+b)(cx+d)

乗法公式の(x+a)(x+b)のタイプと似ていますが、xの係数が違いますね。

まずは項に区切って左から右へ分配し、式を展開すると
(ax+b)(cx+d)=acx+(ad+bc)x+bd
となります。

この公式は丸暗記するよりも、ある計算方法がオススメです。

たすきがけ

(ax+b)と(cx+d)を上の画像のように縦に並べ、その隣にa,b,c,dを同じ位置関係で並べます。

並べたら、まずは縦にかけ算します。
展開した式と見比べると、xの2次の係数acと定数項bdができたことが分かります。

次に、斜めにかけ算します。
斜めにかけ算できたら、上と下を足しましょう。
これがxの係数(ad+bc)になります。

この形で計算することを「たすきがけ」といいます。

たすきがけで式の展開
あすみさんのたすきがけ

たすきがけを使って式の展開をしましょう。

(3x+5)(5x+1) を展開しなさい。

まずはたすきがけの形に並べ、縦の並びでかけて
3×5=15
5×1=5

次に、斜めにかけて
5×5=25
3×1=3

これらを足して
25+3=28

たすきがけの計算で出した15、5、28を当てはめて、
(3x+5)(5x+1)=15x+28x+5
のように展開できました。

あすみさん、正解です。
次は、たすきがけを使って因数分解をしてみましょう。

Step2 たすきがけによる因数分解
たすきがけの手順

3x+7x+2 を、たすきがけを使って因数分解してみましょう。

上の画像は、先ほど見た たすきがけの手順を示した図です。
この形を頭に置いて、問題の式を当てはめてみましょう。

  • 1と3、1と2を入れると…
  • 3と1を入れ替えると7になった!

因数分解では、式の展開でやった たすきがけの逆を行います。

たすきがけの表が成り立つ数を探します。

2つの数をかけて3になるのは、例えば
1×3
3×1
です。

同じように、かけて2になるのは、例えば
1×2
2×1
があります。

ためしに、左の画像のように1と3、1と2を入れて、斜めにかけた結果を足してみます。…すると、5になりました。ここが7にならなければいけません。

そこで、左の列の3と1を入れ替えてみました。すると、斜めにかけた結果を足して7になりました。

たすきがけで出た数を当てはめる

たすきがけが完成したら、上の画像のオレンジと青の破線で囲った部分のように、4つの数を式に当てはめて
3x+7x+2=(3x+1)(x+2)
と因数分解できました。

式の展開の逆ですね。

  • 12+7は20にならない

では早速、たすきがけによる因数分解をやってみましょう。

4x+20x+21 を因数分解しなさい。

ばんび「かけて4になる数は…1×4、かけて21になるのは…3×4=12で、足して20にはならないから……」

ばんびさん、ためしに数字を入れましたが、計算が合わなかったようですね。
そんなときは、因数のすべての組み合わせを考えましょう。

かけて21になる組み合わせはいったん「3×7」のままにして、かけて4になる数の組み合わせを挙げてみます。
1×4
4×1
2×2

この中に、たすきがけをしたら20になる組み合わせはあるでしょうか?

  • ばんびさん正解!
  • 検算で確認!

ばんびさんは2×2を入れてみました。
そして、斜めにかけて足してみます。

2×3=6
2×7=14
6+14=20

20になり、たすきがけが完成しました。これを式に当てはめて、
4x+20x+21=(2x+3)(2x+7)
のように因数分解できました。

湯浅先生「じゃあ、本当に合ってるのかどうかを念のために確認していきたいと思います。右辺をどうしたら左辺になるんだっけ?」

ばんび「分配法則…、展開?」

因数分解で出した答えは、展開したら元の式になるはずです。
右の画像のように、実際に展開して検算をすると、元の式になっています。

たすきがけが正しく使えていましたね!

  • 赤い四角で注意が必要
  • −1とする

次の問題です。
18x+39x−7 を因数分解しなさい。

たすきがけをやりかけたあすみさんでしたが…左の画像の赤く囲った部分に注目です。定数項は−7なので、1か7どちらかにマイナスの符号がつくはずです。

たすきがけの右下のスペースには39が入るはずです。1にマイナスをつけるとうまくいくことにあすみさんは気がつきました。
18x+39x−7=(6x−1)(3x+7)
として、正解です。


湯浅先生「書いてみないとわからない。迷ったら書く。書いて失敗したら消す。そして(また)やってみる」

数にまつわる道具の話
  • パスカル
  • 最古の機械式計算機のレプリカ

計算機の歴史は300年以上前にさかのぼります。

「人間は考える葦(あし)である」という言葉で有名な、17世紀フランスの思想家 ブレーズ・パスカルが発明したのが、現存する最古のものと言われるこの機械式計算機です。

歯車を回して足し算と引き算を行う仕組みでした。

チャレンジ問題!
かけて−5になる数は符号に注意

続いてチャレンジ問題です!

12(x+3)+17(x+3)−5を 因数分解しなさい。

問題をもう一度よく見て気づくことはありませんか?

あすみさんは、問題の式に(x+3)が2回出てくることに気づき、それをAと置き換えました。

すると、
12A+17A−5
となり、たすきがけが使えそうです。

かけて12になる数は、上の画像のように組み合わせが多く、かけて−5になる数は符号に注意が必要です。
たすきがけをして17になる組み合わせを探します。

  • たすきがけの完成
  • Aを元に戻す

あすみさんは、Aと置き換えた式で たすきがけができました。
でも、ここで終わりではなく、置き換えた式を元に戻します。

さらに、{ }の中を整理すると、
 12(x+3)+17(x+3)−5
=(4x+11)(3x+14)

となりました。

  • 符号を写し間違えた
  • 次回もお楽しみに!

ばんびさんも(x+3)をXで置き換えて、因数分解しました。
たすきがけもできていたのですが、たすきがけを式に書き写すときに、符号を間違えました。
(3x−5)が、正しくは(3x+5)でした。
でも、それ以外は正しく計算できていました。


湯浅先生「たすきがけの因数分解、手順は2人ともよくできていましたね。それから、置き換えたら必ず元に戻すこと。これも大事です」


それでは、次回もお楽しみに〜

科目トップへ

制作・著作/NHK (Japan Broadcasting Corp.) このページに掲載の文章・写真および
動画の無断転載を禁じます。このページは受信料で制作しています。
NHKにおける個人情報保護について | NHK著作権保護 | NHKインターネットサービス利用規約