NHK高校講座

生物基礎

Eテレ 毎週 火曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、昨年度の再放送です。

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今回の学習

第8回

DNA・遺伝子・ゲノム

  • 生物監修:東京都立竹早高等学校教諭 岡 幸子
学習ポイント学習ポイント

1.染色体とDNAの関係  2.DNAと遺伝子の関係  3.ゲノム

今日のテーマは、「DNA、遺伝子、ゲノム」
そして、キーワードは「DNAって な〜に?」です。
 
皆さんは「DNA」と「遺伝子」の違いがわかるでしょうか。
さらに、最近、遺伝に関係した用語としてよく使われる「ゲノム」の意味を知っているでしょうか。
今日は、DNA,遺伝子、ゲノムといった、遺伝に関わる用語の意味を、とことん学んでいきます。

ポイント1 染色体とDNAの関係

まず、細胞の核の中にある「染色体」の意味を考えていきましょう。

ほほの内側を綿棒でこすって、細胞を採ります。
これをスライドグラスに乗せ、顕微鏡で見てみます。
しかし、中の写真、細胞の中に何があるのかは、よく見えません。

そこで、スライドグラスの細胞に染色液をかけると・・・

右の写真、核の中が染まって、ハッキリと見えるてくるものがあります。
これが、染色体です。
染色液でよく染まるので、「染色体」と呼ぶのです。

では、「DNA」とは何でしょうか。

DNAは「デオキシリボースという物質を含む、核の中の、酸性を示す物質」という意味で、
「デオキシリボ核酸」と名付けられました。
英語で書くと、 Deoxyribonucleic acid、略して、DNAです。

では「染色体」「DNA」は、どのような関係があるのでしょうか。

細胞の中には核があり、核の中に「染色体」がありました。
染色体は、折りたたまれている部分を伸ばすと、細い糸が何かに巻きついていることがわかります。
この細い糸が、「DNA」です。
DNAが巻き付いているのは、ヒストンと呼ばれる「タンパク質」です。
つまり、染色体は、DNAがタンパク質に巻きついたものなのです。

ポイント2 DNAと遺伝子の関係

次に、「DNA」「遺伝子」の関係を見ていきます。

写真の丸い玉は細胞の模型です。
開いてみると、中に核があります。
さらに核の中を見ると、細いDNAがたくさんつまっています。


DNAの1本を引っ張り出してみると、ところどころに、白い部分があります。
実は、この白い部分が「遺伝子」です。
つまり、DNAの一部が遺伝子なのです。

白い遺伝子の部分をはがしてみると・・・
「背を伸ばす遺伝子」と書いてあります。
別の遺伝子の部分には・・・
「二重まぶたの遺伝子」と書いてあります。

つまり、遺伝子とは、DNAの中のところどころあり、「背を伸ばす」とか「二重まぶた」とかいった、そのヒトをつくる設計図のような情報=遺伝情報が書かれた部分のことです。

ポイント3 ゲノム

では、「ゲノム」とは、何でしょうか。

例えば、ヒトのDNAには、約2万2千個の遺伝子があるといわれていますが、それ以外、大部分は「遺伝子でない部分」です。
しかし、遺伝子でない部分も「必要でない部分」というわけではありません。
遺伝子の調節をしたり、また、これから新しい発見があるかもしれない部分です。
だから、遺伝情報としては、遺伝子以外の部分も含めて考える必要があります。

そこで、ある生物がもっている「遺伝情報の全体」ゲノムといいます。
DNAは「物質」ですが、ゲノムはDNAにしまわれている「情報」です。

ゲノムは、身近なところでも利用されるようになってきました。

例えば、植物のゲノム情報は、品種改良に利用されています。
カーネーションのゲノムは、2013年に、約4万3千個ある遺伝子の並び方がすべて解読されました。
中の写真、この青紫色のカーネーションは、そのゲノムの情報を利用してつくり出された新しい色です。

さて、ここで1つ疑問がわいてきます。
カーネーションンの遺伝子は、約4万3千個。一方、ヒトの遺伝子は、約2万2千個です。
ということは、「ヒトはカーネーションより単純なつくり」なのでしょうか。
先生に聞いてみましょう。

今日の生物案内人は、東京都立竹早高等学校の岡 幸子先生です。

●ヒトは、カーネーションより遺伝子が少ないのに、なぜ複雑な体をつくれるのですか。

ヒトの遺伝子の数はカーネーションより少ないのですが、ゲノム全体の情報量はカーネーションの5倍もあります。
というのは、ヒトゲノムには、「遺伝子ではない」けれど「遺伝子のはたらき方を調節する部分」がたくさんあるからです。
その結果、いろいろな複雑な調節ができるのです。

例えば、中の図、横に並んだ棒全体を、1つの遺伝子の遺伝情報だとします。
端から端までの情報が全部使われて、ある「青い物質」ができるとします。
そして、右の図、この遺伝子の一部や別の組み合わせで、また別の「赤い物質」がつくられるとします。
このように、1つの遺伝子から何種類もの物質がつくられるなら、遺伝子の数は体の複雑さとは関係ありませんね。

これだけは覚えておいてほしい、「実になる一言」
今日の一言は、「DNAは物質。遺伝子は情報です。

DNAは、デオキシリボ核酸という物質。
遺伝子は、DNAの一部で、生物の設計図になる遺伝情報です。

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