高校講座HOME >> 理科総合A・B >> 第12回 海で始まった生命
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本間 理紗

小林 裕光 先生
みなさん、こんにちは〜
今回から生物の分野を学んでいきます。
今日のテーマは、「海で始まった生命」。講師は、小林裕光 先生です。
地球にいつ生命が誕生し、どのように繁栄していったのか、その謎に迫ります。

しんかい6500で海底を探る

チムニーに群がるゴエモンコシオリエビ

最初の生命が誕生した環境
地球の7割は海で、また妊婦さんのお腹の羊水も海水とほとんど同じ成分であるといわれるように、
海は生命の鍵をにぎっています。
原始地球は約46億年前に誕生し、それから約5億4千万年前までを先カンブリア時代と呼びます。
そして、バクテリアのような最初の生命が、およそ38億年前に誕生したと考えられています。
深い海底にある熱水噴出口(チムニー)は、地球が生まれた頃の過酷な環境によく似ていると
考えられています。
海底探査船 しんかい6500の映像を見てみると、熱水噴出口の周りにゴエモンコシオリエビなどの
生き物が群がっているのがわかります。
熱水の成分には地下のマグマの働きで、硫化水素のほかメタンや金属などが含まれており、
ゴエモンコシオリエビは硫化水素で増える微生物をエサに生活しています。
水温が300℃にもなるこの熱水噴出口で、古細菌のような単純な構造の微生物が発見されたことから、
この古細菌の仲間が地球の生命の始まりとだと考えられるようになりました。
つまり、最初の生命は、酸素のない環境で生きていた のです。

ストロマトライトが酸素を生み出した

表面から酸素の泡

その断面は縞模様があり硬い
原始地球の大気には酸素がなく、水蒸気や二酸化炭素、窒素など、微惑星の成分が主体となって
いました。
最初に登場した生物同様、酸素をつくり出した生物も微生物でしたが、それらの生物はどのようにして
酸素をもたらしたのでしょうか。
その謎を探る手がかりが、オーストラリア西部のシャーク湾に残されています。
潮が引いた海岸に、丸い形をしたストロマトライトという岩石が姿を現します。
ストロマトライトは大きいものでは直径数10cm以上にもなり、海の中にも見られます。
海の中では、その表面から酸素の泡が放出されて、まるで植物のようにも見えます。
ストロマトライトの断面は縞模様があり、縞模様が増えるほど岩が成長していることがわかります。


シアノバクテリアがストロマトライトをつくる 昼間は光合成をし、夜は死骸などが堆積して層状の岩が成長
ストロマトライトをつくったのは、地球で最初に光合成をしたシアノバクテリア という単細胞生物の仲間
です。
シアノバクテリアは、昼間は海底表面で光合成をし、夜間休息している間に泥や死骸が積もって
堆積層をつくります。
このサイクルを繰り返して1年間に数mmという速度で、非常に長い年月をかけて層状のストロマトライトが
できるのです。

20億年前に酸素が増えた

地球の大気はこんなに変化!

形は違ってもどちらも同じ仲間
このように、シアノバクテリアのような 光合成をする生物の出現によって、およそ20億年前から
大気中に酸素が増えた といわれています。
加えて、大気中の二酸化炭素が海中に溶けて減ったため、現在では窒素・78%、酸素・21%、
二酸化炭素・0.04%と、原始地球の大気から大きく変化してきました。
シアノバクテリアの仲間は現在でも生存しています。
熊本県嘉島町ではその一種である、スイゼンジノリが養殖されています。
スイゼンジノリは、きれいで水温が安定した川の水を利用して養殖され、江戸時代から食用に
利用されてきました。
スイゼンジノリを、水を張った器に入れて日光のもとに置いておくと、日光を浴びて光合成を行い、
酸素の泡を放出します。
シアノバクテリアとは形が異なりますが、どちらも単細胞で光合成を行うことから、スイゼンジノリは
シアノバクテリアの子孫ともいえます。


かつて海の底だったロッキー山脈 バージェス動物群と呼ばれる奇妙な海の生物化石が多く産出する。
カナダ西部のロッキー山脈はかつて海の底で、5億1千万年程前のカンブリア紀の海生生物の化石が
数多く産出します。
これらの奇妙な形の生物は、バージェス動物群と呼ばれています。
その化石は100種類以上見つかっていますが、どれも奇妙な姿、形をしています。

マーレラは海底をはい回った?

特にユニークなオパビニア

小さな生物を餌にしたアノマロカリス
バージェス動物群の中にはマーレラやハルキゲニアなど、奇妙な形をした生物がいました。
中でもオパビニアは特にユニークで、5つの目を持ち、象の鼻ような管でエサを採って食べていた
と考えられています。
これらの生物は、大きさが数cm程度のものがほとんどでしたが、アノマロカリスは大きいもので
60cmほどにもなり、小さな生物をエサにしていたと考えられています。

デパートでアンモナイトの化石発見!

アンモナイトは中生代の末に絶滅

次回もお楽しみに〜!!
バージェスの動物たちは既に絶滅し、その生態を実際に見ることはできません。
しかし、化石を見ることで、その生き物の姿や、いつ、どのようにして生きていたかを
予測することができます。
そのような貴重な資料である化石は、身近なところでも見つけることが出来ます。
本間さんは東京・日本橋にある老舗デパートにやってきました。
このデパートの柱や壁に使われている大理石には、4億年前から1億年前の海に生きていたアンモナイトの
化石が沢山見つかります。
アンモナイトは、巻き貝のような形と小さな部屋がいくつも連なっているような構造が特徴で、
その大きさは数cmから数10cmにもなります。
また、殻の中にイカやタコのような軟体動物が入っていて、後ろ向きに泳いでいたと考えられています。
同じ大理石の中から多くの化石が見つかることから、アンモナイトはとても繁栄していたと生物だと
考えられていますが、中生代の終わり頃に突然絶滅してしまいました。
このような大絶滅は、長い生物の歴史の中では幾度となく起こってきたとされています。
どんなに繁栄した生き物もいつかは絶滅し、また新しい生き物が生まれ、繁栄するということが、
この地球上では繰り返されてきたのです。
それでは、次回もお楽しみに〜!!