高校講座HOME >> 理科総合A・B >> 第7回 いろいろある!変化の理由
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麻里奈 柄山 正樹 先生
みなさん、こんにちは〜
今日のテーマは、「いろいろある!変化の理由」。 講師は、柄山 正樹 先生です。
今回から、化学式など、化学の分野を本格的に学んでいきます。


下がガス、上が空気の調節ネジ 赤い炎では試験管にススが付く 青い炎ではススが付かない
空気の成分は、元素記号を用いるとN2 (窒素)、O2 (酸素)などのように表されます。
このように、物質をつくっている小さな粒を元素記号で表したものを 化学式 といいます。
また、Ag+ (銀イオン)などのように、右肩に+や−を付けたものをイオン といい、
水溶液中のイオン反応を化学式として表すことがあります。
まず、「ものが燃える」 という身近な変化を観察してみましょう。
ガスバーナーで実験を行います。
最初に、ガスの量を調整する下のネジだけを回して火をつけます。
すると、赤い炎がつきます。
燃えているのは、都市ガスのメタンガスです。
試験管を炎にかざすと、表面にススが付着して黒くなりました。
次に、空気量を調節する上の調整ネジを開いて調節し、青い炎にします。
試験管をかざしてみると、表面は黒くなりません。
赤い炎は、不完全燃焼の状態でススが発生しますが、
青い炎は、完全燃焼の状態でススは発生しません。


完全燃焼と不完全燃焼 夏みかんに重ソウをつけると… シュワッとして酸味がやわらいだ!
不完全燃焼と完全燃焼を化学式で表してみましょう。
不完全燃焼は、
CH4 (メタン) + O2 → C + 2H2O
となり、メタンと酸素が反応して 炭素=ススと水蒸気が発生していることがわかります。
一方、完全燃焼は、
CH4 (メタン) + 2O2 → CO2 + 2H2O
と表され、メタンと酸素が反応して二酸化炭素と水蒸気が発生することがわかります。
次の実験では、夏みかんを食べてみました。
まず、そのまま夏みかんを食べてみると、とても酸っぱい!
そこで、夏みかんに重ソウをつけて食べてみると、シュワッとして酸っぱさがやわらぎました。
なぜでしょうか。


入浴剤を作りました 入浴剤をお湯に入れると発泡 それぞれの粉末の化学式
酸味がやわらぐ理由を探るために、重ソウを使って入浴剤を作る実験をしました。
・無水硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(重ソウ)、クエン酸の三種類の粉末を、それぞれ乳鉢で
細かくすりつぶします。
↓
・これらを同じビーカーに入れてエタノールを加え、さらにかき混ぜます。
↓
・型に入れて押し固め、よく乾燥させると入浴剤のできあがりです。
できあがった入浴剤をお湯に入れると、泡立ちました。
・無水硫酸ナトリウムは代表的な温泉成分 : Na2SO4
・炭酸水素ナトリウム(重ソウ) はベーキングパウダーとして使われる : NaHCO3
・クエン酸はかんきつ類によく含まれる : C6H8O7
重ソウとクエン酸はもともと固体ですが、水と反応して二酸化炭素を発生します。
夏みかんに重ソウをつけて食べたときに、口の中で 「シュワッ」 としたのは、これと同じ様に、
二酸化炭素が発生したからです。
また、すっぱさが弱まったのは夏みかんの酸味の原因であるクエン酸の酸性が、
アルカリ性の炭酸水素ナトリウム(重ソウ) で中和されたからです。
化学式に慣れてきたところでポイントの2に進みます。


箱根の大涌谷 温泉で黒いゆで卵のできあがり! でも、中味は白いまま
神奈川県・箱根にある大涌谷は、およそ3000年前の火山噴火でできた谷で、今でも火山ガスを
盛んに吹き出している観光地です。
白い生卵を、硫黄分が含まれた約80℃の温泉に1時間程浸けると、黒いゆで卵ができあがります。
さらに、温泉の蒸気が吹き上げる蒸し器にこの卵を入れて、黒い色をしっかりと殻に定着させると、
名物の「黒玉子」 ができあがりました。
外見は黒くても、殻をむくと内側は白いままです。


硫黄と鉄を乳鉢で混ぜる 粉末を熱すると激しく反応して… 硫化鉄(U)の生成
なぜ黒い卵になるのか、実験で調べてみました。
・硫黄と鉄の粉末を乳鉢で混ぜ合わせ、アルミ箔に包んで磁石を近づけると、 磁石に付きました。
↓
・アルミ箔に包んだ粉末をバーナーで加熱すると 熱を出しながら激しく反応して黒い物質になりました。
磁石を近づけても、付きません。
これは、鉄と硫黄の粉末を加熱すると発熱反応を起こして、磁石に反応しない硫化鉄(U)という物質が
生成されたからです。
この反応を化学反応式で表すと、
Fe (鉄) + S (硫黄) → FeS 【硫化鉄(U)】
のように表されます。


2つの水溶液で黒い沈殿が 硫化鉄(U)の生成 (イオン反応式) 殻に硫化ナトリウムを滴下すると…
次に、硫化ナトリウム水溶液を硫酸鉄(U)水溶液に入れると、黒い沈殿=硫化鉄(U)ができました。
この反応を化学式で表してみましょう。
多くの物質は水に溶けるとイオンになるため、化学式で表す場合には、イオン反応式を用います。
プラスの電気を持つ粒を 陽イオン、マイナスの電気を持つ粒を 陰イオンと呼び、イオン反応式では、
その変化に注目します。
今回の反応は、
鉄(U)イオン + 硫化物イオン → 硫化鉄(U)
ですが、
イオン反応式では
Fe2+ + S2- → FeS
と表します。
最後に、実際に卵を使って殻が黒くなる反応を確認しました。
硫酸鉄(U)の水溶液に卵の殻を浸した後、殻に硫化ナトリウム水溶液を滴下すると、
殻の表面では硫化鉄(U)が生成されて黒くなりました。
このことから、温泉水の鉄分と硫黄分が、卵の殻で結びついて黒くなったということがわかります。
「黒玉子」は、鉄分に加えて硫黄分が多いことで有名な、箱根の温泉ならではの名物のようです。


二酸化炭素の物理変化 やかんの蒸気をよく見ると… 次回も、お楽しみに〜
ポイントの1、2では化学変化を見てきましたが、今度は物理変化を見てみましょう。
固体の二酸化炭素=ドライアイスをビニール袋に入れると、袋の中に気体の二酸化炭素がたまっていきます。
このように、物質が変化せず、状態や形状が変わることを物理変化 といいます。
ドライアイスが全く別の物質に変わる場合には、化学変化 といいます。
やかんでお湯を沸かすときの、水の物理変化は、
・沸騰したときの注ぎ口のすぐ先は、無色透明の水蒸気(気体)の状態。
・注ぎ口から少し離れると、水蒸気は冷やされて小さな水滴となり、湯気(液体)として白く見える。
・湯気(液体)がさらに上に行くと、また水蒸気(気体)に戻り、見えなくなる。
また、地球規模の水の循環に注目すると
・海の水(液体)が蒸発して、水蒸気(気体)となる.。
・水蒸気(気体)は上空で冷やされて、水(液体)や 氷の粒(固体)である雲をつくる。
・雲(液体や固体) がまた雨(液体) や雪(固体) になって地上や海に降る。
このような変化も、地球を舞台にした大きな物理変化といえます。
それでは次回もお楽しみに〜!!