NHK高校講座

国語表現

Eテレ 毎週 火曜日 午後2:10〜2:30
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第6回 小論文 I

意見を論理的に述べる

  • 国語監修:中央大学附属中学校・高等学校教諭 齋藤 祐
学習ポイント学習ポイント

意見を論理的に述べる

意見を論理的に述べる
  • 足立さん
  • 齋藤先生

番組のMCは歌手の足立佳奈さん!
そして、今回教えてくれるのは齋藤祐先生です。

  • はるひと咲桜
  • 大翔とれん

今回、みなさんと一緒に国語を勉強していくのは
はるひ(河野晴日)くん、咲桜(曽根咲桜)さん、ひろと(高橋大翔)くん、れん(駒井蓮)さん
の4人です!

論理的な文章とは
  • 足立さん
  • 告白

突然、小芝居が始まりました。

はるひ「佳奈さん。きみのことが好きです。一緒にいてほしい。」
咲桜「ちょっと待って!私もです。突然ですが、きみの笑顔が好きです。ずっと見ていたいから、一緒にいてほしい。」
足立「…これ、何ですか??」

さて、みなさんが足立さんの立場なら、どちらの告白がグッときますか?
理由まで言っている咲桜さんの告白の方がグッとくるのではないでしょうか。
理由が付いていると納得しやすくなりますよね。

伝える”ことと“伝わる”ことの違いを意識してみましょう。
伝える”というのは、あくまでも自分の行為です。
一方、“伝わる”ためには、相手が理解したかどうかが問われます。
ですから、気持ちや意見を伝えるときには、理由をそえて納得してもらうことが大切です。

演習「理由をつけて伝える」
  • 大翔の夢
  • れんのおねだり

最初に、気持ちや意見に理由をつける練習をしてみましょう!

大翔くんには『将来の夢』を語ってもらいました。
大翔「将来は俳優の仕事でごはんを食べていきたいなと思っています。理由は、自分の演技でたくさんの人の心を動かしたいと思っているからです。
自分の主張と理由の筋道が合っていて、聞いている人を納得させられる表現になっていますね。

れんちゃんには、『ほしいもの』をおねだりしてもらいました。
れん「収録が終わったら、2人(足立さんと先生)の肩を揉むので、ケーキを買ってほしいです!
さて、理由をつけるときには、“なぜ今ケーキが欲しいのか”について理由を述べる方法と、“聞く相手の文脈に対して理由を持ってくる”という方法があります。
この場合は、後者です。
聞き手を納得させるためには、そこに原因や理由などの根拠が必要になります。
意見と根拠を明確にして筋道を立てていくことが、論理的であることの条件です。
つまり、
○○は△△である。なぜなら、……だからである。
というのが、基本的な意見文のかたちです。

  • 根拠とならないものはどれ?
  • 同義反復

それでは、問題です。
彼が遅刻するはずがない」という意見の根拠とならないものは、次の3つのうちどれでしょう。
(1)彼は時間を守るからだ。
(2)昨日からここに泊まっているからだ。
(3)五分前に到着したと連絡があったからだ。

答えは(1)です。
これは意見と同義反復になっています。
「遅刻をしない」というのと「時間を守る」というのは、ほぼ同じ意味ですよね。
ですから、根拠になっていません。

小論文の種類
  • 小論文
  • 小論文はいくつかの種類に分けられます

文章にはいろいろな種類があります。
作文や感想文、レポートのほか、手紙も立派な文章です。
そして、これから学ぶ小論文は、意見と根拠が論理的に述べられている文章です。
ものごとの是非を判断し、自分の意見をわかりやすく述べる力が求められます。
小論文はいくつかの種類に分けられます。
・「優先席は必要か」や「遊びについて」などのテーマが与えられるテーマ型
・課題文に関連した内容の意見を求める課題文型
・事例や資料を分析して論じるデータ型
などです。
いずれの場合にも、意見そのものの正しさではなく、意見の明確さや、根拠が納得できるものであるかが求められます。

表現の達人「悠木碧さん」
  • とみあか
  • 悠木さん

今回の達人は、この番組のナレーターの悠木碧さん。
子役としてデビューし、現在は声優、ナレーター、ラジオパーソナリティのほか、歌手活動もしています。
インタビューアーはとみあかさんです。

とみあか「声の表現を仕事にしようと思ったきっかけを教えてください。」
悠木「(小学校)2年生くらいのときに、地域の小さい音読コンクールみたいなもので賞をもらって、“私が読むことで人に評価してもらえるんだ”っていうのが私の中でも嬉しいことで。だんだん読むことが好きになったっていうのはあるかもしれないですね。」
とみあか「そこから、声で表現してみたいなって思い始めたっていうことですか?」
悠木「どうだろう。もともと、私も子ども(の頃は)タレントだったんですね。それで、お芝居はすごく楽しくて。いわゆるカメラの前で自分の体を使ってとか、舞台で自分の体を使ってお芝居するのって、とても自由な表現だと思うんですけど、顔が見えない状態で声だけで表現するっていうのはすごく魅力的だな、と。縛りのある中でいかに表現できるかっていう戦いが、楽しいなって思ったんですよね。」
とみあか「逆に、音声だけだと難しいかなって私は思ってしまうんですけど。難しさを感じたりはしませんでしたか?」
悠木「ありますね。声にのらない表現っていうのもあって。逆に言うと、顔出しでお芝居されている方が、まったくセリフを喋らずにニュアンスを姿だけで表現されているのを見ると、私たちの仕事って意味あるのかなってたまに思うことはあるんですけど。葛藤はあったりしますね。」
とみあか「国語の教科書の中などでも、特に好きな作品はありましたか?」
悠木「タイトルが全然思い出せなくて超絶申し訳ないんですけど、カブトガニの研究をしている人のレポートがすごく好きで。」
とみあか「何で好きだったんですか?」
悠木「リズムが良かったんですよね。難しいことを言っている文章ではあったし、理系的な内容はそんなに得意じゃないんですが、すごく文章のリズムが良くて。いわゆる句読点の位置が良かったり、カッコの位置が良かったり、立てどころがすごくわかりやすい文章だったんですよね。」
とみあか「確かに、句読点が少ない文章とかは、実際に授業で音読していても、どこで切ったらいいのかわからなくて…というときがあります。」
悠木「そうですよね。私が好きだった文章は、目で読んでいても、どうやって音読したら良いかがわかるくらい、言葉が立っている文章だったんです。」
とみあか「声で表現するっていう楽しさとか魅力を教えていただけますか?」
悠木「そうですね…言葉のどこを立てるのか、どこを大事に言うのか、優しく言うのか、語尾を消えるように言うのか…それを考えるだけでも楽しいんです。そしてまた、言葉で表現することっていうのが、声色やリズムなどでいかに変わってくるかっていうのを楽しんでいただきたいなと思います。」

演習「意見を明確にする」
  • 小論文のテーマ
  • 若者言葉について

次に示すのは、小論文のテーマの例です。

権利と義務、優しさとは何か、出会い、ライバル、校舎、自分らしさとは何か、少子高齢化、地球環境の未来、コミュニケーション能力について、若者言葉について、校則について、入学(社)志望の動機、部活で学んだこと、私の考える「教育改革」、修学旅行で学んだこと、恩師、私の長所と短所、「職業」とはどのようなものか、保健室、能力給と固定給、労働とは何か、ワークライフバランス、オゾン層の破壊について、ゴミ問題、高校生活の思い出

この中から、「若者言葉について」を考えてみましょう。
“〜について”のままでは意見が出しにくいですよね。
そこで、テーマに対して、是か非かで答えられる問いをつくってみます。
例えば、
・若者言葉は美しいか
・若者言葉は日本語として乱れているか

などです。

  • 咲桜
  • 修正例

実際にやってみましょう。
校則について」というテーマに対して、是か非かで答えられる問いを作ってみてください。

咲桜さんは「校則はあった方がいいですか?」という問いを作りました。
これは、もう少し具体的になると良くなります。
例えば、スカートの丈や髪型などに注目してみましょう。
『校則:スカートの丈はひざ下』を導入するべきか?
『校則:スカートの丈はひざ下』は必要か?
などとすると、いいですね!

  • はるひ
  • 先生と足立さん

次の問題です。
コミュニケーション能力について」というテーマに対して、是か非かで答えられる問いを作ってみてください。

はるひくんは「あいさつを返さないといけないのか?」という問いを作りました。
あいさつを返すのは常識となっているけれど、果たしてどうか、という問いです。
テーマに対する切り口が見つかると、いい問いが生まれますよ!

演習「意見文をつくろう」
  • 大翔
  • れん

最後に、「あいさつは必要か」をテーマに、賛成と反対の立場から意見と根拠を考え、短い意見文を作ってみましょう。

生徒の4人の意見文がこちら!

【はるひ】
意見:あいさつは必要。
根拠:なぜなら、あいさつをした人と会話がつながるから。

【咲桜】
意見:あいさつは必要。
根拠:気分が良くなるから。

【大翔】
意見:必要じゃない。
根拠:自分が話したくない気分のときに、あいさつされるとムカツくからです。

【れん】
意見:必要ない。
根拠:他の方法で、コミュニケーションをとろうとしなくなるから。


大翔くんの“話したくない気分”を詳しく聞いてみると、
憂鬱な気分のときに元気な声で「おはよう!」と言われると、“そういう気分じゃない!”と思うとのことでした。
この話を聞いて、あいさつは必要だと考えている足立さんも、おもわず納得の声をあげました。
具体的な根拠をあげると、説得力が増すということですね。

さて、「あいさつは必要ない」を選んだ2人の意見は貴重です。
あいさつはみんなが必要だと思っているからこそ、それが強要されてしまうような場面も起こり得ます。
こちらがコミュニケーションをとりたいと思っていないけれども、あいさつをしなければいけない、
あるいは、あいさつが入ることによって、なかなか本題に入れない、などが考えられますね。
このように、当たり前になっていることを疑ってみる、理由を考えてみることで、見方が変わるかもしれません。
結果、自分が次に動いたり、話をするときに、違う意識で臨めるのではないでしょうか。

  • 問題提起の例
  • 次回もお楽しみに〜!

議論の余地のない、当たり前と思われていることでも、具体的に対象範囲を絞って問題提起をしてみましょう。
例えば、
「あいさつは必要か」→「ビジネスメールに時候のあいさつは必要か
「医療は必要か」→「延命医療の発達は人を幸せにするか
このように問われたら、みなさんはどう考えますか?

それでは次回もお楽しみに!

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