NHK高校講座

家庭総合

Eテレ 毎週 木曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第19回 経済生活・環境

その買い方、大丈夫? 〜消費者トラブル〜

  • 家庭科監修・講師:東京都立八王子北高等学校教諭 藤野 圭紀
学習ポイント学習ポイント

その買い方、大丈夫?〜消費者トラブル〜

その買い方、大丈夫?
  • 契約

家庭総合第19回です。
今回は消費者トラブルについて学びます。

ふだん何気なく買い物をしている高校生のみなさん。
その買い物の中でさまざまな約束を交わしていることをご存じですか?
それは、「契約」
実は物を購入するときに契約を結んでいるんです。
そのことをきちんと理解せず買い物をしてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれることに。

  • 消費生活相談件数の推移

こちらは、消費者トラブルにあい、相談が寄せられた件数の推移。
2004年をピークに減少傾向にありますが、依然、年間80万件以上の相談が寄せられています。

そこで今回は、契約とは何か、また、消費者トラブルに巻き込まれないためのポイントについて学んでいきましょう。

契約とは?
  • 黒沢かずこさんと馬場裕之さん
  • 藤野圭紀先生

みなさんと一緒に学ぶのは、森三中の黒沢かずこさんと、ロバートの馬場裕之さんです。

なにげない買い物でも契約を交わしているというのは、どういうことなのでしょうか?
消費生活や消費者トラブルに詳しい、東京都立大森高校の藤野圭紀(ふじの たまき)先生に買い物における契約について教えてもらいましょう!

  • 契約は買う側と売る側の当事者同士の合意で成立する
  • これで契約が成立!

藤野先生「そもそも買い物自体、買う側と売る側、当事者同士の合意で成立するものなんですよ。」

たとえば、とあるコンビニで買い物をするとき。
買う人がレジで商品を差し出し、店員が「合計で○○円になります。」と言ったところで、契約が成立します。

会話しただけで契約が成立するというのは、どういうことなのでしょうか?

  • 売買の意思が合致し契約が成立
  • 消費者の購入意思に販売者が対応するだけでも契約が成立する

契約とは、法律で保護された約束事です。
原則として契約を結ぼうとする当事者間の自由な意思によって行われる行為です。

まずは消費者による購入の申し込み。
「これください!」
次に販売者の承諾。
「はい、わかりました!」

この時点で売買の意思が合致したことになり、売買契約が成立したことになります。
会話をほとんど交わさなくても、消費者が商品を差し出し、それに販売者が対応するだけでも契約は成立するのです。

  • 契約が成立すると双方に権利と義務が発生する
  • 契約を守らない相手に対してはキャンセル、もしくは損害賠償などを求めることができる

契約が成立すると双方に権利と義務が発生します。
買う側は“代金を支払う義務”と“商品をもらう権利”。

一方、売る側は“代金を受け取る権利”と“商品を渡す義務”です。
なお、契約を守らない相手に対してはキャンセル、もしくは損害賠償などを求めることができます。

  • 無店舗販売(電子商取引)

たとえば、商品を買うだけではなく、電車やバスに乗るといったことやDVDをレンタルすることも契約によって行われています。

そして、インターネットで買い物をしたり、スマートフォンのゲームをしたり、音楽のダウンロードなどは、いわゆるお店ではない無店舗販売という形になります。
特にインターネット取引をする「電子商取引」が、若い人たちの中では盛んに行われています。

馬場さん「インターネットでは、購入しますか、はい、いいえ、どちらかを選んで購入するじゃないですか。はいを押した時点で契約が成立してるということになるんですか?」

藤野先生「インターネットの場合はそうですね。」

販売と支払いの多様化
  • 電子マネー

販売方法の多様化によって、支払い方法も多様化しています。
最近では、現金を直接使わない支払い方もあります。
高校生は未成年なので、クレジットカードは持てませんが、将来的には持てるようになります。
他にはプリペイドカードや、電子マネーなどがあります。

商品を買う場合には本当に必要なのかどうか、冷静になってみて、周囲に相談するなどして、納得した上で買うことが大事です。

そのためにも、契約の仕組みをしっかりと理解しておくとよいでしょう。
そうすることで、思わぬトラブルに巻き込まれることを防ぐことができます。

消費者トラブル
  • エステの無料サンプルを受け取ったら、そのまま連れて行かれそうになって返しました
  • いきなり弁護士からメールが来て、5万払ってくれれば私がやりますって。

商品などを購入する、つまり契約する上でいちばん気をつけたいのが「消費者トラブル」です。

街の人々にこれまでに経験した消費者トラブルについて聞いてみました。

「エステの無料サンプルを受け取ったら、そのまま店に連れて行かれそうになった。」
「いきなり弁護士からメールが来て、5万払ってくれれば私がやりますって。」
「学生をねらったマルチ(商法)とか。」

  • 消費生活相談件数の多い商品・サービス(20歳未満、2016年)

若者が狙われやすい消費者トラブルとして、キャッチセールスやマルチ商法、無料商法などの悪徳商法が上げられますが、近年特に目立っているトラブルがあります。

未成年者から寄せられる相談の中で最も多いのは、インターネットショッピングなどのデジタルコンテンツに関するトラブルです。

  • オンラインゲーム
  • ワンクリック詐欺

たとえば、「無料なら」と軽い気持ちで始めたオンライゲーム。
夢中になりすぎて、有料の課金アイテムの購入を繰り返し、高額なアイテム代金を請求されたケース。

無料動画サイトを見ていたところ、いつのまにかアダルトサイトに接続され、サイト使用料として高額請求画面が表示されるワンクリック詐欺。

  • ネットショッピング

ネットショッピングで買ったブランド商品などが偽物。
海外からの発送であったため、税関で商品が没収され、代金が戻ってこないというケースも。

  • 原田由里さん
  • 消費者トラブルにあわないためのポイント

インターネット上の消費者トラブルに詳しい専門家、原田由里さんに、トラブルの特徴と対処法について聞きました。

原田さん「SNSをきっかけに知ることが多いんですね。」

原田さんによると、インターネット上の消費者トラブルにあわないために、3つのポイントがあるそうです。

【消費者トラブルにあわないためのポイント】
ポイント1:SNSなどに飛び交う情報に安易に手を出さない。
ポイント2:契約内容など詳細をしっかりと確認してから購入する。
ポイント3:販売事業者が本当に存在するのか、連絡先などをしっかりとチェックする。

原田さん「キャッチーな物を見たからすぐに携帯やパソコンを操作するんじゃなくて、一歩引いてふかんするといいますか、全体的に見てこれって大丈夫かなって考えるクセを、ぜひつけてもらいたいですね。」

  • 消費者トラブルに巻き込まれたときは…

消費者トラブルには第三者の冷静な判断が必要です。
どこに相談すればいいか迷ったときは、消費者ホットライン188に電話をしましょう。
ここでは最寄りの消費者生活センターを紹介してもらうことができ、無料で相談に乗ってもらえます。
188なので「イヤヤ」と覚えてください。
こうした相談は、被害の拡大防止にもつながります。

そして、契約してしまった場合にも、不利な立場にある消費者を保護してくれる、「消費者保護制度」というものがあります。

消費者保護制度
  • 消費者保護制度

消費者保護制度は、不利な立場で契約した消費者が、契約を解除できる制度です。
主な方法として、クーリング・オフや中途解約、取消や無効などがあります。

  • クーリング・オフ

たとえば、こんな場合にクーリング・オフすることができます。
友だちからSNSで誘われた勉強会。
強く勧誘され高額な参加料のビジネスに加わってしまうことに。

この場合は、契約から一定期間内であれば、消費者から契約を一方的に解除することができます。ただし、いくつかの条件があるので注意しましょう。

  • 中途解約

次のような場合は、中途解約することができます。
街中でアンケートに答えたら、肌をきれいにしたほうがいいと言われ、勧められたエステ。効果を高めるため、化粧品なども購入することに。

エステのような継続的にサービスが提供される契約の場合、5万円を超える金額で、契約期間が2か月を超えている場合は中途解約することができます。(エステティックは1か月)

  • 取消・無効
  • 契約書に損害賠償しないと書かれていた

さらに、このような場合は、契約を取消や無効にできます。
買い物中に「見るだけでいいから」と声をかけられた絵画の展示会。
「帰りたい」と告げても、説明員にしつこく「今後、確実に値が上がるので、損はない」と言われ、購入することに。

このように、不適切な勧誘で消費者が契約した場合、契約を取消することができます。

ほかにも販売者の賠償責任を一方的に免除、制限するといったことが契約書に書かれていた場合などは、消費者の利益を不当に害するため、契約条項を無効にすることができます。

クーリング・オフの方法
  • 通知書を送る

クーリング・オフはハガキなどの書面で通知書を送ります。
通知書には、契約年月日や商品名、契約金額などを記入し、契約書面を受け取った日を含め、8日以内に通知します。
ただし、販売事業者から妨害されることもありますので、通知書をコピーし、特定記録郵便などで郵送するのが有効です。

ただし、ネットオークションやインターネットショッピングなどの通信販売は、クーリング・オフの対象にはならないので、注意が必要です。
契約の際、必ず返品ができるかどうか確かめた上で、購入するようにしましょう。

わたしと仕事〜キミのトビラを選べ
  • 寺門輝さん
  • 寺門さんの仕事風景
  • 将来の夢は誰かの目標となれる料理人

No.019
寺門 輝さん(20歳)/職業:中国料理人見習い

それでは次回もお楽しみに!

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