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※この番組は、昨年度の再放送です。

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今回の学習

第22回

物質量と気体の体積 〜1 molの気体の体積はみ〜んな22.4 L〜

  • 監修・講師:東京都立青山高等学校教諭 吉田 工
学習ポイント学習ポイント

物質量と気体の体積 〜1 molの気体の体積はみ〜んな22.4 L〜

  • 物質量と気体の体積 〜1 molの気体の体積はみ〜んな22.4 L〜
  • ケミカルシスターズ奈央/里穂/加奈子
    ケミカルシスターズ
    奈央/里穂/加奈子
  • 吉田 工 先生
    吉田 工 先生

皆さん、こんにちは〜

今回のテーマは、「物質量と気体の体積」です。

1 mol あたりの物質の粒子の個数を、6.0 × 1023/mol と書き、
これを「アボガドロ定数」といいました。

今日は、この物質量と気体の体積の関係を見ていきます。

1:気体1 mol の体積
  • 標準状態の気体1 mol の体積=モル体積

   標準状態の気体 1 mol の体積=モル体積


ほとんどの気体の1 mol の体積は、標準状態で22.4 L になります。
標準状態とは、温度が0 ℃ 、圧力が1.01×10 Pa (1気圧)の
状態をいいます。


地表で暮らす私たちは、普段、およそ1気圧の下で生活しています。
その圧力のもとで、0℃のとき、気体1 mol の体積は22.4 L になります。

例えば酸素分子が1 mol 、つまり6.0×1023個あれば22.4 L になり、二酸化炭素分子1 mol でも
22.4 L になります。

この1 mol の気体の体積を、「モル体積」といいます。
モル体積は、気体の体積から、その物質が何 mol なのかを調べるときなどに使います。

2:アボガドロの法則
  • 気体が反応する時の体積比は簡単な整数比になる
  • 1体積には1個の分子

気体が反応する時の体積比は簡単な整数比になる          1体積には1個の分子


アボガドロの法則の、「アボガドロ」とはイタリアの科学者の名前です。

アボガドロの法則 は、「同温・同圧・同体積中には、気体の種類に関わりなく、同数の分子が
存在する」、
というものです。


左の図は、「気体の水素」と「気体の塩素」が反応して、「気体の塩化水素」ができる反応を
表しています。

この反応は、水素・H、1体積と塩素・C、1体積から 塩化水素・HCl、2体積ができる反応です。

  +  Cl  →  2HCl
水素、1体積    +    塩素、1体積    → 塩化水素、 2体積

気体が反応するときの体積の比は、このように、どんな反応でも簡単な整数比になることが、
実験ではわかっていました。

これを「気体反応の法則」といいます。
気体反応の法則は、アボガドロの法則のもとになった法則です。

アボガドロは 「同じ体積に同じ数の分子が存在すると考えると、この気体反応の法則をうまく説明できる」
と考えました。

水素1体積につき、水素原子が2個、つまり水素分子が1個あります。
アボガドロの 「同体積には同数の分子」 という考えから、塩素1体積の中にも塩素原子が2個で
塩素分子が1個になります。

水素と塩素を反応させると原子の組合せが変わり、水素原子と塩素原子が1個ずつ結合して塩化水素が
できます。
1体積に1個の分子があるということから、塩化水素は分子が2個できたので、2体積になります。
結果、右の図のように、どの気体も「1体積には、1個の分子が入っている」ということになります。

この考え方が、アボガドロの法則です。

  • 「同温・同圧・同体積・同数」とあるアボガドロの法則
  • 同温・同圧 → 標準状態、同体積 → 22.4 L、同数 → 1 molに置き換える

         同温・同圧 → 標準状態、同体積 → 22.4 L 、同数 → 1 mol に置き換える


左の図、アボガドロの法則の文言の「同温・同圧」→「標準状態」とし、「同体積」→「22.4 L 」とします。
また、「同数」→「6.0×1023個、つまり1 mol」 に置き換えます。

すると、右の図の文言、「1 mol の気体の体積は、気体の種類にかかわらず、標準状態で22.4 L 」
となり、これが 「アボガドロの法則そのもの」であることがわかります。

3:気体1 mol の量的関係
  • 気体1 molの量的関係

        気体1 mol の量的関係
      1 mol の質量はモル質量に等しい


図は、酸素分子と二酸化炭素分子の気体1 mol の量的な関係を表したものです。

・1 mol の気体の体積は、どちらも標準状態で22.4 L です。
・分子の個数は、どちらも1 mol なので、6.0×1023個になります。

・それぞれの気体は1 mol なので、質量はモル質量となります。
モル質量は、原子量・分子量・式量に g/mol を付けたものでした。
 酸素分子の分子量は32なので、モル質量は32 g/mol です。
 二酸化炭素分子の分子量は44なので、モル質量は44 g/mol です。
よって気体1 mol の質量は、酸素分子が32 g 、二酸化炭素分子が44 g となります。

  • 気体1 molの量的関係を図示すると…
  • 気体の質量、体積、粒子の数から物質量を求めることができる

       気体1 molの量的関係を図示      気体の質量、体積、粒子の数から物質量を求められる


左の図は、気体1 mol の量的関係を、図でまとめたものです。

気体1 mol は、粒子の数では6.0×1023個で、体積では22.4 L となります。
また質量では、分子量に「g」を付けたものだということがわかります。

この関係は、、右の図のように、式にまとめることもできます。
・気体の質量から物質量を求めるとき  … モルと気体の質量の関係式
・標準状態の気体の体積から物質量を求めるとき  … モルと気体の体積の関係式
・粒子の数から物質量を求めるとき  … モルと気体粒子の数の関係式

この式を使って、計算をしてみます。

 ●標準状態で気体の体積が5.6 L の酸素・Oの質量は、何 g でしょうか?

右の図の関係式には、「気体の体積から、気体の質量を直接求める」式はありません。
しかし、物質量(mol) と気体の体積の関係を表す2番目の式を使うと、5.6 L が何 mol かがわかります。
気体が何 mol かがわかれば、モルと気体の質量の関係式を表す1番目の式から質量がわかります。

物質量と気体の体積の関係式から、
 物質量〔mol〕=気体の体積〔L〕/22.4 〔L/mol〕
          =5.6 〔L〕/22.4 〔L/mol〕
          =0.25 〔mol〕

次に、物質量と気体の質量の関係式から、
 質量〔g〕 = 物質量〔mol〕× モル質量〔g/mol〕 、酸素のモル質量 : 32 〔g/mol〕
      =0.25 〔mol〕×32 〔g/mol〕
      =8.0 〔g〕
となります。

教えて Teacher
  • 気体の酸素が入った炭酸飲料のボトル
    気体の酸素が入った
    炭酸飲料のボトル
  • 別の袋に用意した酸素を注射器で押し込む
    別の袋に用意した酸素を
    注射器で押し込む
  • 0.32 g 、つまり1/100 mol 分重くなった
    0.32 g 、つまり1/100 mol 分
    重くなった

先生に、実験で、アボガドロの法則を見せてもらいました。

中に気体の酸素が入れてある、炭酸飲料のボトルを用意しました。
ボトルを電子天秤に乗せて、表示を0 g に合わせておきます。

注射器を使って、ボトルの中に、酸素を詰め込みます。
ボトルは、詰め込んだ酸素の分だけ重くなります。

電子天秤ではかると、詰め込んだ酸素の質量は0.32 g でした。
酸素のモル質量は32 g/molなので、、0.32 g は1/100 mol に相当します。

  • ボトルとメスシリンダーを接続してコックを開く
  • 酸素1/100 mol の体積はこのくらい

    ボトルとメスシリンダーを接続してコックを開く          酸素1/100 mol の体積はこのくらい


この1/100 mol の酸素の気体を、水上置換でメスシリンダーに集めます。
すると、酸素1/100 mol の体積分だけ、メスシリンダーの水位が下がりました。
(もともとボトルに入っていた酸素は、ボトルの中にとどまります。)

  • 同様に空気も1/100 mol ボトルに押し込んで実験
    同様に空気も1/100 mol
    ボトルに押し込んで計量
  • 酸素と同じ体積に!
    酸素と同じ体積に!
  • 次回もお楽しみに〜
    次回もお楽しみに〜

次に、空気で同様の実験を行います。

電子天秤ではかると、0.29 g の空気を、注射器でボトルに詰め込んだことがわかりました。
空気の見かけの分子量は29なので、これも空気 1/100 mol に相当します。
この1/100 molの空気を水上置換でメスシリンダーに集めます。

酸素の水位と空気の水位と比べてみると、同じ体積であることがわかりました。

酸素と空気は、同じ温度、同じ圧力の状態です。
物質量、つまり分子の数も1/100 mol と、同じでした。

この実験から、同温・同圧で同じ物質量の気体は、気体の種類によらず同じ体積になることが
わかりました。
これも、アボガドロの法則の1つの見方です。


それでは、次回もお楽しみに〜!

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