高校講座HOME >> 化学 >> 第20回 元素の分類、水素と希ガス
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こんにちは! 今日のテーマ 吉田 工 先生
みなさん、こんにちは!
今日のテーマは、「元素の分類、水素と希ガス」。講師は吉田 工先生、実験は吉田哲也先生です。
今回はこれまでの復習が多く含まれているので、今までの学習を思い出しながら学んでいきましょう。
また、水素と希ガスの性質を、実験をとおして学習していきます。
<今日のポイント>
@ 元素の分類
A 水素とその化合物
B 希ガスとその性質


金属元素と非金属元素 単体の写真を付けた周期表 典型元素と遷移元素
今回から、元素のそれぞれの性質を学習していきます。
元素にはたくさん種類があるので、性質の似た元素をまとめて学んでいきましょう。
まずは、元素の周期表の復習です。
周期表は、元素を原子番号の順番に並べて作った表です。
1つ目の分類は、金属と非金属です。これは、単体が金属か非金属かという分類です。
金属元素は、光沢があり電気を通しやすいという性質があります。
非金属元素は、光沢がなく、電気を通しにくいという性質があります。
中の図は、周期表に元素の単体の写真を貼り付けたものですが、右側に比べて、左側に
ピカピカと光っている元素が多いようです。
これは金属元素だからです。
2つ目の分類は、典型元素と遷移元素です。
典型元素は1、2族と12〜18族の元素で、縦の列で性質が似ているという特徴があります。
遷移元素は3〜11族の元素のことで、こちらは、すぐ隣の元素同士の性質が似ています。


ナトリウムの電子配置 価電子と周期表の関係
● 電子配置の復習
ナトリウムを例に、元素の電子配置について復習しましょう。
ナトリウムの原子番号は11番。原子核に11個の陽子とそのまわりに11個の電子があります。
原子核に一番近い電子の軌道をK殻。その次をL殻、その次をM殻といいます。
ナトリウムの場合、K殻に2個の電子、L殻に8個の電子、M殻に1個の電子が入っています。
一番外側の殻の電子ことを、最外殻電子といい、最外殻電子で反応に関係する電子を価電子と
いいます。
右の表で、価電子と周期表の関係を見てみましょう。
周期表の縦の列の元素は価電子数が同じです。
反応する電子の数が同じなので、反応も似ています。
このように周期表には、性質の似た元素が並ぶように配置されています。


希硫酸と亜鉛を反応させます 水素が発生! 水素のシャボン玉は浮きます
周期表の左上にありますが、水素は非金属元素です。
水素の性質を調べましょう。
水素は金属と酸を反応させてつくります。
二股試験管には、希硫酸と亜鉛が入っています。
亜鉛の方に希硫酸を入れると、すぐに激しく反応して、気体が発生しました。
試験管に発生した気体をためて、火をつけるとキュッという独特の音をたてて燃えました。
確かに水素が発生したことがわかります。
水素は空気よりも軽いという性質があります。
水素が出ているガラス管の口にしゃぼん液をつけて、シャボン玉をつくると、浮かび上がりました。


実験の内容 反応式
図で確認しましょう。
二股試験管に希硫酸と亜鉛を入れて、2つを混ぜて水素を発生させました。
水素は気体の中で一番軽いので、水上置換法で採集します。
反応式は、
Zn + H2SO4 → ZnSO4 + H2
実験室では、このように水素をつくりましたが、工業的には石油に水蒸気を反応させたり、
電気分解でもつくります。
<水素の性質>
・色は無色透明
・水に溶けにくい (水上置換で集めることができる)


水素の中でロウソクは消え、集気びんからだすと、再び、炎がつきました なぜ、ついたり消えたり?
水素は燃えるのでしょうか?実験をしてみましょう。
水素の入った集気びんに、火のついたロウソクを入れると、炎が消えました。
しかし、集気びんの口のあたりには炎が見えます。
ロウソクを集気びんから出すと、びんの口のところで再びロウソクに火がつきました。
集気びんの口を境に、火が消えたりついたりしました。
ものが燃えるためには、酸素が必要です。
集気びんの中には、水素だけが入っているので、火が消えてしまいます。
ところが、集気びんの口の付近には酸素があるので、炎がついています。
ロウソクを集気びんから出すと、集気ビンの口の炎でロウソクに再び火がついたのです。
この実験から、水素だけでは燃えず、酸素があると、始めて水素は燃えることがわかります。


酸化銅(U)が還元されて銅に 反応式 水素の化合物
● 水素の還元性
銅線をバーナーで熱します。
十分に加熱した後に少し空気中に置くと、銅は酸化銅(U)になり黒くなりました。
酸化銅(U)を水素の入った試験管に入れると、一瞬で元の銅に戻り、試験管の内側がくもりました。
赤銅色の銅を加熱して空気中に置くと、酸素と反応して黒色の酸化銅(U)になりました。
2Cu (赤銅色) + O2 → 2CuO (黒色)
酸化銅(U)を水素の中に入れると、酸化銅(U)が還元されて銅になり、同時に水素と酸素が反応して
水ができたのです。
CuO (黒色) + H2 → Cu (赤銅色) + H2O
このように、水素の性質には相手を還元する、還元性があります。
水素には、さまざまな物質と反応して、化合物をつくるという性質もあります。


一番右が希ガス 火のついたマグネシウムと二酸化炭素は反応、アルゴンとは反応せず
希ガスは、周期表の一番右端にある18族に位置しています。
He (ヘリウム)、Ne (ネオン)、Ar (アルゴン)、Kr (クリプトン)、Xe (キセノン)、Rn (ラドン)の6元素の
総称です。
希ガスは、空気中にわずかに存在することから、このように呼ばれています。
空気中で1番多い物質は窒素、2番目は酸素、3番目はアルゴンです。
希ガスの特徴的な性質は、ほとんど反応しないことです。
実験で見てみましょう。
集気びんに二酸化炭素を入れて、火のついたマグネシウムリボンを集気びんに入れると
激しく燃えます。
次に、集気びんにアルゴンを入れて、火のついたマグネシウムリボンを入れました。
すると、すぐに火が消えてしまいました。
右の図で、実験をまとめてみましょう。
反応性の高いマグネシウムは、二酸化炭素の酸素と化合、激しく燃えてMgOという物質をつくります。
一方、アルゴンはマグネシウムと全く反応しないため、炎が消えたのです。
他の希ガスも同様に反応しません。
アルゴンの語源は、「なまけもの」とい意味です。
ほとんど反応をしないでなまけている、ということからこの名前がつきました。


アルゴンの電子配置 希ガスは安定しています
● 電子配置で考える希ガスの特徴
アルゴンの原子番号は18番。電子配置を見ると、最外殻電子は8個です。
その他の希ガスの電子配置を図で見ると、ヘリウムだけ2個で、その他は全て8個です。
この電子配置はとても安定で、電子のやりとりをほとんどしません。価電子数は0です。
電子のやりとりをしないので、化学反応をしません。
希ガスは化合物をつくりません。また、1個の原子で分子をつくる単原子分子で存在します。


ネオンのシャボン玉 アルゴンのシャボン玉 浮き沈みは分子量と関係
● 希ガスでシャボン玉
希ガスでシャボン玉をつくってみました。
ヘリウムとネオンのシャボン玉は、浮きましたが、アルゴンのシャボン玉は、沈みました。
右の図を見て下さい。
空気中で浮くか沈むかは、物質の分子量と関係しています。
空気の組成を窒素80%、酸素20%として、空気の平均分子量を計算すると、約29になります。
29より小さいヘリウム(4.0)やネオン(20)は空気に浮きますが、29より大きいアルゴン(40)は沈む、
というわけです。


先生、教えて下さい 希ガスの電子配置 次回もお楽しみに!
Q:希ガスがほとんど反応しないわけを、もう一度教えてください。
A:中の図は、希ガスの電子配置です。
希ガスは、電子配置がとても安定しているので、他の物質と電子のやりとりをしません。
つまり化学反応をしないのです。だから化合物もつくりません。
次回も、お楽しみにー!!