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こんにちは〜! 今日のテーマ 吉本千秋 先生
みなさん、こんにちは!
今回のテーマは、「酸化と還元」。講師は吉本千秋先生、実験は貝谷康治先生です。
酸化とは酸素と化合することで、還元とは酸素を失うことですが、電子のやりとりで考えていくと、
いろいろな酸化還元反応があります。
<今日のポイント>
@ 酸化と還元
A 酸化還元反応
B 酸化数


酸化と還元 「された」と受け身で表現 鈴木さんは「酸化された」
酸化とは・・・物質が酸素と化合する反応。その物質を化合物といいます。
還元とは・・・物質が酸素を失う反応。元にもどるので還元といいます。
酸化や還元の反応は、「酸化された」、「還元された」という受け身の言い方をします。
例えば、先生が持っている酸素原子を鈴木さんに渡すとします。
この時、鈴木さんは「酸化された」、先生は「還元された」ということになります。


銅線を熱します 酸化されて酸化銅(U)に… 水素で還元すると水ができる
● 銅と酸化銅
銅線をガスバーナーで加熱します。銅は酸化しにくいので加熱して、反応を促進するのです。
加熱した後、空気中に出すと黒くなりました。
酸化銅(U)という物質が表面にできたのです。
つまり、空気中の酸素が、銅と反応して、銅が酸化されたということです。
次に、試験管に入った水素と酸化銅(U)を反応させます。
反応を起こしやすくするために酸化銅Uを加熱して、水素が入った試験管に入れると、
黒かった酸化銅が銅の色にもどりました。
さらに、試験管の内側がくもりました。水が生成されたからです。


銅は酸化されて酸化銅(U)に 酸化銅(U)は還元されて銅に
この実験を化学反応式で表してみましょう。
まず、銅と酸素の反応です。
2Cu + O2 → 2CuO
ここで酸素原子を受けとって、酸化されたのは銅です。
次に、酸化銅(U)と水素の反応を式にすると以下のようになります。
CuO + H2 → Cu + H2O
ここで酸素原子を失って、還元されたのは酸化銅(U)です。
失った酸素原子は、水素が受け取って酸化され水ができました。


電子の移動があります 酸化還元は同時におこる 電子の移動
今度は電子に注目して、酸化と還元の反応を考えていきましょう。
左の図、銅と酸素が反応して、酸化銅(U)ができるとき、2モルの銅は4モルの電子を失って
2価の銅イオンになっています。
銅は電子を失って酸化されたということになります。
放出された電子は酸素分子が受け取っています。
1モルの酸素分子は、4モルの電子を受けとって、2モルの酸化物イオンができています。
生成した銅イオンと酸化物イオンが結合したものが酸化銅(U)というわけです。
このように、電子のやりとりに注目して、酸化と還元を考えることができます。
鈴木さんが持っている電子を先生に渡すと、鈴木さんは酸化されたといいます。
また、先生は電子を受け取ったので、還元されたといいます。
ある物質から電子が放出されると、必ず他の物質が受け取るので、酸化と還元は同時におこります。
この反応を、酸化還元反応といます。


銅と塩素がはげしく反応 水が青色になりました 電子のやりとりがあります
●銅と塩素の酸化還元反応
電子のやりとりに注目すると、酸素原子を含まない酸化還元反応もあります。
銅と塩素の酸化還元反応の実験を見てみましょう。
コイル状に巻いた銅線を、ガスバーナーで熱します。
銅線を塩素の入ったビンの中に入れると、激しく反応して煙が出てきました。
次に、ビンを振ると、ビンに入れておいた水と反応して青色になりました。
銅がイオンになったからです。
右の図、化学反応式を見てみましょう。
Cu + Cl2 → CuCl2
1モルの銅は2モルの電子を失って、銅イオンになりました。銅は電子を失って酸化されました。
放出された2モルの電子は、1モルの塩素が受け取って、2モルの塩化物イオンが生成されました。
塩素は電子をもらったので、還元されました。
銅イオンと塩化物イオンが結合したものが、塩化銅(U)となりました。
水に溶かした時に青色になったのは、銅イオンの色が出たためです。
この反応では酸素原子はかかわっていませんが、電子のやりとりがあったので、酸化還元反応
ということになります。


酸化数の決め方2 酸化数の決め方3 計算で出すことができます
酸化還元反応がはっきりわかるために、酸化数というものがあります。
酸価数・・・原子の酸化・還元の程度を表す数値
酸化数の決め方には、いくつかの決まりがあります。
・酸化数の決め方 その1
単体の中の原子の酸化数は0と決めます。
銅、酸素原子、水素原子、硫黄などの単体も酸化数は0です。
酸化数の決め方 その2
化合物のなかでは、たとえば、水素原子は+1、酸素原子は-2、ナトリウム・カリウムは+1、
カルシウム・マグネシウムは+2。
・酸化数の決め方 その3
イオンは、電価がそのまま酸化数になっています。
たとえば、ナトリウムイオンは+1、銅イオンは+2、アルミニウムイオンは+3、
塩化物イオンは-1、酸化物イオンは-1になります。
・酸化数の決め方 その4
化合物中の原子の酸化数の総和は0になります。
たとえば、化合物、水 H2Oで考えてみましょう。
化合物中の水素原子は+1、酸素原子は-2となります。
水素原子は2つあるので、+2と−2で酸化数の総和が0となります。
化合物、酸化銅 CuOの場合はどうでしょうか。
酸素原子は−2。銅が分からない場合、Cuの酸化数をXとします。
化合物の総和は0なので、X+(−2)=0
結果、X=+2となります。
このように、酸化数の分からない場合でも計算で求めることができます。


電子と酸化数の関係 酸化、還元が酸化数の変化でわかる
酸化されるとき、電子を失います。この時、酸化数は増加します。
還元されるとき、電子を受け取ります。この時、酸化数は減少します。
酸化数の増減に注目すると、どの物質が酸化されて、どの物質が還元されたかが分かるのです。
具体的に式で考えてみましょう。
銅が酸化した式、2Cu+O22CuOです。
銅は酸化されて、酸素が還元されています。
銅の単体の酸化数は0。分子の中の酸素原子の単体も0。
反応後の酸素は−2、銅が+2となりました。
銅は反応前が0、反応後が+2となっているので、酸化されて酸化数が増加しています。
酸素は反応前が0、反応後が−2となっているので、還元されて酸化数が減少しています。


といに黄色の沈殿物、これは硫化水素が酸素と反応してできた硫黄 酸化数で考えてみましょう
群馬県にある草津温泉。ここでは、自然界の中でダイナミックな酸化還元反応がおこっています。
火山活動から得られる温泉のお湯には、硫化水素という気体が溶けています。
お湯がわき出している湯畑には、木製のといが何本も並んでいます。
といの中には、黄色い沈澱物があります。温泉水に含まれる硫化水素から硫黄を取り出しているのです。
このように、硫化水素から硫黄ができるのも、自然界で起こる酸化還元反応のひとつなのです。
温泉水の中では、さまざまな化学反応がおこりますが、硫化水素が酸素と反応すると、硫黄と水ができます。
2H2S +O2 → 2S + 2H2O
それぞれの酸化数を見てみましょう。
反応前、硫化水素の中の水素が+1、硫黄は−2。酸素は単体なので0です。
反応後、硫黄は単体なので0、水の中の水素原子は+1、酸素は−2となります。
酸化数の増減から酸化されたもの、還元されたものを考えましょう。
硫黄は−2から0へ酸化数が増えています。硫黄は酸化されたのです。
酸素は0から−2へ酸化数が減っています。酸素は還元されたのです。


先生、教えてください! 銅を例に復習 次回もお楽しみに〜
Q:もう一度、酸化還元反応と電子の関係を教えてください。
A:銅と塩素の反応で復習しましょう。
銅は電子を放出して、酸化されました。
放出した電子を受け取った塩素は還元されました。
電子を失うと酸化された、電子を受け取ると還元されたといい、これは同時におこるので
酸化還元反応といいます。
それでは、次回もお楽しみに〜!