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今回の学習内容

第9回 物質の構成

化学反応式

講師:駒場東邦中学校・高等学校教諭 今井 泉
化学反応を、分子式や組成式などの化学式を用いて表す式を化学反応式といいます。今回は、化学式を用いて化学反応を表すときの約束事を学び、化学反応式が書けるようになりましょう。

学習ポイント

 化学反応式
今日のテーマ
あきえ1S今日のテーマ先生1S

    こんにちは!                今日のテーマ              今井 泉 先生

みなさん、こんにちは。

今日のテーマは、「化学反応式」。講師は今井 泉先生、実験は柏 恭子先生です。

化学変化は、ある物質とある物質が結びついたり、また、ある物質が分解したりすることを表します。
ある物質の変化を、元素記号を使ってわかりやすく表すものが、化学反応式です。

<今日のポイント>
@化学反応式
A化学反応式のつくり方
B燃焼反応の例

    ポイントの1  化学反応式
    水素をいれる水素と酸素の反応水ができた

       底を切り取ったペットボトルに水素を入れ、点火すると激しく反応         水ができました

    まずは、化学反応式の基本から学習していきましょう。
    ポイントの1では、水素と酸素が結びついて水になる反応を例に、化学反応式を学習します。

    まず、本当に水ができるのか、実験で見てみましょう。
    底を切り取ったペットボトルを用意し、上の口にガラス管を付けたゴム栓をします。
    ガラス管にはゴムキャップをしておきます。
    水素は軽い気体なので、ペットボトルの底から入れます。ペットボトルの下からは、徐々に空気が入って
    きます。

    ゴムキャップをはずしてガラス管に火を近づけると、水素が燃えました。
    ペットボトルの内側に水滴がつきました。
    水素と酸素が反応して水ができたのです。

    ※この実験は危険を伴います。必ず適切な指導者のもとで行ってください。

      水素と酸素の化学式世界の化学教科書世界共通!

        水素と酸素の化学反応式       エジプトと韓国の教科書       化学反応式は世界共通!

      この化学反応を、詳しく見ていきましょう。

      水素と酸素で水ができました。水素は水素原子2個でH2、酸素は酸素原子2個でO2です。
      水は、水素原子2個と酸素原子1個で、H2Oと表します。
      これを、化学反応式で書くと、
      2H2+O2 → 2H2O となります。
      H2の前に2とありますが、これに関してはポイントの2 で見ていきましょう。

      中の写真は、韓国とエジプトの化学の教科書です。
      水素と酸素から水ができる化学式を見ると、どの教科書でも同じです。
      化学反応式は、世界共通なのです。

        ポイントの2  化学反応式のつくり方
        反応物と生成物化学反応式

          左に反応物、右に生成物     左右の原子の数を合わせます

        水素が燃焼する例をもとに、化学反応式のつくり方を学んでいきましょう。

        実験でわかるように、水素分子と酸素分子が反応して水ができます。
        反応する物質を反応物といい、左側に書きます。
        生成した物質を生成物といい、右側に書きます。
        これらを、水素はH2、酸素はO2、水はH2O と分子式で表します。
        これで、反応物と生成物がそろいました。
        反応物や生成物が2種類以上ある場合は +でつなぎます。
        また、変化の向きを → で示します。

        右の図を見ると、H2やH2Oの前に2という係数がついています。
        これは、水素分子2個と酸素分子1個で水分子2個ができることを意味しています。
        化学反応式をつくる場合、反応前と反応後の原子の数を同じにしなければなりません。
        そのため、反応式の左右の、各原子の数をあわせる必要があります。

          燃料電池の車しくみ水が出る

            燃料電池で走る自動車           燃料電池のしくみ       車から排出されるのは水だけ

          ●燃料電池

          この水素と酸素の反応は、さまざまなところで実際に使われています。
          例えば、燃料電池も水素と酸素の反応を利用しています。

          燃料電池は、車のボンベに蓄えられた水素と、空気中の酸素を反応させて発電します。
          排出されるのは水だけです。
          ガソリンを使わない燃料電池自動車は、有害物質を出さない自動車として普及が期待されています。

            炭酸水素ナトリウム炭酸水素ナトリウムの実験石化水で白濁

             炭酸水素ナトリウムを熱します          気体が発生           石灰水が白く濁りました

            ●熱による分解

            今度は、熱によって分解する反応を実験で見ていきましょう。

            試験管の中には、炭酸水素ナトリウムNaHCO3の白い粉が入っています。
            これを熱すると気体が発生し、,試験管の中には水滴がつきました。
            炭酸水素ナトリウムが分解して、炭酸ナトリウムNa2CO3という物質に変わり、水ができたのです。

            では、発生した気体は何でしょうか。
            気体を入れた試験管の中に石灰水を加えると白く濁りました。気体は二酸化炭素CO2です。

            このことから、炭酸水素ナトリウムを熱で分解すると、水と炭酸ナトリウムと二酸化炭素になることが
            わかりました。

              水酸化ナトリウムの実験化学式

                 化学式にしてみましょう        

              この反応を化学反応式で表してみましょう。

              反応物と生成物を化学式で表して、左右の原子の数が同じになるように係数をつければ完成です。
              2NaHCO3 → Na2CO3+H2O+CO2

                ポイントの3  燃焼反応の例
                水滴白濁メタンの燃焼

                メタンが燃えて水ができました        二酸化炭素も発生         化学式で見てみましょう

                メタンCH4という気体を使って、化学反応式を考えていきましょう。

                メタンを試験管に取り、火をつけると静かに燃えて試験管の内側に水滴が付きました。
                メタンが燃えると、水ができるのです。
                メタンが燃えた後の試験管に石灰水を入れると白く濁りました。二酸化炭素が発生していることがわかります。

                この反応を、式にすると、下記のようになります。
                CH4+2O2→CO2+2H2O
                メタンが酸素と結び付いて、二酸化炭素と水ができたのです。

                  マグネシウムドライアイス酸化マグネシウム

                        ドライアイスの中でマグネシウムを燃焼させる               酸化マグネシウム

                  ドライアイスは固体の二酸化炭素です。
                  その二酸化炭素の中でマグネシウムが燃えるのです。

                  ドライアイスに穴を開けて、中にマグネシウムの粉末を入れ、点火します。
                  火がついたら、上からドライアイスをかぶせます。これで、マグネシウムには空気中の酸素が
                  供給されません。
                  しかし、マグネシウムは燃え続けます。
                  これは、マグネシウムが二酸化炭素 (ドライアイス) の酸素を奪って燃えているのです。

                  マグネシウムが燃えた後を見てみましょう。
                  白い部分は、マグネシウムと酸素が結合した酸化マグネシウムです。
                  黒い部分は、二酸化炭素から酸素が奪われてできた炭素です。

                  化学反応式は、
                  CO2 + 2Mg → C + 2MgO
                  となります。

                    ブロックで化学式炭素と酸化マグネシウムに変える化学式が完成

                     ブロックで考えてみましょう       どうやって組み替えたら・・?         できました!

                    ●燃焼反応をブロックで考える

                    二酸化炭素の中でマグネシウムが燃える反応を、ブロックを使って考えてみましょう。

                    酸素の原子価は2、炭素の原子価は4です。
                    原子価とブロックについているでっぱりが同じ数になっています。

                    反応物は、ドライアイスの原料・二酸化炭素とマグネシウムです。
                    酸素のブロック2個と炭素のブロック1個で、でっぱりがぴたりと重なっています。マグネシウムの原子価は2です。
                    生成物は、炭素と酸化マグネシウムです。
                    マグネシウムと二酸化炭素の酸素の2つのでっぱりがぴったりと結合して酸化マグネシウムができます。
                    残りが炭素になりました。
                    最後に、左右の原子の数が一致るように、反応物・生成物の数を調整します。

                    文字だけではわかりにくい化学式も、ブロックのモデルを使うとずっとわかりやすくなります。

                      今日の復習
                      おしえてあきえ係数3S

                         先生、教えてください!          エチレンで復習             次回もお楽しみに!

                      Q: もう一度、原子の数の合わせ方を教えてください。

                      A: エチレンという物質が燃えるときの反応で、復習しましょう。
                      エチレンC2H4と酸素O2が結びついて、二酸化炭素CO2と水H2Oができます。

                      反応前と後の原子の数を合わせると、下記のようになります。
                      C2H4+3O2→2CO2+2H2O

                      頭に付く係数を間違えないように、気をつけましょう。

                      それでは、次回もお楽しみに〜

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