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こんにちは! 今日のテーマ 今井 泉先生
みなさん、こんにちは。
今日のテーマは、「原子量・分子量」。 講師は今井 泉先生、実験は古寺順一先生です。
原子量・分子量とは、原子や分子の「多さ」や「数」をいうのではなく、「質量」をいいます。
<今日のポイント>
@ 相対質量
A 原子の相対質量
B 原子量・分子量・式量
難しい言葉が出てきますが、ひとつずつ順番に学習していきましょう。


原子の大きさはどのくらい? 原子の質量
原子の直径は、約1億分の1cmほどです。
身の回りのもので考えると、原子とピンポン玉の関係は、ピンポン玉と地球の関係と同じくらいの
大きさになります。
では、原子1つ分の質量はどのくらいになるのでしょうか。
水素原子は、1.67×10-24 g。 炭素原子は、1.99×10-23 g。
そして酸素原子は、2.66×10-23 gくらいです。
原子の質量はとても軽いので、質量自体を量るのは困難です。
そこで、相対質量を使います。


実験で考えてみましょう クリップ1つとリングいくつが釣り合う? 相対質量
● 相対質量とは
相対質量とは、どのようなものでしょうか。
金属のリング、三角クリップ、丸クリップ それぞれの質量を、リングの質量を基準にして比べます。
まず、三角クリップをてんびんの一方に乗せ、反対側にはリングを乗せて釣り合わせます。
三角クリップ1つは、リング3つと釣り合い、丸クリップ1つは、リング5つと釣り合いました。
リング、三角クリップ、丸いクリップの数の比から、リングの質量を基準にして、2つのクリップの質量を
表すことができます。
このように、質量そのものではなくて、何かを基準として質量を表したとき、その値を相対質量といいます。
原子の質量はとても軽いので、直接量るのではなく、ある原子を基準にした相対質量で表すことが
できます。


相対質量の考え方 炭素原子1個は水素原子12個と釣り合う 表記の方法
原子の質量に、相対質量の考え方を当てはめてみましょう。
炭素原子を基準にして相対質量を考えると、水素原子は1.0、酸素原子は16.0と表すことができます。
これは、基準になる炭素原子1個と、水素原子12個が釣り合うことを意味しています。
炭素原子の12という値は、炭素の質量数 (陽子の数+中性子の数) を表します。


水素と炭素の原子量 塩素は小数であらわす? 塩素の原子量
同位体とは、同じ元素でも質量数の異なる原子のことをいいます。
天然に存在する元素の多くは、さまざまな種類の同位体が一定の割合で混ざっています。
同位体の存在比は、どのくらいなのでしょうか。
例えば、水素の質量数1のものは99,9885%、質量数2のものは0.0115%です。
つまり、ほとんど質量数1のものであるということになります。
存在比を考慮すると、水素の原子量は1.008になります。
さまざまな物質の原子量を見てみましょう。
厳密には、水素1.0は1.008、炭素12は12.01ですが、化学を学習する上では概数で十分です。
しかし、塩素をみると35.5と小数で表されています。
これは、塩素は質量数35のものが75%、37のものが25%と同位体の割合が無視できないからです。
それぞれの質量数に存在比をかけると、原子量は35.5という値になります。


マグネシウムの原子量は? マグネシウムは酸素と反応して、酸化マグネシウムになる
● マグネシウムの原子量を求める
マグネシウムの質量数を実験で求めてみましょう。
マグネシウム が燃えると、マグネシウム原子1つに対して、酸素原子が1つ化合して
酸化マグネシウムMgO になります。
酸素の原子量は16ということがわかっています。
酸化マグネシウムの中の、酸素a とマグネシウムb の質量がわかれば、マグネシウムの原子量? を
求めることができるはずです。
しかし、そのまま燃やしたのでは、結びついたマグネシウムと酸素の質量はわかりません。
そこで、次のような実験をしました。


反応する酸素とマグネイウムの質量を調べます 0.094gの酸素が使われました
試験管に酸素を封じ込めます。
試験管の中には、0.140 gのマグネシウムが入っていて、電流を流すと点火するようになっています。
水槽には酸素の入ったメスシリンダーが立ててあって、試験管はメスシリンダーの酸素とチューブでつながっています。
マグネシウムと酸素の反応がおこると、使われた分の酸素がメスシリンダーから試験管に移って
いきます。
メスシリンダーの、最初に酸素が入ってりる位置には黄色い印が付けてあって、
酸素が少なくなった分だけ水面が上がるので、使われた酸素の量を知ることができます。
これで、反応したマグネシウムと酸素の質量がわかります。
実験の結果、0.140 gのマグネシウムを燃やすと、0.094 gの酸素が使われたことがわかりました。


比の計算で求めてみよう Mgの原子量は24
実験の結果をまとめまてみましょう。
酸素の質量は0.094g。マグネシウムの質量は0.140gでした。
0.094g:0.140g=16:?で計算すると、?は24になります。
マグネシウムの原子量は24であることが、計算によって求められました。


水の分子量 二酸化炭素の分子量分子 塩化ナトリウムの式量
● 分子量・式量
分子量は、各原子の原子量の和になります。
H2Oと書く、水分子で考えたみましょう。
水素Hの原子量が1.0.酸素Oの原子量が16なので、水の分子量は合計の18となります。
二酸化炭素、CO2の場合も考えてみましょう。
酸素Oの原子量が16、炭素Cの原子量が12なので、二酸化炭素の分子量は合計の44となります。
分子量も原子量と同じように、単位はつけません。
続いて、塩化ナトリウムNaCl を見てみましょう。
塩化ナトリウムは分子をつくりません。ナトリウムイオンNaと塩化物イオンClが1:1でイオン結合している
物質です。
実際にはNa+、Cl−というイオンからできていますが、電子の質量は無視しても構わないので、
Naの原子量23と、Clの原子量35.5をそのまま足して、58.5となります。
これを、分子量に対して、式量といいます。


質量分析器 質量によって曲がり方が違う 鉱物のできた環境がわかります
● 同位体を調べる : 質量分析器
鈴木さんは、つくば市の産業技術総合研究所で、質量分析器を使った同位体の研究を見学してきました。
質量分析器は、大きな磁石でできています。
イオンになった原子が磁石の間を通ると、磁石に引かれて曲がります。
このとき、重いイオンは少ししか曲がりませんが、軽いイオンは大きく曲がるという特徴があります。
森下祐一さんは、この質量分析器を使って石英の同位体の研究をしています。
石英(水晶)は、シリコンと酸素が結合した化合物です。
この酸素原子は99%以上が質量数16の酸素で、残りが質量数17と18の同位体です。そして、この同位体の割合が石英のできた場所によって違うのです。
石英の表面を平らにして、薄く金を貼りつけます。
これを質量分析器にかけ、検出される質量数18の酸素の数のわずかな違いを測定します。
この方法は、石英だけでなく、他の鉱物にも応用することができます。
このような研究から、さまざまな鉱物を発見したり、鉱物ができたころの地球のようすを知ることが
できるのです。


教えてください・・・・ ハイ、それは・・・ 次回もお楽しみに!
Q:もう一度、Mg (マグネシウム) の原子量の計算方法を教えてください。
A:マグネシウムと酸素が1:1で反応するとき、酸素0.094g に対して、マグネシウム 0,.140g であることがわかりました。
酸素の原子量は16であることがわかっているので、これを比で計算します。
0.094:0.140=16:?となります。
これを計算すると、マグネシウムの原子量は24となります。
原子量は化学の基本なので、しっかり復習してください。
それでは、次回もお楽しみに〜