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Eテレ 毎週 金曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、昨年度の再放送です。

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今回の学習

第30回 現代世界の地誌的考察
【諸地域】編

ここに注目! インド

  • 地理監修:広島大学教授 友澤 和夫
学習ポイント学習ポイント

ここに注目!インド

  • 中田敦彦さんと田中日奈子さん
  • インド

MCは中田敦彦さん。
そして今回みなさんと一緒に学習するのは、トリプルGの田中日奈子さん(ひなちゃん)です!

今回学習するのは、日本から約5400kmの距離にあるインド。面積は日本の約9倍です。
また、インドはケッペンの気候区分において熱帯から寒帯まで、あらゆる気候帯がある国です。

  • 北部にある寒帯の地域
  • ガンジス川

北部にある寒帯の地域にはヒマラヤ山脈があり、夏になると標高4000mにある聖なる場所に巡礼者が祈りを捧げに行きます。
ヒマラヤ山脈の麓にはヒンドスタン平原が広がっていて、インドの人々が聖なる川として沐浴を行うガンジス川が流れています。

  • メガラヤ州
  • 毛を美しく刈られたらくだ

ヒンドスタン平原の東にあるメガラヤ州は1年間の降水量が26461mmという世界記録を持っていて、世界一雨が降る場所と言われています。
住民は山の急斜面で生活しています。大雨が降っても水はけが良いので暮らしやすいのです。

一方、北西部にはタール砂漠があり、雨はほとんど降らず、夏には40℃を超える酷暑が続きます。
この辺りでは、遊牧民がラクダと共に暮らしています。
貴重な財産でもあるラクダは、暑さをしのぐため、また高値で売るために毛を美しく刈られています。

  • 北インドでは小麦の栽培が盛ん
  • 南インドでは米の栽培が盛ん

冬は乾燥して涼しい気候の北インドでは、小麦の栽培が盛んです。
緑の革命(灌漑施設の整備や収穫量の多い品種の導入など)によって、インドの農業生産量は飛躍的に増加しました。
小麦の生産量は、世界第二位です。

一方、南インドは気温が高く、夏のモンスーンの影響で降水量が多いので米の栽培が盛んです。
栽培されているのはインディカ米で、田植えから3ヶ月で収穫できるのが特徴です。
そのため、年に2回の収穫が可能で、米の生産量も世界第二位となっています。

カレーを食べる際にも、北インドでは小麦が穫れるのでナンやチャパティ、南インドでは米が穫れるので米と一緒に食べています。

多言語の国・インド
  • 友澤和夫先生
  • インドの札

今回、インドについて教えてくださるのは友澤和夫先生。

インドは29の州に分かれていて、言葉も違います。
そのためお札にも、英語、ヒンディー語のほか、15の言語で金額が書かれています。
公用語のひとつは国民の4割が話しているヒンディー語です。
しかし、ヒンディー語を国語化しようとしたところ、他の言語を使う人たちからの大反対にあいました。
そのため、植民地だった時期にイギリスが持ち込んだ英語が共通語の役割を果たすようになりました。
たくさんの人たちをまとめるために、あえて外からきたものを選んだということです。
言葉も違えば文化も違い、インドは多文化社会となっています。
さらに宗教の違いもあります。
もっとも多くの信者がいるのがヒンドゥー教。カースト制度に密接に関わっている宗教です。

カースト制度と人々の生活
  • 生まれながらに決まっている4つの身分をヴァルナという
  • ダリットの男性

インドの人口の8割を占めるヒンドゥー教徒の社会には、カーストという身分制度があります。
生まれながらに決まっている4つの身分をヴァルナといい、上から順に、バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラとなっています。
さらにその下には、4つの身分に入らないダリットという、すべての面において差別されてきた人たちがいます。
インドの憲法ではカーストによる差別は禁止されていますが、差別は根強く残っています。
例えば、街中で水を頼んだ際にも、ダリットの男性はコップをもらえず、自分の手を使って飲むしかありません。

  • 結婚は同じカースト内で行われます
  • 結婚は同じカースト内で行われます

結婚にもカーストの影響を受けます。
インドでは恋愛結婚は珍しく、お見合い結婚がほとんどです。
多くの場合、結婚は同じカースト内で行われます。
結婚相手を募集するには、お見合い専門の新聞に掲載するのが一般的で、その際には自分のカーストも明記します。
お見合いサイトもありますが、この場合にもカーストを記入する欄があります。
法律では結婚も離婚も自由ですが、実際には配偶者は同じカーストでなければならないと考えている人が多いのです。

カースト制度と職業
  • カースト制度
  • 友澤和夫先生

ヒンドゥー教徒の人たちはヴァルナという身分関係に対応した、職業を同じくするジャーティという集団にも属しています。
ヴァルナとジャーティを組み合わせた社会制度がカースト制度なのです。

さて、インドの経済発展に伴い、ITなどの新しい産業ができました。
ITエンジニアなどの職業は伝統的なカーストの枠組みにはない職種です。
そのため、カースト制度の身分に関わらず、誰でもIT関係の職業につくことができます。
インドは発展途上国の中でも急成長している国のひとつで、経済成長率も5%を超えていて好調です。
そんなインドの経済を支えているのがIT産業です。

急成長するIT産業
  • 輸出先の80%近くが英語圏の国々
  • バンガロール

インドはITによるサービスを輸出して成長しています。
輸出先の80%近くが英語圏の国々で、2010年には世界最大のITサービスの輸出国となりました。
牽引役となっているのがインド南部のバンガロールとその周辺地域です。
欧米の大企業が拠点にしていて、インドのシリコンバレーなどとよばれています。
アメリカのあるIT大手企業では、多くのインド人が技術者としてソフトウェアの開発に関わっています。そのほとんどがインドの人です。

  • インドを代表するIT企業
  • 多くの若者たちが頭脳だけで未来を切り開こうとしています

世界73か所に拠点を広げるインドを代表するIT企業があります。
従業員およそ16万人、その多くはIT技術者です。
ソフトウェアの開発には多額の投資は必要ありません。
必要なのは頭脳です。
インドには25歳以下の若者がおよそ5億8千万人います。
現在、多くの若者たちが頭脳だけで未来を切り開こうとしています。

IT産業の成長を支えるものは?
  • 中田敦彦さんと田中日奈子さん
  • 友澤和夫先生

インドの強みのひとつは“英語”です。
IT産業には英語や数学の能力が不可欠です
1947年にインドがイギリスから独立した際には大きな産業と呼べるものはありませんでした。
そこで、ペンと頭だけでできるものは何かと考えた結果“数学”に行き着きました。
また、インドは自由と平等を憲法で掲げている民主主義国家で、国立大学の定員の22.5%は最下層の人に割り当てられています。
頭脳で国を興そうという戦略がIT産業の成功という形でいま花開いているのです。

インドの学校を調べてみた
  • 7年生(11〜12歳)のクラスで数学を一緒に勉強したひなちゃん
  • 幼児期から徹底的に数字に慣れ親しんでいる

東京都江戸川区西葛西にあるインドの子どもたちが通う学校を訪れたひなちゃん。
2歳から15歳までの352人がインドの教育委員会が定めたカリキュラムに沿って学習しています。

今回は7年生(11〜12歳)のクラスで数学を一緒に勉強したひなちゃん。
数学の授業は毎日あり、1日に2回ある日もあるのだそうです。
生徒はみんな数学が好きだといいます。
その秘密は、幼児期から徹底的に数字に慣れ親しんでいることにあるようです。
インドの教育は子どもたちに平等なチャンスを与えます。
子どもは次世代の担い手なので、世界で活躍できるよう知識を与えてあげれば、国をより良くしてくれると考えているのです。

  • ロヒットくん
  • 次回もお楽しみに〜

7年生のクラスにいたロヒットくんのお宅におじゃましたひなちゃん。
ロヒットくんは世界中から1万人以上が参加する世界数学デーコンテストで2回優勝しています。
彼の計算の速さと正確さは人間計算機のようだといいます。
そんなロヒットくんの将来の夢は、お父さんと同じソフトウェアエンジニアだそうです。

次回もお楽しみに〜☆

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