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地理

Eテレ 毎週 金曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、昨年度の再放送です。

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地理

Eテレ 毎週 金曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、昨年度の再放送です。

今回の学習

第25回 さまざまな地図と地理的技能 編

地図で日本を旅する

  • 地理監修:明治大学非常勤講師 田代 博
学習ポイント学習ポイント

地図で日本を旅する

  • 中田敦彦さんと田中日奈子さん
  • 地形図

前回に引き続き国土地理院を訪れた中田敦彦さんとトリプルGの田中日奈子さん(ひなちゃん)。
今回は地形図について学んでいきましょう。地形図がわかると、街歩きが楽しくなりますよ☆

地形図とは?
  • 地形図で土地の高さがわかる
  • 地形図で土地の高さがわかる

国土地理院では、日本全土を網羅した国の基本となる地形図を作っています。
縮尺25000分の1で4418枚にものぼる地形図には、道路や鉄道、建物や土地の利用状況などが正確に記載されています。
特徴の1つは、土地の高さがわかること。
等高線が混み合っているところは急斜面、等高線の間隔が広いところは緩やかな斜面であることを表しています。

  • 3色刷りだった地形図
  • 2013年に多色刷りにリニューアル

これまで3色刷りだった地形図ですが、2013年に多色刷りにリニューアルされました。
そして、1件1件の建物などが細かく表現されるようになりました。
山登りのルートを確認したいとき、街づくりやインフラの整備などにも地形図は使われています。

貴重な地形図を拝見
  • 銅の板の上に地図が彫刻されている
  • 明治20年に作られた地図

今回、普段は大切に保管されている貴重な地形図を見せていただきました。
上の左図は、明治20年に作られた地図の原版です。
銅の板の上に地図が彫刻されているもので、これを作った職人の多くは江戸時代に各藩で活躍していた絵師です。
近代国家として歩み始めた明治時代、新しい国づくりのためにより正確な地図が必要だったのです。
測量から完成まで3年がかかっています。

  • 昭和4年に発行された広島県呉市の地形図
  • 戦時中の地形図では貯水池を草地と表記

昭和4年に発行された広島県呉市の地形図を見ると、空白になっている部分があります。
ここは戦艦大和をつくった場所でもあり、軍の重要な拠点だったため、ばれることのないように空白にしたのです。

一方、昭和初期につくられた東京都郊外の地形図を見ると2つの貯水池があることがわかります。
しかし戦時中の地形図では草地と表記されて、貯水池であることが隠されました。
水に毒を入れられたり、ダムを破壊されるのを防ぐのが目的でした。

地図は国にとって重要な資料です。
日本では自由に地図を見たり使ったりできますが、世界では地図が自由に手に入らない国がたくさんあります。

地図づくりに挑戦!
  • 図化機
  • 航空機を使って航空写真を撮ることが必要

現在ではコンピュータで作られている地形図ですが、30年ほど前までは写真を使って地形図を描く図化機が使われていました。
地形図を作るには、航空機を使って航空写真を撮ることが必要です。
画像が60%ずつ重なるように撮影するのがポイント。

  • 中田さんが地図作りに挑戦
  • 中田さんが描いた地図

こうして撮られた2枚の写真を図化機にセットしてレンズを通して見ると、脳の中で2つの視覚情報を融合して写真が立体的に見える仕組みです。
3Dの映画やテレビで立体映像を見るのと同じ原理です。
そして、2つのハンドルを操作して、機械と連動しているペンを操ります。
1つ目のハンドルで縦方向、2つ目のハンドルで横方向に動くので操作がとても難しい!
5分かけて中田さんが描いた結果が上の右図(赤い線)です。
黒い線はプロの方が同じ写真を使って描いたものです。
いかに難しいかがわかりますね。

地図づくりの現場に潜入!
  • 南極の東オングル島の地形図
  • 117枚の写真をつなぎ合わせてできている東オングル島の航空写真

国土地理院の仕事は多岐にわたります。
昭和基地がある南極の東オングル島の地形図を作るのも国土地理院の仕事です。
日本が南極に観測隊を派遣するようになった1956年以来、基地周辺の測量や地形の観測を行い、詳細な地形図を作っています。
上の右図は117枚の写真をつなぎ合わせてできている東オングル島の航空写真です。
毎年繰り返し撮影することで基地の変貌を記録として残せるのです。
こうしてできた地形図は50年以上に渡り観測隊員の安全な調査活動を支えています。

地形図を読み解こう
  • 田代博先生
  • 地図記号

今回、地形図の読み解き方を教えてくださるのは田代博先生。
上の右図の地図記号、みなさんいくつわかりますか?
水準点は標高の基準となる点です。しっかり覚えて地形図を読み解いていきましょう!

  • 現在の地形図
  • 70年前の地形図

今回読み解く地形図は東京都江戸川区。
地図の中にある水準点の数値は、東京湾の平均海面を基準にしてどれだけ高いかを示しています。
70年前の地形図と見比べると、水田が住宅街に変わったこと、3m以上土地が低くなったことがわかります。
高度経済成長のときにたくさんの地下水をくみ上げた結果、地盤沈下したのです。

  • 渦巻き状のものが表すのは水部
  • 住宅地の中に池がある

地形図の中にある渦巻き状のものが表すのは水部
池のように水がある部分で、昔の地形図には水部がたくさんあります。
現在の地形図を見ると少なくはなっていますが、住宅地の中に池があることがわかりました。

フィールドワークに行こう
  • 区役所前には近くを流れる荒川の水位がリアルタイムで表示
  • 70年程前に作られた江戸川水門と江戸川閘門

東京都江戸川区にやってきたひなちゃん。
区役所前には近くを流れる荒川の水位がリアルタイムで表示されています。
江戸川区の7割は海抜0m地帯なので、水害を警戒しなくてはいけないのです。

70年程前に作られた江戸川水門と江戸川閘門は、洪水を防ぐため、また東京湾から塩分が入るのを防ぐために設置されました。 
この土地に住む人を洪水と塩害から守っています。

  • 池の正体は金魚の養魚場
  • 次回もお楽しみに〜

先ほど地形図で見つけた池の場所を訪れたひなちゃん。
この池の正体は金魚の養魚場でした。
4000平方メートルの敷地で3種類50000匹の金魚を育てています。
昔は、この一帯1キロメートルほどの間に12〜13軒の金魚の養魚場があったそうです。
土と水が豊かな江戸川区では、昭和40年代まで金魚の養魚場とレンコンの田んぼがたくさんありました。
しかし現在ではそのほとんどが埋め立てられ、金魚の養魚場は2件しか残っていないのだそうです。

地形図からわかることと、現地を見ることでわかることがあります。
みなさんも地形図を持って自分の住む町を歩いてみませんか?
次回もお楽しみに〜☆

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