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地理

Eテレ 毎週 金曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、昨年度の再放送です。

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地理

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※この番組は、昨年度の再放送です。

今回の学習

第19回 現代世界の系統地理的考察
【人口、村落・都市】編

世界の人口問題を考える

  • 地理監修:同志社大学大学院教授 内藤 正典
学習ポイント学習ポイント

世界の人口問題を考える

  • 中田敦彦さんと田中日奈子さん
  • 世界の人口増加率

MCは中田敦彦さん。
そして今回みなさんと一緒に学習するのは、トリプルGの田中日奈子さん(ひなちゃん)です!

現在世界の人口はおよそ72億人。
1950年にはおよそ25億人だったので、この60年で3倍近くに増えています。
上の右図は世界の人口増加率を表した図です。
赤くなっている国は3.0%以上の増加率、青くなっている国は減少していることを表しています。

人口増加と少子高齢化
  • 人口増加が続く発展途上国
  • 先進国では少子高齢化

人口増加が続く発展途上国では、家族計画が普及していないなどの理由で高い出生率を維持しています。
地球上の空間と資源は無限ではありません。
水や食料の供給には限りがあり、人間を無制限に養うことはできないのです。

一方、先進国では少子高齢化が進んでいます。
医療が進歩したため人々が長寿になり高齢化が進みました。
また結婚しなかったり、子どもが1人以下の家庭が増えることで少子化も起こります。

  • 世界でもっとも少子高齢化が進んでいるのが日本
  • 高齢社会への対応が遅れている

世界でもっとも少子高齢化が進んでいるのが日本です。
1980年代から急上昇した日本の高齢化率は2000年を過ぎると他の先進国を追い抜きました。
このような世界でも例のない高齢化のスピードに、高齢社会への対応が遅れています。
認知症や孤独死、そして子育てに付きまとう経済的不安など、先進国の人口問題は悪循環に陥っています。

身近な貿易
  • 内藤正典先生
  • 経済が発展していくにつれて富士山型から釣り鐘型・つぼ型へと変化

今回、人口問題について教えてくださるのは内藤正典先生。
人口の増加や少子高齢化によって、ひとつの国の年齢別の人口構成が変わってきます。
例えば、ガーナは出生率も高くなっていますが、乳児死亡率の高さや医療制度の問題などもあり高齢者の人数は少なくなっています。
このような人口ピラミッドを富士山型といいます。
また、アメリカ合衆国のような人口ピラミッドを釣り鐘型、日本のような人口ピラミッドをつぼ型といいます。
経済が発展していくにつれて富士山型から釣り鐘型・つぼ型へと変化していく傾向があります。
日本の場合、10年後には少子高齢化が働き手の不足に影響すると考えられています。

ドイツの少子高齢化対策
  • トルコから来た大勢の人が鉱山や自動車工場で働いた
  • ヨーロッパのさまざまな国でイスラム教徒に対する迫害が広がった

ドイツでは1950年代から少子高齢化が始まりました。
第二次世界大戦で多くの働き手を失ったことも原因のひとつです。
そこで復興のため、他の国から多くの移民を受け入れました。
特にトルコから来た大勢の人が鉱山や自動車工場で働いて、ドイツの復興を支えました。
トルコから来た人の多くはイスラム教徒でした。
移民の募集が停止した後も、母国から家族や親戚を呼び寄せた人が多くいたため、現在では人口の5%にあたる400万人がイスラム教徒の移民で占められています。

しかし1980年代にオイルショックによる不況に陥り失業率が高まると、トルコ人に対する不満が高まりました。
そして2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロはイスラム過激派のテロリストによる犯行であると思われました。
するとヨーロッパのさまざまな国でイスラム教徒に対する迫害が広がりました。
ドイツも例外ではありません。
少子高齢化対策として、なくてはならない移民政策ですが、異なる文化をもつ人たちを受け入れる方法について、今もさまざまな議論が交わされています。

異文化との共生
  • 中田敦彦さんと田中日奈子さん
  • 内藤正典先生

ドイツの人たちの文化では、休日の前の晩は家で静かに過ごすことが多いですが、
トルコの人たちは友だちを集めて楽しく過ごそうとします。
最初の摩擦はそんなところから始まっています。
民族・宗教・習慣の違いがあることを受け入れる国と移民側がわかり合えば良いのです。
しかし景気が悪くなり失業した自国の人たちが、移民の人が働いていることに不満を抱いているのも事実です。
このような問題は、現在アメリカやヨーロッパでも大きな問題になっています。

人口移動と受け入れ国
  • 賃金の高いアメリカやヨーロッパが国際移動の目的地になっている
  • 中田敦彦さんと田中日奈子さん

上の左図で、矢印は近年の外国人の主な国際移動を表しています。
また1か月の平均賃金が高い国から順に赤、オレンジ、黄、緑で塗ってあります。
この図から、賃金の高いアメリカやヨーロッパが国際移動の目的地になっていることがわかります。
日本は単純労働者の受け入れは認めていません。
しかし、労働力を補充するため、日本でも外国人労働者が増えてきています。

日本の外国人受け入れ
  • 203万人の外国人が日本で暮らしている
  • ある牛タン料理のチェーン店では積極的に外国人のアルバイトを採用

1980年代以降、日本の入国管理政策は徐々に修正され、外国人の労働者を積極的に受け入れるようになりました。
今では203万人の外国人が日本で暮らしています。
ある牛タン料理のチェーン店では積極的に外国人のアルバイトを採用しています。
接客などの指導をしているのもキャリアを積んで正社員に抜擢された中国人のスタッフ。
日本人の労働者が減ってくるのはわかっているので、今採用している外国人のアルバイトの人にいかに日本人と同じ気持ちでサービスをしてもらえるかが重要だと、このチェーン店は考えています。

  • 日本の建設会社が設置した国際職業訓練校
  • ベテランの社員が日本語や仕事の手順を一から教える

ベトナムのニンビン省には日本の建設会社が設置した国際職業訓練校があります。
母国で仕事を覚えてから日本に来ることで、即戦力になってもらいたいと考えてつくられました。
ここでは、ベテランの社員が日本語や仕事の手順を一から教えています。

インドネシアからの介護福祉士
  • ウィダヤティさん
  • イスラム教徒のウィダヤティさん

神奈川県横須賀市にある特別養護老人ホームで介護福祉士として働く、インドネシアから来たウィダヤティさんのもとを訪れたひなちゃん。
看護士の勉強をして来日し、3年間の研修を経て介護福祉士になったウィダヤティさん。
イスラム教徒のウィダヤティさんは1日に5回、聖地であるメッカに向かってお祈りをします。
さらに1か月間、日中断食を行う宗教行事もあります。
時間の管理など大変な面もありますが、一緒に働く仲間も理解してくれています。
言葉も生活習慣も宗教も違う日本で働くウィダヤティさんは、この職場になくてはならない一人になっています。

まだしばらくこの仕事を続けたいと言うウィダヤティさんの夢は、お金をためて母国に医院を作ることだそうです。

日本の受け入れ問題
  • 次回もお楽しみに

日本の外国人受け入れはうまくいっているかのように見えますが、日本の業界からは批判の声もあります。
ひとつは日本人の介護や看護の専門家が育たないという問題。
もうひとつには、日本の政府が外国人労働者の家族をどうするかをまだ考えられていないということです。
日本では単身赴任という形がありますが、多くの国では人権に反すると考えられます。
この先、日本が外国人を受け入れるのであれば、家族との同居なども日本人と平等に扱う覚悟が必要です。

次回もお楽しみに〜☆

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