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皆さん、こんにちは〜
高校講座地学、「恒星の進化」。講師は、鈴木文二先生です。
今回は、恒星はどのように進化していくのかを学習していきましょう。
前回に引き続き、恒星のことは星と呼んでいくことにします。


原始星:生まれたばかりの星 主系列星:一人前の星
主系列星とは、星の進化の主人公です。
主系列星とは、原始星に比べると、一人前の星のことを言います。


プレアデス星団M45(すばる)
鈴木先生と大澤さんは、前回、埼玉県ときがわ町の堂平(どうだいら)天文台で、星を観察しました。
そのとき、南の空に見つけた、オリオン座の三つ星から右の方を見ると、ひときわ輝く
一等星のアルデバランがありました。
さらに、その右の方に、ぼんやりと見えたのがプレアデス星団M45です。
日本では、「すばる」の名前で親しまれています。


散開星団 球状星団 星団を調べると星の進化がわかる
星団とは星の集まりのことです。
左の写真のプレアデス星団M45は青い色が特徴です。そのほかにも、M44、M35などがあります。
これらは、散開星団と呼ばれていて、数100個の星が集まっています。
一方、中の写真はM13、M4、M2といわれる星団です。
これらは、星の集まり方がボールの形のようなので、球状星団と呼ばれています。
星々の数は、数10000個にもなります。
実は、星団を調べると、星の進化の様子がわかるのです。


星団の特徴
星団には次のような特徴があります。
1.同時に誕生…個性を調べるには、同年齢の集団がよい。
2.化学組成が同じ…星を作る材料が同じなので、進化を考える計算がしやすい。
3.距離が等しい…絶対等級を求めなくても良い。
そのため、星団を調べると星の進化がわかるのです。


散開星団M45のHR図
散開星団M45の星々を、明るさと色で並べます。
タテ軸は実視等級 (見た目の明るさ)、ヨコ軸は表面温度をあらわしています。
つまり、色と明るさの関係です。
このような、星の進化の様子を初めて図に表わした二人の人の頭文字から、HR図と呼んでいます。
M45のHR図を見ると、左上の青い星は明るくて、右下の赤い星は暗いという特徴があります。
このような特徴を持つ星たちのグループを、主系列星と呼びます。
これらが大人の星々ということです。


原始星のHR図 10万年後のHR図 1000万年後のHR図
生まれたばかりの原始星から、主系列星になるまでの様子を見てみましょう。
左の図の10M、3M、1M、0.5Mというのは、それぞれ太陽の質量の10倍、3倍、…である、
ということを表しています。
原始星は温度が低く、明るいので、HR図では左の図のようになります。
中の図は原始星が生まれてから10万年後の図です。
色は青っぽくなり、表面温度はさらに上がります。
右の図は1000万年後の図です。
左上の青い星から、右下の赤い星まで一直線上に並んでいます。
主系列星の誕生です。
現在のM45の年齢は、およそ3000万年くらいですが、これでも若い方の星団です。
質量が大きかった原始星は質量が大きく明るい大きな青い星に、質量が小さかった原始星は
質量が小さく暗い小さな赤い星になります。
主系列星になる時、その質量や大きさなどの特徴は生まれたときの質量で決まるのです。
また、主系列星の時期はとても安定していて、星の一生の大部分は主系列星というグループの中で
過します。


主系列星の核融合反応
主系列星は、水素を燃料にした核融合反応で光っています。
このとき、4個の水素が核融合して1個のヘリウムになります。
4個の水素と1個のヘリウムを比べると、ヘリウムの方が軽いので、その質量の差がエネルギーとして
放出されるのです。
例えば、1gの水素が核融合反応でヘリウムになると、石油20トンを燃やしたのと同じ位のエネルギーが
出ます。
今から46億年前に誕生した太陽は、この核融合反応によって、まだ数%くらいしか水素を消費して
いません。
反応の様子が多少変わっても、あと50億年くらいはもつでしょう。


星の寿命も生まれたときに決まる 散開星団M45のHR図
星は誕生した時に、その寿命も決まります。
星は、その一生が全て生まれたときの質量で決まるといってもいいのです。
右の図、M45のHR図を見てください。
主系列星の左上の星たちの位置が、直線から少しずれています。
実は、この星たちは主系列星から次の進化を始めたのです。
これは、星の内部に変化が起きている、ということです。


主系列星の核融合反応 新たな核融合反応がおこるようになり、膨張して赤色巨星となる
左の図は、主系列星の内部の様子です。
水素原子4個からヘリウム原子1個を作る核融合反応によって、燃えカスであるヘリウムがたまって
いきます。
やがて、主系列星の内部の温度や圧力が大きくなり、膨らみだします。
ヘリウムがさらに核融合して、炭素や酸素ができ始めたのです。
内部の核融合反応が二ヶ所でおきているので、そのバランスを取るために、膨張するのです。
表面積も大きくなるので、さらに明るくなっていきます。
これが、赤色巨星です。


球状星団M13のHR図 次回もお楽しみに〜
球状星団M13のHR図を見てみましょう。
M13では、主系列星の青い星、さらに白い星、黄色い星までが巨星へと進化しています。
巨星になると、急速に進化が進みます。
青い星は短命で、寿命は数100年から数1000万年です。
一方、赤い星の寿命は1000億年以上です。
M13は生まれてからおよそ、100億年位の時間が経っています。
球状星団は銀河系と同時期につくられたと考えられています。
一方、主系列星がほとんどの散開星団は、ずっと後に生まれた若い星の集まりです。
散開星団と球状星団の違いは、集まり方、星の数だけではなく、その年齢にも大きな違いが
あるのです。
それでは、次回もおたのしみに〜!