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今回のテーマは「電気をつくる」。
最初に私たちが使っている電気はどこで作られているのか考えてみましょう。
火力発電所では石油や石炭を燃やして、その熱でつくった水蒸気の力を利用してタービンを回し発電しています。
水力発電では水の強い圧力を利用してタービンを回すことで発電をしています。
風力発電では、風の力を使って羽根を回し発電しています。


私たちの身近にも発電機はあります。
例えば自転車のライトも、自転車の発電機によって点灯しています。
また、スタジオに用意した手回し発電機の中を見ると、コイルと磁石が入っています。
コイルが回ることで発電しているのです。
前回学習したモーターもコイルと磁石でできていました。
モーターと発電機の構造は似ています。


発電機の部品であるコイルと磁石が電気をうんでいます。
電流がどちらに流れているのかを調べる検流計にコイルをつなげたものを用意しました。
検流計は、2つの端子のうち電流が流れ込む向きに針がふれるようになっています。
コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると、針がふれます。
つまり磁石を近づけたり遠ざけたりすることで発電され、コイルに電流が流れたことがわかります。
これを、電磁誘導(でんじゆうどう)といいます。
また、電磁誘導によって流れる電流を誘導電流(ゆうどうでんりゅう)といいます。
そして、誘導電流が流れるということは、コイルに電流を流そうとするはたらきがうまれるということです。
このはたらきのことを誘導起電力(ゆうどうきでんりょく)といいます。


コイルに磁石を近づけたときに流れる電流の向きについて詳しく調べてみます。
磁石のN極をコイルに近づけると検流計の針は左にふれ、遠ざけると右にふれます。
つまり電流の向きは反対になっています。


コイルに流れる電流の向きと、磁界の向きの関係について考えてみましょう。
コイルの近くに棒磁石があるとき棒磁石の磁界の向きは左の図にようになっています。
コイルに棒磁石を近づけると電流の向きは時計回りになります。
この時コイルには左向きの磁界が強まっています。
そして、誘導電流が作る磁界の向きは右向きです。
次に、棒磁石をコイルから遠ざけた場合をみていきます。
右の図のようにコイルから棒磁石を遠ざけようとしたときの電流の向きは反時計回りになります。
この時、コイル付近では左向きの磁界が弱まっています。
そして、誘導電流が作る磁界の向きは左向きです
つまり、コイル内に生じた磁界の変化を打ち消すような向きに誘導電流が流れるのです。
これをレンツの法則といいます。


次に、S極をコイルに近づけたり遠ざけたりしてみました。
すると、S極を近づけた時とN極を近づけた時では、コイルに流れる電流の向きが反対になりました。


ここで、磁石を近づけるか遠ざけるかだけでなく、
コイルの回転運動が電磁誘導を引き起こすのかどうか実験して調べてみましょう。
コイルの下に磁石を置き、コイルの先を検流系につないだ装置を用意しました。
コイルを回転させると電流が流れました。
回転するコイルの面の傾きにあわせて、針が左右に動くことがわかりました。
つまり、コイルの回転する面の傾きによって電流の流れる向きが変化しているのです。


磁石のN極からは上向きの磁力線がでています。
コイルを回転させてみます。
コイルの面が上に向いていくと、だんだんと磁力線がコイルの中に入っていき、磁力が強まっていきます。
このときレンツの法則から、コイルの部分には下向きの磁界をつくるような右回りの誘導電力が流れます。
さらにコイルを回転させて、面が傾いてくると、磁力線がコイルの外にはみ出していきます。
このときレンツの法則から、コイルの部分には上向きの磁界をつくるような左回りの誘導電力が流れます。
この発電の仕組みは、火力発電、水力発電、風力発電などの大規模な発電機でも同じです。


火力発電のしくみを見てみましょう。
発電機の中を見ると、回転する部分が磁石になっています。
磁石は、長さが4.5メートルもあります。
回る磁石の外側には、導線をぐるぐるまいたものがあります。
火力発電では、石油や石炭などの燃料を燃やして水を沸騰させて発生する
大量の水蒸気で発電機を回しています。
大きな羽根車に水蒸気をあてて、回転させているのです。
水力発電も風力発電も発電機のしくみはこれと同じです。


電磁誘導は発電に使われるだけではありません。
例えば、マイクを分解すると、磁石とコイルがはいっています。
マイクのしくみも磁石とコイルの電磁誘導によるものなのです。
声の大きさや高さに応じてコイルが振動して、声を電気に変えているのです。


紙コップの底面に磁石とコイルを付けた、紙コップマイク。
義達さんにマイクに向かってしゃべってもらいました。
すると、ラジカセのスピーカーから、声が聞こえてきました!
これは、紙コップの底に貼付けたコイルと磁石により誘導起電力が発生し、電流が流れる、
というしくみになっています。


手回し発電機どうしをつなげて一方の発電機を回せば、他方の発電機はモーターとして働きます。
発電機同士を図のようにつないで、左側の発電機を回した時、電磁誘導によって電流が
コイルを右回転に流れます。
流れた電流は、反対側の発電機に流れ、今度はこちら側のコイルがフレミングンの左手の法則により回転します。
この時、片方は発電機、もう片方はモーターとしてはたらいています。
次回は「交流とはなにか」です。お楽しみに!!