NHK高校講座

簿記

Eテレ 夏・冬期特別講座放送
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第17回 決算

決算レベルアップ! 〜決算整理〜

  • 簿記監修:城西大学経営学部客員教授 粕谷 和生
学習ポイント学習ポイント

決算レベルアップ〜決算整理〜

決算レベルアップ〜決算整理〜
  • 祥伍くんと莉奈ちゃん
  • さかっちさん

今日も絶好調!オーナー店長のさかっち(酒井瞳さん)。
そして、アルバイト従業員の莉奈ちゃん(松田莉奈さん)と祥伍くん(石井祥伍くん)。
今回も、3人と一緒に簿記を学んでいきましょう☆

決算整理とは
  • わたび〜
  • ある商店の期末の勘定残高の一覧

今回、決算について教えてくれるのは、公認会計士でお笑い芸人のわたび〜さん。
なぜか警備員の格好で登場です。
交通“整理”決算“整理”にかけた、ということでしょうか??

決算は総勘定元帳の勘定残高にもとづいて行うものでした。
しかし、勘定残高のなかには決算日の金額として適正とは言えないものもあります。
そんなときに、勘定の残高を適正な金額に修正する手続きを決算整理といいます。

ある商店の期末の勘定残高の一覧を例に、どの勘定を修正するのか考えていきましょう。

  • 繰越商品勘定の残高は期末商品棚卸高の300円にならないといけません
  • 仕入勘定の残高800円は当期の仕入高を示している

最初に繰越商品勘定と仕入勘定についてです。
繰越商品勘定の残高200円は期首商品棚卸高を示していて、仕入勘定の残高800円は当期の仕入高を示しています。
そして、期末商品棚卸高は300円となっています。
つまり、
期末ですから、繰越商品勘定の残高は期末商品棚卸高の300円にならないといけません。

仕入勘定の残高800円は当期の仕入高を示していますが、これがそのまま売上原価となるわけではありません。
そこで、決算整理を行って、仕入勘定の残高が売上原価を示すように修正します。
売上原価とは、売れた商品の仕入原価のことです。
期首商品棚卸高+仕入高−期末商品棚卸高=売上原価
このような計算によって求めることができます。

  • 期末商品棚卸高を繰越商品勘定から仕入勘定に振り替え
  • 合計1,000円

それでは、仕入勘定の残高が売上原価を示すように決算整理仕訳を考えてみましょう。

売上原価を求めるために、まず期首商品棚卸高+仕入高を計算します。
そのためには、期首商品棚卸高を繰越商品勘定から仕入勘定に振り替えます。
ですから、仕訳は以下のようになります。
(借)仕入 200  (貸)繰越商品 200
これを転記すると、仕入勘定は
借方に期首商品棚卸高の金額(200)、そして仕入高の金額(800)が記入されるので、
合計1,000円
となります。

  • 期末商品棚卸高の300円を繰越商品勘定の借方と、仕入勘定の貸方に記入
  • 200円+800円−300円=700円

次に、期首商品棚卸高+仕入高の合計1,000円から期末商品棚卸高を引きます
そのためには、期末商品棚卸高の300円を繰越商品勘定の借方と、仕入勘定の貸方に記入します。
ですから、仕訳は以下のようになります。
(借)繰越商品 300  (貸)仕入 300
これを仕入勘定に転記すると、
貸方に期末商品棚卸高の金額(300)が記入されます。
したがって、「期首商品棚卸高+仕入高−期末商品棚卸高=売上原価」にあてはめて計算すると、
200円+800円−300円=700円
このように売上原価を求めることができます。

  • 仕入勘定の残高は売上原価となっている
  • 繰越商品勘定の残高も期末商品の金額になっている

これで仕入勘定の残高は売上原価となっていて、繰越商品勘定の残高も期末商品の金額になっていることがわかりますね☆

貸し倒れの見積もり
  • 貸倒見積額
  • 200,000円×5%=10,000円

さかっち商店に「ヤババ商店が倒産した」という連絡がありました。
しかし、さかっち商店はヤババ商店と取り引きをしていませんでした。
これは不幸中の幸いです。
取引先が倒産すると、貸し倒れといって、売掛金などが回収できなくなることがあります。
そこで、決算日に次期に生じるかもしれない貸倒額をあらかじめ見積もり、売掛金勘定の残高が回収可能額を示すように修正する必要があります。
このように未来を予測するのも簿記の役割のひとつなのです。

貸倒見積額売掛金の期末残高×貸倒見積率で求めることができます。
貸倒見積率は、過去の発生率などを参考にして決めます。

それでは、さかっち商店の売掛金(200,000円)の貸倒見積額を求めてみましょう。
貸倒見積率は5%とします。
このとき、
貸倒見積額=売掛金の期末残高×貸倒見積率で求められるので、
200,000円×5%=10,000円
となります。

  • 貸倒引当金繰入勘定と貸倒引当金勘定
  • (借)貸倒引当金繰入 10,000  (貸)貸倒引当金 10,000

それでは決算整理仕訳を行ってみましょう!
使うのは、貸倒引当金繰入勘定貸倒引当金勘定の2つ。
貸倒見積額を、貸倒引当金繰入勘定の借方と、貸倒引当金勘定の貸方に計上します。

ですから、仕訳は以下のようになります。
(借)貸倒引当金繰入 10,000  (貸)貸倒引当金 10,000
これを転記します。
貸倒引当金繰入勘定の借方に金額(10,000)を、
貸倒引当金勘定の貸方に金額(10,000)を記入
しましょう。

※今回の演習では金額のみを転記しています。

固定資産の減価償却
  • 固定資産は、時間の経過によって価値が減少
  • 減価償却費=(取得原価−残存価額)/耐用年数

備品や車両運搬具などの固定資産は、時間の経過によって価値が減少します。
しかし、備品勘定の残高は取得原価のままになっています。
そこで、決算日の備品勘定の残高から価値の減少分を差し引き、適正額を示すように修正しなくてはいけません。
これを固定資産の減価償却といいます。
価値の減少分を減価償却費といい、その費用は計算で求めることができます。
いくつかの計算方法がありますが、今回は定額法という、毎期一定額の減価償却費を計算する方法を覚えましょう!
次の計算式を使います。
減価償却費=(取得原価−残存価額)/耐用年数
耐用年数は、固定資産が使用できるとみられる年数のことで、固定資産の種類ごとに決められています。
残存価額は、耐用年数を過ぎたあと、固定資産を処分しようとしたときの見積処分価額のことです。

  • (500,000円−50,000円)/5年
  • 1年分の減価償却費は90,000円

例題です!
「取得原価は500,000円、残存価額は取得原価の10%、耐用年数は5年の備品があります。このとき、減価償却費を定額法で計算しましょう。」

まず、取得原価から残存価額を差し引きます。
取得原価500,000円の10%なので残存価額は50,000円。
減価償却費=(取得原価−残存価額)/耐用年数
に当てはめて計算すると、(500,000円−50,000円)/5年なので、1年分の減価償却費は90,000円と求められます。

簿記の“キモ”
  • 粕谷和生先生
  • 「し・くり・くり・し」マシーン!

最後に、簿記を教えて38年!粕谷和生先生に簿記のキモを教えてもらいましょう!

今回は決算整理について学びました。
売上原価の決算整理仕訳を楽しく覚える方法をご紹介します!
「し・くり・くり・し」マシーン!
「し」は仕入れ、「くり」は繰越商品を表しています。
リズミカルに覚えられるこのマシーン(?)、ぜひ番組でご覧ください。

  • 次回もお楽しみに〜!

それでは次回もお楽しみに〜☆

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