NHK高校講座

簿記

Eテレ 夏・冬期特別講座放送
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第16回 取引の記帳

資本は店の元手 〜個人企業の資本〜

  • 簿記監修:城西大学経営学部客員教授 粕谷 和生
学習ポイント学習ポイント

資本は店の元手〜個人企業の資本〜

資本は店の元手〜個人企業の資本〜
  • さかっちろ莉奈ちゃん、祥伍くん
  • 酒井瞳さん

今日も絶好調!オーナー店長のさかっち(酒井瞳さん)。
そして、アルバイト従業員の莉奈ちゃん(松田莉奈さん)と祥伍くん(石井祥伍くん)。
今回も、3人と一緒に簿記を学んでいきましょう☆

資本は店の元手
  • 会社やお店を始めるときの活動資金で、元になるお金(資本)のことを元手
  • さかっち

会社やお店を始めるときの活動資金で、元になるお金(資本)のことを元手といいます。
そして、
元手を出すことを元入れ
元手を出した人を出資者
店を運営する人を経営者
といいます。

さかっち商店を例に考えてみましょう。
アイドル時代に貯めたお金(60万円!)を元手にお店を始めたさかっち店長。
さかっち店長は出資者でもあり、経営者でもあります。
このように、個人商店の場合には出資者と経営者が同じ場合が多く、そのような人を事業主といいます。

資本の元入れ
  • わたび〜
  • (借)現金 600,000円   (貸)資本金 600,000円

今回、資本の元入れついて教えてくれるのは、公認会計士でお笑い芸人のわたび〜さん。

さて、さかっち商店の元手は600,000円でした。
このとき、元入れの仕訳は以下のようになります。
(借)現金 600,000   (貸)資本金 600,000

貸方の資本金600,000円は、出資者であるさかっちが出した元手を表しています。
また、借方の現金600,000円は、元入れの結果、店の現金が600,000円増えたことを表しています。
このとき、元入れによって、さかっちの現金は減ったように感じるかもしれませんが、それは出資者である“さかっち”の立場で現金をみているからです。
店側にたって考えた場合、現金は増えているのです。
簿記は企業側にたって行うのが大原則なので、発生した取引すべてを企業側からみて記帳しましょう。

資本の追加元入れ
  • 事業拡張のため、事業主さかっちが現金¥750,000を追加元入れ
  • (借)現金 750,000  (貸)資本金 750,000

お店をさらに大きくすることを考えたときなど、事業主が現金などの資産を追加して元入れすることがあります。
これを追加元入れといいます。
仕訳は開業時の元入れの場合と同じです。

次の例で考えてみましょう。
「事業拡張のため、事業主さかっちが現金¥750,000を追加元入れした」

このとき、仕訳は以下のようになります。
(借)現金 750,000  (貸)資本金 750,000

資本の引き出し
  • 店のお金を5,000円持ち出し
  • 借方に金額(5,000)、そして相手の勘定科目(現金)を記入

さかっちはこれから高校時代の同窓会に行くそうです。
そのために店のお金を5,000円持ち出しました。
この場合の記帳はどうなるのでしょうか。

事業主が現金などを私用のために使う取引を資本の引き出しといいます。
私用とは、店の経営とは関係ない事業主の個人的な用事のことです。
元入れが資本の増加だったのに対し、資本の引き出しは資本の減少となります。
資本の引き出しのときの仕訳は、元入れの場合の仕訳の逆を考えれば良いので、次のようになります。
(借)資本金 5,000  (貸)現金 5,000
これを資本金勘定に転記します。
借方に金額(5,000)、そして相手の勘定科目(現金)を記入しましょう。

このように、資本の引き出しは資本金勘定の借方に、追加元入れは資本金勘定の貸方に記入します。
しっかり覚えておいてくださいね☆

  • (借)資本金 3,000  (貸)仕入 3,000
  • 祥伍くんと莉奈ちゃん

さて、同窓会にお店の商品をお土産として持って行った場合も、資本の引き出しにあたります。
店の商品¥3,000を私用で引き出したときの仕訳を考えてみましょう。

(借)資本金 3,000  (貸)現金 3,000
この仕訳でも間違いではありませんが、商品に関する取り引きを3分法で記帳する方法を以前学習したのを覚えていますか?
3分法は、仕入・売上・繰越商品の3つの勘定を使う方法でした。
つまり、商品を引き出したということは、仕入れた商品が減るということなので、
貸方の勘定科目は「仕入」となるのです。
ですから、仕訳は以下のようになります。
(借)資本金 3,000  (貸)仕入 3,000
これを資本金勘定に転記します。
借方に金額(3,000)、そして相手の勘定科目(仕入)を記入しましょう。

  • 引出金勘定
  • わたび〜

先ほどの仕訳ですが、資本の引き出しが何度もあると、借方がごちゃごちゃしてきますね。
それを解消するため、資本金勘定の借方だけを担当する勘定が引出金勘定です。
資本の引き出しは引出金勘定に記入しておけば、資本金勘定には記入しなくてよいのです。
そして、会計期末に引出金勘定の借方合計額を資本金勘定の借方に移動させます。
これは振り替えでしたね。

固定資産税
  • 固定資産税
  • 固定資産税2万円を現金で納付した場合の仕訳

さかっち商店に、役所から固定資産税のお知らせが届きました。
固定資産税とは、土地や建物の所有者に課せられる税金です。
税金を納付したときは、租税公課という費用グループの勘定を使います。
租税公課勘定を使うのは、固定資産税、事業税、印紙税などです。

例えば、さかっち商店が固定資産税2万円を現金で納付した場合の仕訳は以下のようになります。
(借)租税公課 20,000  (貸)現金 20,000

所得税
  • 祥伍くんと莉奈ちゃん
  • わたび〜

次に所得税の記帳について覚えましょう。

事業主のさかっちが店の現金で所得税を納付したとします。
所得税とは、事業主個人の所得に課せられる税金です。
これを店の現金で納付した場合には、資本の引き出しにあたります。

簿記マスター演習!!〜資本の引き出しの記帳〜
  • 事業主のさかっちは店の現金10,000円を私用のために引き出した
  • 借方に金額(10,000)、そして相手の勘定科目(現金)を記入

次の例を考えてみましょう。
「事業主のさかっちは店の現金10,000円を私用のために引き出した。」

私用ですから、資本の引き出しということです。
ですから、仕訳は以下のようになります。
(借)引出金 10,000  (貸)現金 10,000
これを引出金勘定に転記します。
借方に金額(10,000)、そして相手の勘定科目(現金)を記入しましょう。

  • 事業主のさかっちは所得税70,000円を店の現金で納付
  • 借方に金額(70,000)、そして相手の勘定科目(現金)を記入

次の取り引きです。
「事業主のさかっちは所得税70,000円を店の現金で納付した。」

このとき、仕訳は以下のようになります。
(借)引出金 70,000  (貸)現金 70,000
これを引出金勘定に転記します。
借方に金額(70,000)、そして相手の勘定科目(現金)を記入しましょう。

  • 決算にあたり、引出金勘定の残高を資本金勘定に振り替えた
  • さかっち

そして最後に、
「決算にあたり、引出金勘定の残高を資本金勘定に振り替えた」
とします。

まず、引出金勘定の残高は80,000円です。
これを資本金勘定に振り替えるためには、引出金勘定を0にしなくてはいけないので、貸方の勘定科目は引出金です。
そして、引出金の移動先は資本金勘定ですから、仕訳は以下のようになります。
(借)資本金 80,000  (貸)引出金 80,000
これを転記すると、以下のようになります。
引出金勘定の貸方に金額(80,000)、そして相手の勘定科目(資本金)を記入、
資本金勘定の借方に金額(80,000)、そして相手の勘定科目(引出金)を記入。

簿記の“キモ”
  • 粕谷和生先生
  • 次回もお楽しみに〜!

最後に、簿記を教えて38年!粕谷和生先生に簿記のキモを教えてもらいましょう!

今回は資本金勘定から借方だけを記入する引出金勘定について学びました。
資本の引き出しがあったときに、引出金勘定の借方に記入しておき、期末に引出金の残高を資本金勘定に振り替えるのでしたね!
引出金勘定は資本金勘定の分身のようなものです。
しっかり復習しておいてくださいね!

それでは次回もお楽しみに〜☆

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