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Eテレ 夏・冬期特別講座放送
※この番組は、前年度の再放送です。

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Eテレ 夏・冬期特別講座放送
※この番組は、前年度の再放送です。

今回の学習

第15回 取引の記帳

まだある勘定科目 〜その他の債権・債務〜

  • 簿記監修:城西大学経営学部客員教授 粕谷 和生
学習ポイント学習ポイント

まだある勘定科目〜その他の債権・債務〜

まだある勘定科目〜その他の債権・債務〜
  • 莉奈ちゃんと祥伍くん
  • 酒井瞳さん

今日も絶好調!オーナー店長のさかっち(酒井瞳さん)。
そして、アルバイト従業員の莉奈ちゃん(松田莉奈さん)と祥伍くん(石井祥伍くん)。
今回も、3人と一緒に簿記を学んでいきましょう☆

こんな場合の勘定科目は?
  • さかっち商店に莉奈ちゃんあての荷物が届きました
  • 勘定科目は何になる?

さかっち商店に莉奈ちゃんあての荷物が届きました。
代金引換だったので、さかっち店長がお店の現金で立て替え払いしてくれていました。
中身は、莉奈ちゃんのお父さんへのサプライズプレゼントだそうです。
さて、この場合の勘定科目は何になるでしょうか?

  • わたび〜さん
  • 莉奈ちゃんと祥伍くん

今回3人の疑問に答えてくれるのは、公認会計士でお笑い芸人のわたび〜さん。

先ほどのさかっち商店の立て替え払いについて考えてみましょう。
まず、取引の中にどんな債権・債務が発生しているのかを見抜くことが大切です。
債権とは、将来一定金額を受け取るなどの権利のことであり、
債務とは、将来一定金額を支払うなどの義務のことです。
つまり、
さかっち商店にとって「いつか返してもらうお金」=債権が発生しています。

債権・債務を表す勘定科目については、これまでにも学んできました。
売掛金買掛金受取手形支払手形、みなさん覚えていますか?
債権・債務を表す勘定はペアで覚えておくようにしましょう!

簿記マスター演習(1)
  • 石井商店は松田商店に借用証書によって現金100,000を貸し付けた
  • 債権は資産、債務は負債

債権・債務の記帳についてです。
次の例で考えてみましょう。
「石井商店は松田商店に借用証書によって現金100,000を貸し付けた」

このとき、石井商店には「貸したお金を返してもらえる」=債権が発生しています。
一方の松田商店には「借りたお金を返さなければならない」=債務が発生しています。
つまり、
お金を貸した側には債権が発生し、借りた側には債務が発生するということです。
債権資産債務負債となります。
それぞれの勘定科目は、石井商店の債権が貸付金、松田商店の債務が借入金となります。

債権の発生=貸付金の増加となるので、石井商店の仕訳は以下のようになります。
(借)貸付金 100,000  (貸)現金 100,000

債務の発生=借入金の増加となるので、松田商店の仕訳は以下のようになります。
(借)現金 100,000  (貸)借入金 100,000

  • 「石井商店は松田商店から貸付金¥100,000の返済を受け、利息4,000縁とともに現金で受け取った」
  • さかっちとわたび〜

次に貸したお金を返してもらう場合の仕訳を考えてみましょう。
「石井商店は松田商店から貸付金100,000円の返済を受け、利息4,000円とともに現金で受け取った」

つまり、石井商店は利息とともに現金104,000円を受け取りました。
そして貸付金の返済を受けたので、貸付金という債権が消滅しています。
ですから、石井商店の仕訳は以下のようになります。
(借)現金 104,000  (貸)貸付金 100,000
                  受取利息  4,000


一方の松田商店では、現金で返済をして、借入金という債務が消滅しています。
ですから、松田商店の仕訳は以下のようになります。
(借)借入金 100,000  (貸)現金 104,000
   支払利息  4,000

手形貸付金・手形借入金
  • 貸した側は貸付金が手形貸付金にかわる
  • 借りた側は借入金が手形借入金に変わる

金銭の貸し借りにおいて、借用証書の代わりに約束手形を使う場合には、
貸付金と借入金ではなく、手形貸付金手形借入金という勘定科目のペアを使用します。

先ほどの石井商店と松田商店の取り引きで、約束手形を使った場合には、
貸した側は貸付金が手形貸付金に、借りた側は借入金が手形借入金に変わります。

簿記マスター演習(2)
  • 買い手側には“商品を確実に引き渡せ”という債権が発生
  • 石井商店の仕訳

次の取り引きを考えてみましょう。
「石井商店は松田商店に、商品300,000円を注文し、内金として60,000円を小切手で支払った」

注文の段階で、商品代金の一部である内金が買い手から売り手に支払われています。
そのため、買い手側には“商品を確実に引き渡せ”という債権が発生しています。
同時に売り手側には、商品を確実に引き渡さなければならない債務が発生しています。
商品引き渡しに関する債権前払金債務前受金という勘定科目を使用します。

ですから、
石井商店の仕訳は以下のようになります。
(借)前払金 60,000  (貸)当座預金 60,000

松田商店の仕訳は以下のようになります。
(借)現金 60,000  (貸)前受金 60,000

  • 売掛金・買掛金は商品売買の取引にしか使えない
  • 未収金・未払金という勘定科目を使用

次の取り引きを考えてみましょう。
「石井商店は帳簿価額100,000円の備品を120,000円で松田商店に売却し、代金は月末に受け取ることにした」

このとき、石井商店には“代金をあとでもらえる”という債権が発生しています。
そして、松田商店には“代金をあとで支払う”という債務が発生しています。

この場合に使用する勘定科目は売掛金・買掛金ではありません。
売掛金・買掛金は商品売買の取引にしか使えないのです。
商品売買以外の取引で発生した一時的な債権・債務には、未収金・未払金という勘定科目を使用します。

ですから、
石井商店の仕訳は以下のようになります。
(借)未収金 120,000  (貸)備     品 100,000
                   固定資産売却益  20,000

松田商店の仕訳は以下のようになります。
(借)備品 120,000  (貸)未払金 120,000

立替金と預り金
  • 従業員や取引先から現金などを一時的に預かったときの債務は預り金
  • 祥伍くんが取材に行ってきました!

さて、莉奈ちゃんの代金引換の荷物の受け取りで、さかっち商店が支払いをした問題を思い出してください。

従業員や取引先のために一時的に立て替え払いをしたときの債権は立替金
逆に、従業員や取引先から現金などを一時的に預かったときの債務は預り金
という勘定科目になります。

ところで、従業員がもらう給料には所得税が課されています。
会社やお店は従業員の所得税を一時的に預かります。
これが源泉徴収
祥伍くんが取材に行ってきました!

社会で簿記ing〜源泉徴収〜
  • 祥伍くん
  • 税務広報広聴官の植山さん

祥伍くんがやってきたのは、東京都の上野税務署。
全国に500か所以上ある税務署では、所得税や法人税、消費税など、さまざまな税金を扱っています。

今回、源泉徴収について教えてくれるのは、税務広報広聴官の植山和代さん。
源泉徴収とは、会社やお店が従業員の所得税を預かり、従業員に代わって納付する制度のことです。
従業員1人1人が個別に納付するよりも、まとめて納付したほうが確実で効率的で、
うっかり納付を忘れることもなくなります。

税金はより良い社会のために欠かせません。
源泉徴収は確実で公平な納税のために作られた制度のひとつなのです。

立替金と預り金
  • 給料200,000円の支払いにあたり、所得税額10,000円を差し引き、残額190,000円を現金で支払った
  • 所得税預り金という勘定科目を使用

源泉徴収に関する例を考えてみましょう。
「給料200,000円の支払いにあたり、所得税額10,000円を差し引き、残額190,000円を現金で支払った」

所得税10,000円は従業員からの預り金に違いありませんが、所得税として預かったことを明確にするため、所得税預り金という勘定科目を使用します。

ですから、仕訳は以下のようになります。
(借)給料 200,000  (貸)現    金 190,000
                  所得税預り金  10,000

  • 預かった所得税を事業主が税務署に現金で納付した場合
  • 仕訳

その後、従業員から預かった所得税を事業主が税務署に現金で納付した場合、
仕訳は以下のようになります。
(借)所得税預り金 10,000  (貸)現    金 10,000

  • さかっちとわたび〜
  • 仕訳

最後に、仮払金・仮受金という2つの勘定科目を覚えましょう!
仮払金は、とりあえず払ったけれど勘定科目や金額がはっきりしない場合に使います。
仮受金は、とりあえず受け取ったけれど勘定科目や金額がはっきりしない場合に使います。
仮払金債権仮受金債務にあたります。

次の例で考えてみましょう。
「従業員の出張にさいし、旅費の概算額50,000円を現金で渡した」

この場合の仕訳は以下のようになります。
(借)仮払金 50,000  (貸)現金 50,000

簿記の“キモ”
  • 粕谷和生先生
  • 次回もお楽しみに〜!

最後に、簿記を教えて38年!粕谷和生先生に簿記のキモを教えてもらいましょう!

今回はいろいろな勘定科目を学びましたね。
最後にもうひとつ!商品券という勘定科目もあります。
商品券は、お店が現金と引き換えに発行するものです。
そして商品券を持ってきたお客さんには商品を渡します。
つまり、
お店が商品券を発行したときには、商品の引き渡し債務が発生するのです。
しっかり復習しておいてくださいね!

それでは次回もお楽しみに〜☆

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