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簿記

Eテレ 夏・冬期特別講座放送
※この番組は、前年度の再放送です。

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簿記

Eテレ 夏・冬期特別講座放送
※この番組は、前年度の再放送です。

今回の学習

第13回 取引の記帳

支払いを先にのばせる 〜手形の取引〜

  • 簿記監修:城西大学経営学部客員教授 粕谷 和生
学習ポイント学習ポイント

支払いを先にのばせる〜手形の取引〜

支払いを先にのばせる〜手形の取引〜
  • 酒井瞳さん
  • 莉奈ちゃんと祥伍くん

今日も絶好調!オーナー店長のさかっち(酒井瞳さん)。
そして、アルバイト従業員の莉奈ちゃん(松田莉奈さん)と祥伍くん(石井祥伍くん)。
今回も、3人と一緒に簿記を学んでいきましょう☆

約束手形
  • わたび〜さん
  • 手形

今回「手形の取引」について教えてくれるのは、公認会計士でお笑い芸人のわたび〜さん。
取引において、支払いを先にのばしてもらうときに使うのが手形です。
手形には、約束手形為替手形があります。

  • 約束手形
  • 名あて人の手形債権は受取手形勘定

まず、約束手形についてです。
上部の「〜殿」の欄に書かれている人が名あて人(受取人)です。
そして、下部に書かれているのが振出人(支払人)です。
手形金額は振出人から名あて人へと支払われます。
つまり、約束手形とは、振出人が名あて人に対して、一定の期日に手形に記載してある金額を支払うことを約束した証券なのです。
支払期日のことを満期日ともいいます。

約束手形のポイントは3つ!
(1)登場人物は名あて人と振出人の“2人”
(2)名あて人の手形債権は受取手形勘定に記入
(3)振出人の手形債務は支払手形勘定に記入

簿記マスター演習〜約束手形の記帳〜
  • 11月10日 松田商店は商品¥200,000を売り渡し、代金は約束手形で受け取った
  • 名あて人は松田商店、振出人はさかっち商店

約束手形の記帳のしかたを覚えましょう!
次のように約束手形を振り出したとします。
「11月10日 松田商店は商品¥200,000を売り渡し、代金は約束手形で受け取った」
このとき、名あて人は松田商店、振出人はさかっち商店です。

名あて人の松田商店には手形債権が発生します。
ですから、仕訳は以下のようになります。
11/10 (借)受取手形 200,000  (貸)売上 200,000
これを受取手形勘定に転記します。
借方に日付(11/10)と金額(200,000)、そして相手の勘定科目(売上)を記入しましょう。

振出人のさかっち商店には手形債務が発生します。
ですから、仕訳は以下のようになります。
11/10 (借)仕入 200,000  (貸)支払手形 200,000
これを支払手形勘定に転記します。
貸方に日付(11/10)と金額(200,000)、そして相手の勘定科目(仕入)を記入しましょう。

  • 12月10日 さかっち商店振り出しの約束手形¥200,000が、松田商店の当座預金に入金した
  • さかっち商店は手形金額を支払ったので、当座預金は減少し、手形債務がはなくなる

次に満期日の取引についてです。
満期日が近づくと、受取人である松田商店は取引銀行に手形の取り立てを依頼します。
次の例で考えてみましょう。
「12月10日 さかっち商店振り出しの約束手形¥200,000が、松田商店の当座預金に入金した」

松田商店は手形金額が当座預金に入金したので、当座預金が増え、手形債権はなくなります。
ですから、仕訳は以下のようになります。
12/10 (借)当座預金 200,000  (貸)受取手形 200,000
これを受取手形勘定に転記します。
貸方に日付(12/10)と金額(200,000)、そして相手の勘定科目(当座預金)を記入しましょう。

さかっち商店は手形金額を支払ったので、当座預金は減少し、手形債務がなくなります。
ですから、仕訳は以下のようになります。
12/10 (借)支払手形 200,000  (貸)当座預金 200,000
これを支払手形勘定に転記します。
借方に日付(12/10)と金額(200,000)、そして相手の勘定科目(当座預金)を記入しましょう。

為替手形
  • 貸した500円を私ではなく莉奈ちゃんに払って!
  • 為替手形のやり取りと同じ

為替手形は少し複雑なので、最初にわかりやすい例えを見ていきましょう。

ある日、さかっち店長が祥伍くんに500円を貸しました。
そして数日後、さかっち店長は莉奈ちゃんにお弁当を買ってきてもらいました。
お弁当代は500円でしたが、さかっち店長はお財布を忘れたことに気がつきました。
そこで、祥伍くんに、「貸した500円を私ではなく莉奈ちゃんに払って!」とお願いしました。
祥伍くんが莉奈ちゃんに500円を渡して一件落着☆

このやり取りは、基本的には為替手形のやり取りと同じです。
お金を受け取る権利を持っている人(さかっち)が自分では払わずに、別の人(祥伍くん)に支払わせる、というやり取りを手形用紙を使って行うのが為替手形です。

  • 為替手形
  • 為替手形の場合には名あて人は手形金額の支払人

為替手形には、手形の宛先である名あて人(手形金額を支払う人)と、手形を発行した振出人(手形金額を支払わせる人)、そして受取人(手形金額を受け取る人)の名前が記入されています。

ポイントは4つ!
(1)登場人物は名あて人、振出人、受取人の“3人”
(2)受取人の手形債権は受取手形勘定に記入
(3)名あて人の手形債務は支払手形勘定に記入
(4)振出人の手形債務は支払手形勘定に記入

約束手形の場合には名あて人が手形金額の受取人でしたが、為替手形の場合には名あて人は手形金額の支払人です。
間違わないようにしっかり覚えておいてくださいね!

簿記マスター演習〜為替手形の記帳〜
  • 11月5日 さかっち商店は石井商店に商品¥450,000を売り渡し、代金は掛けとした
  • さかっち商店に売掛金、石井商店に買掛金が発生

為替手形の記帳のしかたを覚えましょう!
次のような取り引きがあったとします。
「11月5日 さかっち商店は石井商店に商品¥450,000を売り渡し、代金は掛けとした」
これは、今までに学習した取り引きです。

さかっち商店に売掛金、石井商店に買掛金が発生します。
ですから、さかっち商店の仕訳は以下のようになります。
11/5 (借)売掛金 450,000  (貸)売上 450,000
また、石井商店の仕訳は以下のようになります。
11/5 (借)仕入 450,000  (貸)買掛金 450,000

  • 11月20日 さかっち商店は松田商店から商品¥450,000を仕入れ、石井商店あてに為替手形¥450,000を振り出し、松田商店に渡した
  • 為替手形を振り出したとき、振出人の仕分けは貸方 売掛金となる

次の取り引きです。
「11月20日 さかっち商店は松田商店から商品¥450,000を仕入れ、石井商店あてに為替手形¥450,000を振り出し、松田商店に渡した」
これは、さかっち商店は石井商店からの売掛金の回収を諦めるかわりに、石井商店から松田商店に支払ってもらうように頼んだ、ということです。
そして、石井商店はその支払を引き受けました。

つまり、
振出人のさかっち商店仕訳は以下のようになります。
11/20 (借)仕入 450,000  (貸)売掛金 450,000
このように、為替手形を振り出したとき、振出人の仕分けは貸方 売掛金となります。

名あて人の石井商店は、さかっち商店に対する買掛金の支払いを免除されたので、買掛金がなくなりました。
そのかわりに松田商店に対する支払債務が発生しました。
ですから、石井商店の仕訳は以下のようになります。
11/20 (借)買掛金 450,000  (貸)支払手形 450,000

受取人の松田商店には手形債権が発生します。
ですから、松田商店の仕訳は以下のようになります。
11/20 (借)受取手形 450,000  (貸)売上 450,000

  • 12月20日 為替手形の金額¥450,000が石井商店の当座預金から支払われ、松田商店の当座預金に入金した
  • 為替手形の記帳

次に満期日の取り引きについてです。
「12月20日 為替手形の金額¥450,000が石井商店の当座預金から支払われ、松田商店の当座預金に入金した」

石井商店は手形金額を支払ったので、手形債務がなくなり、当座預金は減少します。
ですから、仕訳は以下のようになります。
12/20 (借)支払手形 450,000  (貸)当座預金 450,000

松田商店は手形金額が当座預金に入金したので、当座預金が増え、手形債権はなくなります。
ですから、仕訳は以下のようになります。
12/20 (借)当座預金 450,000  (貸)受取手形 450,000

これで為替手形の記帳は完了です☆

手形のこんな使い方
  • 裏書譲渡
  • 裏書譲渡し、残額は掛けとした

手形の裏にサインをして手形債権を譲ることができます。
これを裏書譲渡といいます。
例えば、莉奈ちゃんがさかっち店長からもらった手形を持っているとします。
その手形に莉奈ちゃんが裏書して祥伍くんに渡すと、手形債権を祥伍くんに譲り渡すことができるのです。

それでは問題です!
「商品¥100,000を仕入れ、代金は約束手形¥80,000を裏書譲渡し、残額は掛けとした」
このとき、仕分は以下のようになります。
(借)仕入 100,000  (貸)受取手形 80,000
                  買掛金  20,000

  • 手形の割引
  • 為替手形¥200,000を取引銀行で割り引き、割引料を差し引かれた手取金¥198,000は当座預金とした

手形を満期日より前に銀行などに売却することを手形の割引といいます。
手形は満期日になれば手形金額をもらうことができる証券ですから売ることができるのです。
ただし、満期日よりも前に手形を売るので、売った日から満期日までの利息にあたる分だけ売り値は安くなります。
この場合の利息相当分を割引料といいます。

それでは問題です!
「為替手形¥200,000を取引銀行で割り引き、割引料を差し引かれた手取金¥198,000は当座預金とした」
このとき、仕分は以下のようになります。
(借)当座預金 198,000  (貸)受取手形 200,000
   手形売却損  2,000

簿記の“キモ”
  • 粕谷和生先生
  • 受取手形記入帳と支払手形記入帳

最後に、簿記を教えて38年!粕谷和生先生に簿記のキモを教えてもらいましょう!

手形取引で使う補助簿は、受取手形記入帳支払手形記入帳です。
手形の債権・債務が発生した原因、手形の種類、振出人・受取人・支払人の名前、
満期日、そして、最後にその手形はどうなったのかなどが書かれています。

  • 次回もお楽しみに〜!

それでは次回もお楽しみに〜☆

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