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簿記

Eテレ 夏・冬期特別講座放送
※この番組は、前年度の再放送です。

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簿記

Eテレ 夏・冬期特別講座放送
※この番組は、前年度の再放送です。

今回の学習

第9回 簿記の基礎

簿記マスター演習 〜簿記一巡の手続き〜

  • 簿記監修:城西大学経営学部客員教授 粕谷 和生
学習ポイント学習ポイント

簿記マスター演習〜簿記一巡の手続き〜

簿記マスター演習〜簿記一巡の手続き〜
  • 酒井瞳さん
  • 祥伍くんと莉奈ちゃん

今日も絶好調!オーナー店長のさかっち(酒井瞳さん)。
そして、アルバイト従業員の莉奈ちゃん(松田莉奈さん)と祥伍くん(石井祥伍くん)。

今回は今までに学んだ簿記の手続きについて復習しましょう☆

簿記を登山にたとえる
  • わたび〜
  • 簿記の流れを復習!

簿記について教えてくれるのは、公認会計士でお笑い芸人のわたび〜さんです。
今回はみなさんと一緒に“簿記の山”に登るために登山服で登場です。
まず、簿記の流れを復習しましょう。
(1)取引を仕訳して総勘定元帳の勘定口座に転記
(2)転記が間違っていないかを確認するために試算表を作成
(3)総勘定元帳を締め切って、損益計算書と貸借対照表を作成

今回はこの一連の流れを、山のふもとから頂上までの道にたとえて学習を進めていきます☆

  • 簿記山に登ろう
  • 仕訳の手順を確認しよう

登山口「仕訳」「転記」峠展望台「試算表」頂上「決算」
簿記の山の登山ルートはこのようになっています。

最初に「仕訳」です。
仕訳の手順は覚えていますか?
(1)取引を分解する
(2)記入する勘定科目を決定する
(3)各勘定科目の借方・貸方を決定する
(4)記入する金額を決定する

でしたね!
それでは仕訳をやってみましょう☆

取引→仕訳
  • さかっち商店は現金600,000円を元入れして営業を始めた
  • 現金(600,000円)は借方、資本金(600,000円)は貸方

5月1日 さかっち商店は現金600,000円を元入れして営業を始めた。

このとき、
「現金¥600,000が増えた」ということは、現金が¥600,000増えたということです。
また、「現金¥600,000を元入れした」ということなので、資本金が¥600,000増えたことになります。
現金(600,000円)は借方、資本金(600,000円)は貸方に記入しましょう。

☆重要ポイント☆
「資産の増加」「費用の発生」は借方
「負債・資本の増加」「収益の発生」は貸方

  • 商品売買益が30,000円増えた
  • 現金(140,000円)は借方、商品(110,000円)と商品売買益(30,000円)は貸方

仕訳ができたらそのつど転記するのが簿記の原則ですが、今回は学習内容を確認するのが目的なので転記は後程まとめて行います!
次の仕訳をやってみましょう☆

5月17日 仕入価額110,000円の商品140,000円で売り渡し、代金は現金で受け取った

このとき、
「仕入価額110,000円の商品を売った」ということは、商品(資産)が¥110,000減ったということです。
また、「代金は現金で受け取った」ということなので、現金(資産)が¥140,000増えたことになります。
そして、「110,000円の商品が減って140,000円の現金が増えた」ので、30,000円の収益が発生しています。
つまり商品売買益が30,000円増えたということです。
ですから、
現金(140,000円)は借方、商品(110,000円)と商品売買益(30,000円)は貸方に記入しましょう!

☆重要ポイント☆
仕訳の借方の金額と貸方の金額は必ず同じになる

仕訳→勘定
  • 現金勘定
  • 資本金勘定

仕訳を勘定口座に転記しましょう!

☆重要ポイント☆
仕訳の借方は勘定口座の借方に
仕訳の貸方は勘定口座の貸方に


最初に5月1日の取引を転記します。
「仕訳の借方にある現金(600,000円)」は、現金勘定の借方に、
「仕訳の貸方にある資本金(600,000円)」は、資本金勘定の貸方に、
日付と金額を記入します。
そして相手の勘定科目の記入も忘れないようにしましょう。
この場合、「借方の現金」に対する相手の勘定科目は「貸方の資本金」、
逆に、「貸方の資本金 」に対する相手の勘定科目は「借方の現金」です。

☆重要ポイント☆
借方の相手の勘定科目は貸方に
貸方の相手の勘定科目は借方にある

  • 相手の勘定科目は商品と商品売買益の2つ
  • 相手の勘定科目が2つ以上ある場合「諸口」と書く

次に5月17日の取引を転記します。
「仕訳の借方にある現金(140,000円)」は、現金勘定の借方に日付と金額を記入します。
このとき、相手の勘定科目は商品と商品売買益の2つです。
このような場合、相手の勘定科目の場所には「諸口」と書きましたね!

☆重要ポイント☆
相手の勘定科目が2つ以上ある場合「諸口」と書く

  • 商品勘定の貸方
  • 商品売買益勘定の貸方

5月17日の取引について、転記を続けましょう!
「仕訳の貸方にある商品(110,000円)」は、商品勘定の貸方に、
「仕訳の貸方にある商品売買益(30,000円)」は、商品売買益勘定の貸方に、
日付と金額を記入します。
このとき、相手の勘定科目は両方とも「現金」です。

残高試算表の作成
  • 現金勘定
  • 売掛金勘定

  • 商品勘定
  • 備品勘定

  • 買掛金勘定
  • 借入金勘定

  • 資本金勘定
  • 商品売買益勘定

  • 給料勘定
  • 支払利息勘定

勘定口座への転記が正しく行われているかチェックするためにつくるのが試算表です。
それでは残高試算表を作ってみましょう!
上の画像にある10個の勘定口座から、それぞれの「借方の合計額」と「貸方の合計額」を求めましょう。
その差額が残高となります。

  • 残高試算表(上)
  • 残高試算表(下)

例えば、現金勘定の「借方の合計額」は1,070,000円、「貸方の合計額」は481,000円なので、その差額である残高は589,000円となります。
他の勘定についても同様に計算すると、
売掛金の残高は10,000円、商品の残高は40,000円、備品の残高は250,000円、買掛金の残高は230,000円、借入金の残高は40,000円、資本金の残高は600,000円、商品売買益の残高は70,000円、給料の残高は50,000円、支払利息の残高は1,000円となります。
最後に全体の「借方の合計額」と「貸方の合計額」を計算して、金額が一致していることを確認しましょう。
この場合、940,000円で一致していることが確かめられました。

☆重要ポイント☆
資産・費用の各勘定の残高は借方側にある
負債・資本・収益の各勘定の残高は貸方側にある

勘定→決算
  • 商品売買益勘定
  • 損益勘定

決算のメインイベントである総勘定元帳の締め切りを行います。
手順は覚えていますか?
(1)収益・費用の各勘定の残高を損益勘定に振り替える
(2)当期純利益を資本金勘定に振り替える
(3)収益・費用の各勘定と損益勘定を締め切る
(4)資産・負債・資本の各勘定を締め切る

この順番で行いましょう!

☆重要ポイント☆
(1)振り替えとは、ある勘定の金額を他の勘定に移すこと
(2)費用の各勘定の残高は損益勘定の借方に、収益の各勘定の残高は損益勘定の貸方に


それでは
(1)収益・費用の各勘定の残高を損益勘定に振り替える
から始めます。
収益の勘定は商品売買益、費用の勘定は給料と支払利息の2つです。
今回の演習では決算日は5月31日とします。
振替仕訳は以下のようになります。
5/31 (借)商品売買益 70,000  (貸)損益 70,000
これを転記します。
商品売買益勘定の借方に日付と金額、そして相手の勘定科目「損益」を記入します。
損益勘定の貸方にも日付と金額、そして相手の勘定科目「商品売買益」を記入します。

  • 損益勘定
  • 祥伍くんと莉奈ちゃん

次に費用の振り替えをします。
5/31 (借)損益 51,000  (貸)給料 50,000
                   (貸)支払利息 1,000

これを転記します。
最初に日付を書き入れましょう。
損益勘定では相手の勘定科目が2つある場合でもまとめて「諸口」と書いてはいけません。
金額の内容を明らかにするため、相手の勘定科目と金額を個別に記入しましょう。
この場合「給料 50,000」と「支払利息 1,000」となりますね。

  • 損益勘定
  • 損益勘定と資本金勘定

(2)当期純利益を資本金勘定に振り替える
の手順に入りましょう。

最初に当期純利益を求めます。
費用の勘定の残高は損益勘定の借方に集まっていて、収益の勘定の残高は損益勘定の貸方に集まっています。
ですから、損益勘定の貸方から借方を引けば当期純利益が求められます。
この場合
70,000(収益)−51,000(費用)=19,000(当期純利益)
となります。
これを振り替えると
5/31 (借)損益 19,000  (貸)資本金 19,000
となります。これを転記しましょう。
損益勘定の借方に日付と金額、そして相手の勘定科目「資本金」を記入します。
資本金勘定の貸方にも日付と金額、そして相手の勘定科目「損益」を記入します。

☆重要ポイント☆
損益法を思い出そう!「収益−費用=当期純利益」

  • 給料勘定
  • 損益勘定

次は
(3)収益・費用の各勘定と損益勘定を締め切る
です。

各勘定の借方、貸方の合計額を計算し、貸借同額になっていることを確かめましょう。
借方、貸方がそれぞれ1行の場合には、そのまま締め切り線(赤の二重線)を引いて締め切ります。
金額が2行以上ある場合には、合計線(赤の一重線)を引いて合計額を記入し、合計額に締め切り線を引きます。

☆重要ポイント☆
収益・費用の各勘定と損益勘定はすべて賃借同額になっている

  • 現金勘定
  • 資本金勘定

次は
(4)資産・負債・資本の各勘定を締め切る
です。

借方に残高がある資産の場合、貸方に次期繰越を記入します。
逆に、貸方に残高がある負債と資本の場合、借方に次期繰越を記入します。
そしてそれぞれの勘定の合計額を求めて締め切りましょう。

☆重要ポイント☆
残高がある反対側に次期繰越と記入して賃借差額を記入する

決算の報告
  • 損益勘定
  • 損益計算書

最後に損益計算書と貸借対照表を作成しましょう☆

費用の各勘定の残高は損益勘定の借方に、収益の各勘定の残高は損益勘定の貸方に記入されているので、損益計算書は損益勘定から作成します。

  • 資産・負債の各勘定
  • 貸借対照表

貸借対照表は資産・負債の各勘定の次期繰越をもとにして作成します。
また、資本金は期首の資本金と当期純利益に分けて記入しましょう。

☆簿記の“キモ”☆
  • 粕谷和生先生
  • 次回もお楽しみに〜!

これで簿記の学習の半分が終わりました。
最後に、粕谷和生先生に簿記の後半では何を学習するのか教えてもらいました!
これまでは基本的な取引を例にして簿記の一連の流れを学びました。
次回からはビジネスにおける典型的な取引を例にして、その記帳法を学んでいきます。
これがわかるようになるとビジネスの世界のこともよくわかるようになると思いますよ!
今までの学習が基礎になるので、しっかり復習しておいてくださいね!

それでは次回もお楽しみに〜☆

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