NHK高校講座

美術T

Eテレ 隔週 木曜日 午後2:20〜2:40
※この番組は、昨年度の再放送です。

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今回の学習

第8回

立体 〜立体という面白さ〜

  • 美術教育監修:元 帝京科学大学 教授 上野 行一
    美術監修:東京藝術大学 特任教授 伊東 順二
学習ポイント学習ポイント

立体〜立体というおもしろさ〜

立体〜立体というおもしろさ〜
  • やかんの形は不思議?
  • 顔に見える

「やかんって不思議な形をしていると思わない?」という石こう像の妖精(?)ミケさん。
ミケさんは「やかんを正面から見ると人の顔に見える!」と言います。

  • 違う角度から見ると?
  • リーゼントのねずみ

「別の角度から見ると、別のものに見えるのかな?」というシシド・カフカさん。
カフカさんはやかんの中にリーゼントのねずみを発見しました。

このように、見立てによって立体が違うものに見えることがあります。

発想を広げて見立てる
  • 木馬に見えたり…
  • リャマに見えたり

流木を何かに見立ててみましょう!
見る角度を変えることで、木馬に見えたり、リャマに見えたりする、というカフカさん。

  • 象に見えたり
  • バッタにも見える

次に、シャワーの付いた蛇口を何かに見立ててみましょう!
見る角度を変えることで、象に見えたり、バッタに見えたりするというカフカさん。
普段蛇口を見てバッタをイメージすることはなかなかないと思いますが、言われてみるとそう見えますね。
想像力を膨らませることで、身近なものが、違うものに見えてくることがあるのです。

美術がつむぐ物語
  • 伊東順二先生
  • 「てのりごこちさん」という作品

今回、“家に持ち込めて無になれる彫刻”を持ってきたという東京藝術大学特任教授の伊東順二先生。

上の右図は富山県在住のアーティスト・トムスマさんの「てのりごちさん」という作品です。
宇宙に思いをはせるために作ったというこの作品。
指にのせて見つめていると、彫刻の顔に表情はないのですが、姿勢を正してまっすぐ自分を見ているような気分になるそうです。
カフカさんも、語りかけたくなるような不思議な気持ちになったといいます。

実は、この作品は富山県の伝統工芸と結びついて誕生しました。

  • 「HOUSE」という作品
  • 中には気泡が入っています

他にも、昔ながらの技術と新しい技術を駆使して作品づくりをするアーティストがいます。
上の左図は扇田克也さんの「HOUSE」という作品です。
ガラス作品で、中には気泡が入っています。
それが見方によっては水滴のようにも見えます。
2つの家をどのように並べるのかも、この作品の楽しみ方の1つです。

彫刻や立体という重々しいイメージに反して、“手にとって自分と同化できる作品”が最近増えつつある、と伊東先生は言います。
芸術はどんな賞をとったか、ということより、自分に何を与えてくれたのかが大切ではないか、と先生は考えています。
ひとつの作品でも感じ方は人それぞれなのが面白いですね!

立体表現の魅力
  • 金巻芳俊さんの「継承エポック」
  • ノミで削った跡や質感をそのまま残して表現することができる

木でできた立体を見てみましょう。
金巻芳俊さんの「継承エポック」という作品です。
木はノミで削った跡や質感をそのまま残して表現することができるのが特徴です。
また、立体には360度どの方向からでも見ることができる、という面白さもありますね!

  • 地村洋平さんの「始まりの実験」
  • 宮崎瑞土さんの「hull」

次にガラスでできた立体を見てみましょう。
地村洋平さんの「始まりの実験」という作品です。
ガラスは溶かして成形できるほか、削ったり磨いたりすることもできます。
そのため、自由自在なデザインに対応できるのが特徴です。

さらに鉄でできた立体を見てみましょう。
宮崎瑞土さんの「hull」という作品です。
これは鉄の板材を叩いて作られています。
りんごの内からくるハリを表現しつつ、そこから突き出しているヘタの力強さを表現しています。

触ることができ、何百年経っても形が残ることも立体の魅力です。

ゼロから作り出す立体
  • 北郷江さん
  • 北郷さんの作品

今回はカフカさんに立体作品を制作してもらいます。
教えてくれるのは陶芸家の北郷江さんです。
北郷さんは動物が古い絵本の中から出てきたかのような作品を作っています。

  • 北郷さんの作品
  • 亀の耳元でささやくねずみ

作業場に置かれていた北郷さんの作品。
これを作る際に北郷さんは、友人同士である寿命が短いねずみと長生きの亀をイメージしたそうです。
ねずみは常に生き急いでいて、亀の耳元で「今日できることは今日やろう!」と囁いている場面の作品です。

  • いろいろな角度から見たイメージを描いておきましょう
  • いろいろな角度から見たイメージを描いておきましょう

立体作品を作るにあたっては、特徴を大事にしつつ、どう作るのが面白いのかを考えましょう。
それを絵に描きとめて立体へのイメージを膨らませていきます。

カフカさんは“飼いたくて仕方がない!”という猫を作ることにしました。
部屋の片隅にたたずんでいて“かまってくれないな”とか“眠いな”などと考えている自由気ままな猫という設定です。
このように作るものの性格などを決めることで、作品を見た人が“何を考えているのだろう?”と考えるきっかけになることもあります。
立体の作品は360度回して作っていくので、いろいろな角度から見たイメージを描いておきましょう。
それが作品を作るうえでの道しるべとなります。

  • 土台を作る
  • 指跡もひとつの表現です

イメージが描けたら粘土で土台を作ります。
しっかりとした土台を作ることが、その後の作品づくりにとても大切です。
猫の性格や生活まで表すことができるように作っていきましょう。
粘土の立体作品では作者の指跡もひとつの表現です。
猫のやわらかさなどを意識して作ると良いですね。

  • 客観視してみる
  • 足が短い

一通りの形ができ上がったところで、少し高い位置に置いて見てみましょう。
客観視することで、近くで見ているときには気付かなかったことに目がいくようになります。
カフカさんは「顔が大きい…」「足はもっと長くてもいいかな」と気付きました。
しかし、顔が大きいのもいいな、というカフカさん。
そういった特徴を、わざと表現するのも立体作品の面白さです。

  • 完成!
  • ミケさんは尻尾の曲がり具合がお気に入り

完成したカフカさんの作品がこちらです。
タイトルは「うたた寝」
座っている猫がカクッとなる瞬間をイメージした作品です。
日常のなかで見ている立体でも、作品を作ろうと考えたときに思い浮かぶのは平面的な画像なので、360度を想像しながら作るのは難しかったというカフカさん。
しかし、とてもリアルな猫が完成しました。
カフカさんのオススメは後姿。猫背とたるんだ皮膚がポイントです。
ちなみに、ミケさんは尻尾の曲がり具合がお気に入りだそうです。

それでは次回もお楽しみに!

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