NHK高校講座

ベーシックサイエンス

Eテレ 毎週 木曜日 午前10:50〜11:00
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第35回

虹を作ろう! 〜光の性質・屈折〜

  • 科学監修:東京理科大学教授 川村 康文
学習ポイント学習ポイント

虹を作ろう!〜光の性質・屈折〜

  • 空にかかる虹
  • 水と光で虹はできている

雨上がりの大空を彩る虹は、どうやってできるのでしょうか。
スタジオにシャワーで水をまいて、実験してみました。
水に向かって大きなライトで光をあてると、虹ができました。
虹は、光と水が関係しています。

今回は、虹ができるしくみを通して、光の性質を学びます。

光の性質と虹
  • 直進した光に水が反射して虹が見えた?

田畑 「虹には水と光が関係していることがわかったと思います。」

藤本 「ここで問題です。光のどんな性質が関係していると思いますか?」

彩加 「光は、直進するものだったと思うので、直進した光に水が反射して虹が見えたのかな?」

四角い水槽に光をあてる
  • 太陽に似た光を四角い水槽にあてる
  • 四角い水槽を通った光は直進する

実験で、虹のようなものを作ってみます。

用意されたのは、太陽光に似た光を出すライトです。
この光を、水の入った四角い小さな水槽にあててみます。
光の様子を観察するため、実験装置にふたをかぶせ、暗くします。
ライトをつけると、光は水槽を通り抜け、直進していることがわかります。

  • 水槽の向きをかえてみる
  • 光の当たるところに虹ができている

次に、水槽をゆっくり動かしてみます。
すると、光が当たっているところに虹ができました。

  • 屈折
  • 光の屈折角度

このときの、光の通り道を上から見てみます。
ライトから出た光は、水槽に入るときと出るときで、それぞれ折れ曲がっています。
これを、屈折といいます。

光が水槽にあたった角度は約70°、水槽の中に入るときは約45°折れ曲がっています。
水槽の中を進んだ光は、もう一方の壁に約45°の角度であたっています。
そして、水槽から出るときの角度は約70°です。

屈折と虹の関係
  • なぜ光が屈折すると虹ができる?
  • 7つの色の光はそれぞれ屈折する角度が異なる

なぜ、光が屈折すると虹のようなものができるのでしょうか。

先ほどの実験装置で、7つの色はどのような角度で出ていたか、もう一度確認します。
7色の光の筋をよく見ると、それぞれの色で屈折する角度が違っています。
一番外側の赤は70°、内側の紫は72°です。
2°の開きの中に、7つの色がそれぞれ異なった角度で屈折しています。

  • 太陽の光
  • 色によって屈折する角度が異なるため7色に分かれる

太陽の光は白く見えますが、実は7色の光が混ざっています。
それぞれの色によって屈折する角度が異なるため、白く見えていた光が7つの色に分かれるのです。

丸いビーカーに光をあてる
  • 丸いビーカーに光をあてる
  • 丸いビーカーにあてた光の筋は7色にわかれている

藤本 「先ほどは四角い水槽で光が屈折する様子を見ましたが、空に四角い水槽があるわけではありません。虹を作る水の粒はどんな形をしていますか?」

彩加 「丸かな?」


今度は、丸いビーカーに光をあてて、その様子を観察してみます。
水が入ったビーカーに光をあてると、光源に向かって左右同じ角度に光の筋ができました。
この光の筋は、7色に分かれていることがわかります。

  • ついたてを置く
  • 光の屈折・反射・屈折

次に、ついたてを置いて光の筋を細くします。

光は、ビーカーに入るとき屈折します。
そして、ビーカーの中で反射し、ビーカーを出るとき再び屈折します。

  • 水の粒の中でも光の屈折・反射・屈折が起きている
  • 水の中でも屈折・反射・屈折が繰り返されるから虹ができる

同じように、水の粒の中でも、光は屈折、反射、屈折をして色が分かれています。


二千翔 「水の中でも、屈折と反射と屈折が繰り返されているから虹ができるんですね。」

藤本 「反射も起こっているというのが、不思議ですね。」

屈折角を変える
  • 水を入れたビーカーから出る光

ビーカーから出る虹のようなものの角度は、変化させることができます。

実験で確かめてみます。
水を入れたビーカーから、7色の光の筋が出ています。
光の筋の位置に線を置いて、印をつけておきます。

  • 謎の液体
  • 謎の液体の入ったビーカーでは屈折する角度が変わる

ここで、謎の液体が入ったビーカーを用意しました。
水の入ったビーカーと、謎の液体の入ったビーカーを取りかえてみると、光の筋の角度が変わりました。

この謎の液体の正体は、いったい何でしょうか。

  • 塩の粒に反射して角度が変わる?
  • 普通の水の虹より、下にできる?

里奈 「塩水かな?塩の粒に反射して角度がずれてしまうのかな。」

藤本 「正解は……。少しなめてみて確かめてください。」

キュピトロン 「しょっぱい!塩?」


謎の液体の正体は、塩水でした。
光は、屈折するときに通る物質によって、屈折する角度が異なります。

このしくみを利用することで、塩水でも空に虹を作ることができます。
では、塩水で作った虹は、普通の水で作った虹と比べて空のどの位置にできるでしょうか。


二千翔 「普通の水で作った虹よりも、少し下にできるかな?」

塩水で虹を作る
  • 塩水で虹を作る
  • 実験方法 普通の水と塩水で虹を作る

実験で確かめてみます。
実験を行うのは、台湾の台南市 七股塩山です。
ここは昔、塩を作る『塩田』があったところです。

まず、左右40m離れたところから、向かい合わせに普通の水をまいて大きな虹を作ります。
そして、その手前に塩水をまきます。

  • 普通の水と塩水で虹を作る
  • 塩水で作った虹のほうが下にある

工業用の塩を2.5トン、水2万5千リットルをプールに入れ、かき混ぜて溶かします。
まずは、普通の水をまき、大きな虹を作ります。
続いて、塩水をまき、もう1本虹を作ります。
普通の水で作った虹よりも、塩水で作った虹の方が下にあるように見えます。

  • 3種類の水で虹を作る
  • 空にできた4本の虹

もっと濃い塩水を使用すれば、3重の虹や4重の虹が作れるかもしれません。
今度は普通の水のほかに、先ほどの塩水の2倍、3倍の濃度の塩水を加えてまいてみます。
すると、4本の虹を作ることができました。
濃い塩水で作った虹の方が下に見えています。
塩の濃さで屈折する角度が変わったためです。

このように、普通の水で作った虹よりも、塩水で作った虹の方が下にできるということがわかりました。

虹の見え方
  • ガリレオ先生

ここで、ガリレオ先生こと川村 康文 先生(東京理科大学 教授)に解説していただきます。


川村先生 「7色に見えている虹ですが、実際には1つの水の粒から7色が見えているわけではないんです。」

  • 水の粒
  • 赤い色の光は虹の外側、紫色の光は虹の内側

水をまいて作った虹の、水の粒を写真に撮ってよく見てみます。
すると、それぞれの水の粒から7つの色が見えているわけではないことがわかります。
色によって、光の屈折する角度が異なるため、見ている人の目にはそれぞれの水の粒から違う色の光が届くのです。


川村先生 「つまり、わたしたちが虹を見るとき、赤い色は外側の水の粒から届き、紫色の光は内側の粒からやってきていて、そのような光を私たちは見ているということなんです。」


それでは、次回もお楽しみに〜!

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