NHK高校講座

ベーシックサイエンス

Eテレ 毎週 木曜日 午前10:50〜11:00
※この番組は、前年度の再放送です。

ベーシックサイエンス

Eテレ 毎週 木曜日 午前10:50〜11:00
※この番組は、前年度の再放送です。

今回の学習

第24回

「重さ」って 何? 〜重さと質量の関係〜

  • 科学監修:東京理科大学教授 川村 康文
学習ポイント学習ポイント

「重さ」って、なに? 〜「重さ」と「質量」の関係〜

  • ペットボトルを持つキュピトロン

キュピトロンの3人が、ペットボトルを両手に持ってトレーニングをしています。
このペットボトルの「重さ」は約1kgです。

日常生活で「重さ」という言葉を使うときには、「質量」を指す場合と「物体にはたらく重力」を指す場合を混同しがちです。

その違いとは何でしょうか。

油に水を入れると?
  • 油の中に水を入れたら?
  • 水をはじく

はじめに、実験をしてみます。

油と、赤く色をつけた水があります。
この油の中に水を入れてみると、どうなるでしょうか。

彩加ちゃんは、「油が水をはじく」と予想しました。

  • 水が底へ沈む
  • 水と油は混ざらない

スポイトを使って、油の中に水を入れてみると、油に入れた水は底に沈んでしまいました。
同じ体積であった場合、水は油より「重い」ため、下に沈んでしまうのです。

次に、これをかき混ぜてみますが、水は油の下に沈みました。
水は油より「重い」ので、下に沈んでしまいます。
では、この水が沈まないようにするにはどのようにしたらよいでしょうか。


里奈 「油の量より水の量を多くする。」

藤本 「逆に、圧倒的に水の量があればまざってしまうかもしれない、ということですね。」

彩加 「水の重さを軽くする。」

藤本 「中々、良いところをついてきますね。」

水が沈まないようにするには?
  • 油に青い水を入れる
  • 油の下に水が沈む
  • 飛行機

水が油の下に沈まないようにする実験をしてみます。
油と、青く色をつけた水が入ったペットボトルを用意しました。
油の下に重い水が沈み、きれいに色が分かれています。
このペットボトルを飛行機に載せて、色の変化を観察してみました。

  • 10分後
  • ベルトで固定する

およそ10分後、横にしたペットボトルの中は、油の下に重い水が沈んで色が分かれています。
さらに5分後、飛行機が動きを変えて、この状態でペットボトルを振ります。
観察しやすいようにベルトで固定しました。
下にたまっていた重い水が、ペットボトル全体に広がっています。
しばらくこの状態が続きました。

  • 重いボールが宙に浮く
  • 無重量状態

このとき、重いボールが宙に浮きました。
実は、重力を感じない「無重量状態」になっていたのです。
飛行機が勢いよく上昇して、エンジンでの加速をやめると、飛行機の中の物体に重力がはたらかない「無重量」の状態になります。

  • 無重量状態のとき水は油の下に沈まない

この実験で、「重さ」のない、無重量の状態になったとき、水は油の下に沈まないことがわかりました。
「重さ」とは、「物体に働く重力」のことを指し、無重量のときには「重さ」はなくなります。

「質量」とは?
  • 赤いボールと黄色いボール
  • 「重さ」がなくなる

続いて「質量」とは何なのかを、考えてみます。
赤色と黄色、2つのボールを用意しました。
この2つのボールの重さを、里奈ちゃんが手に持って比べてみます。


里奈 「赤いボールの方が重いです。」

田畑 「そうですよね。赤いボールは500g、黄色いボールは300gですから、赤いボールの方が重く感じるわけですね。」

この2つのボールを持って比べる以外に、区別する方法はあるのでしょうか?
ガリレオ先生教えてください。

  • 2つの台車に乗ったボール
  • 300gのほうが早く到達

ここで、ガリレオ先生こと、川村康文先生(東京理科大学教授)に詳しく解説していただきます。

模型の台車に300gと500g、2つのボールを乗せました。
これらを引っ張ると、どちらが遅く動くでしょうか。

二千翔ちゃんの予想は、「500gの重いボールの方が遅く動く」でした。
実際にやってみると、予想通り、500g重いボールの方が遅く動きました。

この実験結果には、「重さ」ではなく「質量」が関係しています。

  • 質量が重い方が動かしにくい

動かすのが大変なのはどちらなのか、台車からばねを外して、動かしてみました。


彩加 「300gのボールの方が、スムーズで動かしやすい。500gのボールの方は、重くて動かしにくいです。」

川村先生 「500gの赤いボールの方が動かしにくいのは、質量が大きいからです。」

藤本 「では、500gと300gの違いがあるこの2つのボールを、重力を感じない無重量状態にしたら、『重さ』はどうなると思いますか。」

彩加 「同じになる・・・」

田畑 「では、その様子がわかる実験を見てみましょう。」

  • 3つのボール
  • 2つのボールをぶつける

500gの赤いボールと300gの黄色いボール、さらに軽い100gの青いボールを追加しました。
これら3つのボールを使って、重力を感じない無重量状態で実験しました。
重さの違う2つのボールを空中でぶつけてみます。

それぞれのボールは宙に浮き、重さがなくなったように見えます。

  • 巻尺を70cmの長さまで引っ張る
  • 巻尺の留め金を同時に引き抜く

この状態で、70cmの長さを巻尺で引っ張って、ボールの「動かしにくさ」をみてみました。
留め金を同時に引き抜くと、ボールは青、黄、赤の順に到着しました。
一番遅かったのは、500gのボールです。

重力を感じない無重量状態でも、重力がある地上と同じように
「動かしにくさ」は変わらないことがわかりました。
この動かしにくさの違いは、「質量」によるものです。

  • 月面で体重計に乗ると
  • ダンベル運動

彩加 「無重量状態になっても質量は変わらないということですよね。」

田畑 「重力を感じない無重量の状態でも、今のように重力がある状態でも同じ結果なんですね。」

川村先生 「例えば、重力が地球の6分の1の月面上で体重計に乗ってみると、その人の体重は6分の1になっているように感じます。しかし、その人の体を作っている『物質の量』が変わっているのではなく、はたらく『重力の大きさ』が変わっているだけです。『質量』というのは、場所が変わっても変化しない、物質そのものの量のことなのです。

グラム(g)やキログラム(kg)とは、「質量」の単位のことです。
「重力」や「重さ」の単位は、ニュートン(N)を用います。


川村先生 「普段混同してしまいがちですが、本来 “重さ” とは『物体にはたらく重力』の大きさのことをいいます。」

最後に、「質量」と「重力」の違いを意識しながら、質量1kgのペットボトルでトレーニング再開です。
1Nは102gなので、質量1kgは約9.8Nです。


次回もお楽しみに〜!

科目トップへ

制作・著作/NHK (Japan Broadcasting Corp.) このページに掲載の文章・写真および
動画の無断転載を禁じます。このページは受信料で制作しています。
NHKにおける個人情報保護について | NHK著作権保護 | NHKインターネットサービス利用規約