NHK高校講座

ベーシックサイエンス

Eテレ 毎週 木曜日 午前10:50〜11:00
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第19回

近づく音は高い音? 〜音の性質〜

  • 科学監修:東京理科大学教授 川村 康文
学習ポイント学習ポイント

近づく音は高い音? 〜音の性質〜

  • 救急車

救急車が、サイレンを鳴らしながら近づいてくるときに音は高く、遠ざかっていくときには音は低く聞こえます。

近づいてくるときと、遠ざかるときとでは、なぜ音の高さが違って聞こえるのでしょうか。
今回はこの「音の不思議」について学びます。

どうして音が出るの?
  • ギターの振動
  • 声帯の振動の確認

音の鳴っているギターの弦に軽く触れてみると、振動を感じることができます。
振動を手で止めてみると、音も止まります。
このことから、振動することによって、音が出ていることが分かります。

ギターだけではなく、太鼓などの打楽器やトランペットなどの管楽器も、振動することで音が出ます。
音が出ている物体は振動しており、これは人の声の場合でも同様です。


彩加 「声も?」

藤本 「そうです。のどにある声帯という器官が空気で震えて振動することで、音を出しているのです。『あー』と言いながら、のどを触ってみてください。」

キュピトロン 「あー。揺れてる!」

藤本 「私たちが音を聞くことができるのは、音を出すモノが振動して、その振動が空気に伝わって耳の中の鼓膜を振動させて、音として認識しているからです。

高い音と低い音の違いとは?
  • オシロスコープ

音の振動を波の形で見ることができる機械を使って、高い音と低い音の特徴を見ていきます。
縦軸が音の強さ、横軸が時間を表します。

  • 声を出す里奈
  • 人の声の波形

里奈ちゃんが声を出して、波の形がどうなるか試してみました。

波の形を見て分かるように、人の声というのは複雑な形をしています。
そのため、観察しやすいように単純な音で実験していきます。

  • 高い音の波形と低い音の波形

高い音を出したとき、低い音を出したとき、それぞれの波の形を観察してみます。
波の山と山との間隔が狭いと高い音、間隔が広いと低い音として聞こえるということが分かります。


藤本 「さて、ここで質問です。救急車のサイレンは、近づくときは高い音、遠ざかるときは低い音に聞こえますが、それはなぜだと思いますか。」

里奈 「高い音の方があせりを感じるから?」

藤本 「救急車の方で、意図的に高さを変えている、ということ?」

田畑 「そのしくみが分かる実験があるので、確認してみましょう。」

近づくときに音が高いのはなぜ?
  • 水面を空気で振動させる
  • 空気を吹き付ける位置を移動すると

水面の一点に空気を吹きつけ、水面を振動させると、一点から波が広がっていくことが分かります。
空気を吹きつける位置を動かしてみると、進行方向の前では波と波の間隔が小さく、後ろでは間隔が大きくなっています。

  • ドップラー効果の原理
  • スピードによって違う

つまり、救急車が近づくときは波長が短くなり、遠ざかるときは波長が長くなっています。
近づいてくるときに音は高く聞こえ、遠ざかるときには低く聞こえるのはこのためです。

これを、「ドップラー効果」といいます。


二千翔 「音は一定でも、動くから音が高かったり、低かったり聞こえるんですね。」

藤本 「では、物が移動するとき、音の高さの変化は何によって違ってくるでしょうか。」

彩加 「やっぱりスピードじゃないですか?」

藤本 「その通りです。そこで、速さによる違いを実験してみました。」

速さによる音の違いは?
  • ラジコン飛行機
  • 音源
  • スピーカー

音が速い速度で移動すると、どうなるのでしょうか。
実験の舞台は小さな飛行場です。

飛ぶときの音が小さい模型の飛行機に、音源とスピーカーを取り付けました。

  • マイクを設置
  • 音カメラ
  • 音カメラの映像

滑走路にマイクを設置し、飛行機が向かってくる方と、飛び去る方に向けます。
カメラの上につけた「音カメラ」という、どの高さの音がどこから聞こえるかが分かる計測器で、データをとっていきます。
音源は、録音した歌手の声です。

  • 飛行機が向かってくるとき
  • 飛行機が過ぎ去っていくとき

まずは、模型の飛行機を時速60kmで飛ばしてみます。
飛行機が向かってくるときはオレンジ色(左写真−右側)ですが、通り過ぎると緑色に変わりました(右写真−右側)。

次は約2倍のスピードの、時速122kmで挑戦します。
向かってくるときは赤とオレンジ色で(左写真−左側)、先ほどよりもさらに音が高くなっています。
通り過ぎると、すぐに緑色となり、急に音が低くなりました(右写真−左側)。
時速約122kmの方が色の変化は大きくなりました。

この実験から、音が移動するとき、速く通り過ぎたほうが音の高さの変化が大きいことが分かりました。


藤本 「音の高さが変わっていましたね。」

彩加 「車のレースなども、通過するときに音が変わって聞こえるから、それも同じということですか?」

藤本 「そうです。エンジンからは同じ音の高さが出続けていても、近づいてくるときと、離れていくときで音の高さが変わっています。あれも “ドップラー効果” です。その場所を通過する速度が速ければ速いほど、変化の大きさが大きいということが分かりましたね。」

ドップラー効果を体感しよう!
  • 音源の入った発砲スチロールの球とブザー
  • 球を振り回す二千翔

ここで、ガリレオ先生こと、川村康文先生(東京理科大学教授)に詳しく解説していただきます。

川村先生 「今日は、音が出ているものが移動するときの音の変化、“ドップラー効果” について学びました。これを、自分たちでも実験して確かめてみたいと思います。」


当たっても危なくないように、発泡スチロールで音源となるブザーを包んだ球を用意しました。
この球には、紐がつけてあります。

二千翔ちゃんが紐を持ってブザーが入った球を水平方向に回転させると、球が近づいたときと遠ざかったときで、音の高さが違っていました。


それでは、次回もお楽しみに〜!

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