NHK高校講座

ベーシックサイエンス

Eテレ 毎週 木曜日 午前10:50〜11:00
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第5回

空気は力持ち 〜大気圧〜

  • 科学監修:東京理科大学教授 川村 康文
学習ポイント学習ポイント

空気は力持ち 〜大気圧〜

  • ドラムを動かそうとするキュピトロン

藤本チーフから、自分たちの力でドラム缶を凹ませるよう指令を受け、必死にドラム缶を押し合うキュピトロンの3人。
しかし、ドラム缶はビクともしません。

田畑 「か弱い女子にこんなことさせてどういうつもりですか?」

藤本 「実は、大気圧。分かりやすく言うと “空気の力” について考えて欲しくてお願いしていたんですよ。」

空気の力
  • ドラムを加熱する
  • ドラムの栓を閉めて冷やす
  • ドラムが凹む

キュピトロンの3人ではビクともしなかったドラム缶ですが、空気の力を利用すると簡単に凹ませることができます。
ドラム缶に少し水を入れガスバーナーで加熱すると、水が沸騰してドラム缶の中は水蒸気でいっぱいになります。
そこで火を止め、ドラム缶の栓を閉めます。
この状態でドラム缶に水をかけて冷やすと、大きな音とともにドラム缶がつぶれました。


キュピトロン 「なんであんなに固いのに、ドラム缶はつぶれたんですか?」

藤本 「それは空気の力、“大気圧” によって、つぶれたんですね。」

空気の力でつぶれるドラム缶
  • ドラム缶を加熱すると中の空気が出て来る
  • 水をかけて冷やす

先ほどの実験について、ドラム缶の中の様子を見ていきます。

ドラム缶に水を入れて加熱すると、水は沸騰し水蒸気になります。
中の空気も、水蒸気と一緒に少しずつ口から出て行きます。


ここで蓋を閉め、水をかけて冷やします。

  • 真空に近い状態のところに外から空気の力が加わる
  • 押しつぶされるドラム缶

すると水蒸気は気体から液体の水に戻ってゆき、ドラム缶の中は真空に近い状態になります。

ドラム缶の中では支えるものが何もなくなり、外からの空気によって押しつぶされてしまいます。

  • 空気の柱
  • 100kgの空気の柱

空気には重さがあります。
空気の柱が手のひらに乗っていると仮定したとき、この空気の柱の長さは100km近くあります。
そして手のひらの面積を100cm2とすると、空気の柱の重さは約100kgにもなります。
つまり、手のひらだけでも100kgの力で押されていることになります。


藤本 「これが、ドラム缶を押しつぶした力の正体です。」

里奈 「手2つなら200kg?」

藤本 「200kgになります。」


空気の柱の長さは、地球の周りの大気の厚さを表しているため、100kmで変わりません。
しかし面積を大きくしたとき、その分、より重さがかかります。

空気の力
  • 川村 康文先生

ここでガリレオ先生こと、川村康文先生(東京理科大学教授)に詳しく説明していただきます。


川村先生 「空気の力は上からだけでなく、下からも左右どこからもかかっています。だから重さを感じないのです。さらに、外からの力に対抗できるように、内側から外に向かって支えているので、私たちはつぶれることがないんです。

  • コップに水を注ぐ
  • 紙でしっかり押さえる

ここで、“空気の力を目に見える形にする” 実験を行いました。

ガラスのコップの中に、水をいっぱいに注ぎ、その上から紙でしっかり押し付けます。
コップをひっくり返し、紙を押さえた手をそっと離してみます。

  • 水の下からの空気の力が勝る

すると、紙はコップから離れることなく、水もこぼれません。
コップの水は紙を下に押そうとしますが、下から押し上げる空気の力がそれに勝っているため、水はこぼれませんでした。

ここで藤本チーフから問題です。
先ほどのコップより一回り大きな、直径16cmのコップで、力士をつるすことはできるのでしょうか。
手がかりになるのは、先ほど手のひらに乗せた “空気の柱” です。

里奈 「両手で200kgってことは、いける!」

力士 VS. 大気圧
  • ゴムで蓋をしたコップ
  • 実験装置

それでは実験で、"力士 対 大気圧” の勝負を見てみます。

水槽の中にコップを入れ、今度はゴムで蓋をします。
測りの下にコップを吊るし、ゴムの蓋と、台に乗った力士をロープでつなぎます。
また、安全のために力士の頭の上には笠を付けて、準備完了です。

最初の状態から台を徐々に下げてゆき、コップにかかる力が100kgを超えても、コップはまだ大丈夫そうです。

  • 力士の足が離れる
  • 次回もお楽しみに〜

台が下がり続け、ついに足が離れました。実験大成功です。
重さは力士と装置を合わせて130sですが、コップの蓋は見事に持ちこたえています。
わずか直径16pのコップにかかる空気の力で、力士の重さを支えることができました。

3人とも見事に正解です。今日もリケジョに一歩、近づきました。

それでは次回もお楽しみに〜!

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