NHK高校講座

ベーシックサイエンス

Eテレ 毎週 木曜日 午前10:50〜11:00
※この番組は、前年度の再放送です。

ベーシックサイエンス

Eテレ 毎週 木曜日 午前10:50〜11:00
※この番組は、前年度の再放送です。

今回の学習

第3回

科学の力でショーアップ

  • 科学監修:東京理科大学教授 川村 康文
学習ポイント学習ポイント

科学の力でショーアップ!

  • 米村でんじろう先生
  • 物質の変化

ステージで練習するキュピトロンの3人。
そこへ、「いいんだけど…、リケジョタレントのステージとしては何か物足りない」と言って田畑藤本の二人がやってきます。

そこで今回は、サイエンスプロデューサーの米村でんじろう先生にお越しいただき、科学の力でキュピトロンのステージをショーアップしていきます。

キーワードは、固体・液体・気体です。

でんじろう先生が考えているのは、「物質の状態の変化」の利用です。
物質には、固体・液体・気体と変化する性質があり、変化するときにはその物質特有の性質が現れます。
その変化の特徴を使って、舞台をショーアップしていきます。

  • 特殊効果の白い煙
  • 煙の正体はドライアイス

まず、曲の決めポーズの演出から考えていきます。
曲の終わりと同時に、白い煙が3人に吹きかけられました。
ステージ演出では、特殊効果で白い煙がよく使われます。
この正体は、固体の二酸化炭素であるドライアイスです。

ドライアイスは非常に低温で、放置していると どんどん小さくなり、なくなっていってしまいます。
通常、固体から気体になるため、「ドライアイス」といいます。
ボンベから噴出した白い煙は、ドライアイスが非常に細かい粒になったものでした。

キュピトロンの3人に白い煙を吹きかけた際に使ったボンベの中には、液体の状態で二酸化炭素が入っています。


でんじろう先生 「ドライアイスは固体の二酸化炭素ですが、ボンベの中には液体の二酸化炭素が入っています。このドライアイスを液体にするには、どうしたらいいか、分かりますか? 」

里奈 「お水をかける。」

二千翔 「お湯をかけるのではなく、温める。」

  • ドライアイスを液体にする実験装置
  • チューブの両端を閉じる

実際に二酸化炭素を液体にしてみます。

実験装置には、厚手で丈夫な透明のチューブが設置されています。また、その中にはドライアイスを砕いたものが入っています(左写真)。

チューブの両端を閉じて、中の気体がもれないようにします。
このあと、どのような変化が起きるのでしょうか。


でんじろう先生 「今、チューブの中ではドライアイスがどんどん気体の二酸化炭素になっていっています。すると気体の二酸化炭素がどんどんたまって、内部の圧力が高くなって、チューブの両端が風船のように膨らみ始めています。」

チューブ内部の圧力が高くなると、中のドライアイス、つまり固体の二酸化炭素がある変化をするといいます。

  • 圧力が高まり、二酸化炭素が液体に
  • 栓を開けると煙が噴出

2分経過後チューブ内を観察すると、ドライアイスは液体に変化し始めており、シャーベット状態になっています。
このように、二酸化炭素が液体になる様子を観察することができました。

彩加 「二酸化炭素の液体、初めて見ました。」

でんじろう先生 「物質が固体・液体・気体と変化するのは、温度が一番重要ではありますが、もう一つ重要なポイントが圧力なんです。


ドライアイスは、通常の気圧では固体から直接気体となり、温度はおよそマイナス79℃です。
これに圧力を加えて5気圧以上にし、温度も上昇させると、水と同じように固体から液体へ変化します。

では、この状態で栓を開けると、いったいどうなるのでしょうか。

実際に栓を開けると、中から白い煙が噴出しました。
ステージを盛り上げる白い煙は、この性質を使っていました。

  • 今度はボンベに長いホースをつける
  • 栓を明けると雪のようになる

田畑 「では先生、お次は何でしょうか?」

でんじろう先生 「雪を降らせるのは、どうでしょうか?」

田畑 「先生、雪を降らせるにはどうしたらいいのでしょうか?」

でんじろう先生 「実はそれはですね、二酸化炭素を使います。さっきよりも大きなボンベを使いますが、中には液体の二酸化炭素がたっぷりと入っています。そして、ボンベの口には長いホースがつけてあります。」


先生が栓を開けると、ホースから雪のような白い粒が噴出します。
先ほどはボンベから白い煙が出て、すぐに消えてしまいましたが、このように長いホースをつけるだけで雪のようになりました。

  • ホース内でライアイスの粒が成長
  • 雪のようになる

ボンベから噴き出した気体には、細かい粉末状のドライアイスが混じっています。
この粒は、ホースがないとすぐに融けてしまいます。

しかし、ホースがあるとドライアイスの粒がぶつかり合い、大きく成長します。
そのため徐々に大きくなって、雪のような状態で出てきたのでした。

  • 液体窒素

次に先生が用意したのは、液体窒素です。
その温度はマイナス196℃以下と、超低温です。

  • バラを液体窒素に入れる
  • バラが凍って
  • 砕ける

バラを液体窒素に入れると、ブクブクと泡が出て、短時間でバラが凍ってしまいました。
手袋をして握ってみると、パリパリと音を立てて砕けてしまいました。

  • 液体窒素をお湯に入れると
  • 白い煙が立つ

今度は、この液体窒素をお湯に入れる実験を行いました。
先生がお湯の入った容器に液体窒素を入れると、容器から煙が立ちました。

でんじろう先生 「液体窒素は普通の状態でも沸騰しているような状態ですから、熱いお湯の中に入れたら、一気に気体になって、ボカーンとなります。」

  • お湯に液体窒素を入れると
  • 窒素は沸騰しても冷たい

液体窒素は、マイナス196℃以下の超低温です。
これをお湯に入れると、一瞬にして沸騰して体積は約650倍になり、勢いよく上に吹き出します。

沸騰したとはいえ、噴出した窒素の温度は低いので、空気中の水蒸気を冷やします。
白く見える煙は、水蒸気が冷却されてできた、小さな水滴や氷の粒です。

  • 次回もお楽しみに〜!

田畑  「さあ、みなさん、今回はどうでしたか?」

里奈 「このことを知っていれば、私たちのステージでも活用できるし、友達にも自慢できそうです。」

でんじろう先生 「科学って、ものを難しくするんじゃなくて、逆にわかりやすくするということなんですよね。それがわかると演出にいっぱい使えます。液体窒素を演出で使っているのは、まずほとんどないですよ。」

最後は田畑藤本の二人も手伝って、雪と煙の演出でばっちり決まりました!

それでは、次回もお楽しみに〜!

科目トップへ

制作・著作/NHK (Japan Broadcasting Corp.) このページに掲載の文章・写真および
動画の無断転載を禁じます。このページは受信料で制作しています。
NHKにおける個人情報保護について | NHK著作権保護 | NHKインターネットサービス利用規約