NHK高校講座

ベーシック国語

Eテレ 毎週 火曜日 午後2:00〜2:10
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第37回

文学史 〜三島由紀夫〜

  • 出演:杏林大学教授 金田一 秀穂
学習ポイント学習ポイント

文学史 〜三島由紀夫〜

文学史 〜三島由紀夫〜
  • 滝沢カレンさん
  • 三島由紀夫

今回は文学史の授業の8回目!三島由紀夫についてです。
三島由紀夫について学ぶため、山梨県にある山中湖にやってきた滝沢カレンさん。

戦後の日本文学界を代表する作家・三島由紀夫。
巧みに操られた美しい日本語で読者を魅了し、ノーベル文学賞候補にも挙がるなど、国内外で認められた作家です。

(顔写真を見て)第一印象はどうですか?
カレン「とっても格好いいし、すごくモテるイメージです。」
どういう文章を書く作家だと思いますか?
カレン「荒々しくも、この海のような…。」
湖です!
カレン「海じゃないんだ…紛らわしい!じゃあ、湖のように荒々しくも格好良く達筆に書くイメージです。」

  • カレンさん
  • 三島由紀夫文学館

三島由紀夫文学館にやってきたカレンさん。

カレンさんは、三島由紀夫の作品を読んだことがありますか?
カレン「ありません。」
何か代表作とか(知っていますか)?
カレン「本当に知りません。本当にゼロからのスタートです。」

文学館の中に入ると、三島由紀夫作品の初版本が並んでいます。
三島由紀夫は多くの作品を残しましたが、小説だけではなく、随筆から評論、戯曲まで幅広いジャンルでその才能を発揮しました。

  • 中澤先生

さて、今回、三島由紀夫について教えてくれるのは中澤匠吾先生です。
中澤先生は番組監修として、いつもカレンさんを支えています。
今回、満を持して登場となりました☆

中澤「どうですか?何かわかったこととか、気になったこととか(ありますか)?」
カレン「相当すごい人だということはわかった。これだけの広さを自分で全部埋め尽くすって、相当なことをしないとやれないですし。人間として凄いし、字もうまいし、自分の生き方っていうのを持ってる人だと思いました。」
中澤「うん。そこで今日は、三島由紀夫作品の日本語の美しさに焦点をあてて、代表的な作品である『金閣寺』を見てみましょう。」

『金閣寺』は海外でも翻訳されるほど評価が高い、三島由紀夫の代表作です。

  • 貧しいお寺に生まれた主人公
  • 空想の中の美しい金閣寺

『金閣寺』は、金閣の美しさに魅了された青年が、美に執着し、葛藤や苦悩の末に金閣寺に火をつけるまでを描いた作品です。
貧しいお寺に生まれた主人公は、父から“金閣寺より美しいものはこの世にない”と言われて育ちました。
話に聞くだけで、まだ見ぬ金閣寺は、主人公にとって“完璧な美”でした。
空想の中の美しい金閣寺を表現した、圧巻の文章となっています。

  • 中澤先生とカレンさん
  • カレンさん

中澤「三島由紀夫の表現の美しさはどういうところから生まれているかというと、修飾なんです。いろいろな言葉を積み上げて重ねて。そうしてより詳しく表現していこうと。そういう表現が詰まっているんです。“たとえ”の表現だったり。例えば、金閣の楼閣(建物)が一層、二層、三層と重なっているのを、池に臨んでいる船に例えているんです。」
カレン「これは素晴らしいですね。私も日本語を数々見てきましたが、ダントツでいい言葉!相当好きです!」
中澤「『金閣寺』では、夜の金閣寺と昼の金閣寺の様子が対比して書かれています。」
カレン「ふ〜ん…。」
中澤「昼は、金閣という船はそこにじっと佇んでいる(ということを表しています)。」
カレン「格好いい!」
中澤「夜は、帆をあげて航海に出る、といったイメージです。」
カレン「へぇ〜。」
中澤「全体的な動と静のような。動いているのと静けさを意識させるような。だからこそ夜の闇の中で輝く、光を放つ金閣寺…ということがこの表現に詰まっているんです。」
対比によって、“夜の金閣”の美しさを印象付けたということですね。

  • 中澤先生とカレンさん
  • カレンさん

中澤「やはり、三島由紀夫の語彙力の豊富さは抜きん出ている(と思います)。言葉のバリエーションがとても多いので、それによって本当に細かなイメージがわいてくる。そういう表現を重ねることで、美しい日本語と感じられるのではないかと思います。では、三島由紀夫の作品に触れて、三島由紀夫が描く日本語の美しさとはどういうものだと思いましたか?」
カレン「今の日本に一番足りない栄養素!」
中澤「おぉ!」
カレン「だと思います。今の世の中、『了解』を『り』で返すくらいコンパクトなところまで来ちゃっているので。この方は別の世界にいるじゃないですか。私たちと違って。だから、もっと時間をとって会話をしてほしいと思って。今のコンパクトな時代もいいかもしれないけれど、いろいろな言葉を知って、本を読んで、楽しく言葉を発してほしいです。」

それでは次回もお楽しみに!

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