NHK高校講座

ベーシック国語

Eテレ 毎週 火曜日 午後2:00〜2:10
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第29回

漢文を読む 〜漢詩〜

  • 出演:杏林大学教授 金田一 秀穂
学習ポイント学習ポイント

漢文を読む〜漢詩〜

漢文を読む〜漢詩〜
  • カレンさんとオウムさん
  • サイプレス上野さん

今回のテーマは「漢文を読む〜漢詩〜」です。
滝沢カレンさん、オウムさんと一緒に学習していきましょう!

オウム「今日は先生に頼まれて、僕のイケてる友だちを呼んでいます!」
ということで、今回は、ラップミュージシャンのサイプレス上野さんがゲストに来てくれました。
サ上「♪俺がサイプレス上野 通称サ上! おっぱじめるぜ 国語の授業! 食堂よりも弁当な俺 マイメン(仲間)なら もちろんオウムだけど 俺ここにいる意味がわかんねー おっぱじめるベーシック国語 滝沢カレンとオウムとレッツゴー!♪」
オウム「サ上さんっていうんだよ。」
カレン「覚え…やすい!」
オウム「今日はサ上さんに来ていただきましたので、授業でラップを習うということなのかな?」
カレン「知らないけど、どうなるんだろうね?」

授業開始!
  • 金田一秀穂先生
  • 漢詩とは

教えてくれるのは、金田一秀穂先生です。

先生「本当はラップをやりたいんですけど、残念ながらラップではないんです。」
カレン「え〜。」
オウム「ラップを習うんじゃないんだ。」
先生「ごめんなさい。でも、ラップに似た、こっちをやりますYO!」
サ上「完全にラッパーになってる!」
オウム「(先生が黒板に貼ったボードを見て)漢文じゃないですか!」
カレン「また漢文!?」
先生「昔の中国で作られた漢詩っていうのを勉強します。」

  • 静夜思
  • 静夜思

漢詩とは、唐の時代(約1200〜1300年前)の中国で作られた詩で、
風景、歴史的出来事、作者の人生、故郷を思う作品が多いのが特徴です。
有名な漢詩のひとつ、李白が書いた『静夜思』を見てみましょう。

牀前看月光 (牀前(しょうぜん)月光を看る)
疑是地上霜 (疑ふらくは是れ地上の霜かと)
挙頭望山月 (頭を挙げて山月を望み)
低頭思故郷 (頭を低れて故郷を思ふ)

『旅先で、寝床の前に明るく差し込む月の光が地上におりた霜のように見えた。頭をあげて山の端に昇っている月を見上げたが、いつのまにかうなだれ、遠い故郷に思いを馳せていた。』
といった内容です。

  • サ上さん
  • カレンさん

先生「漢詩には(意味のほかに)もうひとつ大切なことがあります。」
カレン「なんだろう?」
オウム「サ上さん、わかります?」
サ上「いやーーー…漢詩自体が久しぶりすぎて、何が大事だったか…。」
オウム「サ上さんも高校時代(漢詩を)やった?」
サ上「やった記憶…今、見て、思い出しました。あ、漢詩だって。」
オウム「確かにね〜。カレンちゃんはどう?」
カレン「何の質問かも忘れちゃった。」
サ上「早い!(笑)」
先生「正解は『音』なんです。漢文は中国語でできているわけですね。だから、中国語で聞いてみるとわかるんですよ。」

  • 押韻
  • カレンさんとオウムさんとサ上さん

中国語で聞くと、『静夜思』の中で「光」「霜」「郷」の3か所は韻を踏んでいます。
このように、句の終わりに同じ音や似た響きの言葉を置くことを押韻(おういん)といいます。

先生「これがラップと良く似ている。」
カレン「そうなんですか?」
オウム「それで、今日はサ上さんが呼ばれたんですね。」
先生「そういうことなんです。漢文っていうのは、何か難しそうじゃない?(カレンさんに向かって)もう嫌じゃん?」
オウム「ストレートですね…。」
先生「でも、ラップと同じように韻を踏むっていうことが、中国の人にとっては、とても大切な詩のルールなんです。」
サ上「へぇ!」

中国の詩には2通りあります。
四句(四行)のものを絶句
八句(八行)のものを律詩
といいます。
それぞれ、韻を踏むべき場所が決まっています。
偶数句(絶句の場合には、二行目と四行目)は必ず韻を踏まなくてはいけません。
※まれに該当しない漢詩もあります。

サ上「ラップと一緒ですね。途中で外しもあるんですよ。あえて(韻を)踏まないで、最後に踏むと気持ちいい、みたいな。」
先生「(韻を)踏んでばっかりではいけないの?つまらなくなっちゃう?」
サ上「踏みすぎてるとガチガチに聴こえ過ぎちゃうんで。たまに遊びがないとダメなんです。」
オウム「その加減があるんですね。カレンちゃん、この共通点、どう?」
カレン「まさか…中国から教わったってことだよね?」
先生「教わってはないんだけどな…。」
※ラップは中国から教わってはいません。

  • 対句
  • 対句

漢詩には対句というテクニックもあります。
対句とは、二つの句に互いに対応する言葉が並んでいることを指します。
例えば、『静夜思』の
三行目の「挙頭」は“頭をあげて”
四行目の「低頭」は“頭をさげて”
という意味なっていて、対句になっています。
同じく
三行目の「望山月」は“見るのは山や月”
四行目の「思故郷」は“思うのは故郷のこと”
という意味なっていて、対句になっています。
このように、対句にすることによって、印象が深くなります。

  • 金田一秀穂先生
  • サ上さん

オウム「ラップには対句はないですか?」
サ上「比較するために、ダブルミーニングって言ったりしますよね。」
オウム「ダブルミーニング?」
サ上「(一つの)言葉の中に二つの意味を持たせたりとか。」
先生「あぁ〜。」
サ上「例えば、“首からゴールドチェーン下げるけど頭は下げない!”みたいな言い方はします。」
オウム「これ、対句じゃないですか?」
先生「対句ですね!言葉の遊びですよね。それが上手にできるとカッコいい!ってことですよね。」
サ上「そうなんです。ビシッと決まったー!みたいな感じです。」
先生「こういう押韻や対句を昔の中国の人たちは大切にして、それを詩にしたんです。」

それでは次回もお楽しみに!

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