NHK高校講座

ベーシック国語

Eテレ 毎週 月曜日 午前10:20〜10:30
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第16回

文学史 〜石川啄木〜

  • 出演:杏林大学教授 金田一 秀穂
学習ポイント学習ポイント

文学史〜石川啄木〜

文学史〜石川啄木〜
  • 滝沢カレンさん
  • 啄木の写真を見た感想は…?

今回は文学史の授業の3回目!歌人・石川啄木についてです。
啄木の故郷である杜と水の都、盛岡にやってきた滝沢カレンさん。

啄木の写真を見た感想は…?
カレン「ハンサムですね!優秀でとにかく遊んでいたんじゃないですか?この時代にしては。」
どうしてそう思ったの?
カレン「これだけイケメンの人はいなかったから。」

  • 石川啄木
  • 啄木の自筆の文字を集めて作られた

歌集・一握の砂、悲しき玩具など、26歳でこの世を去ってから100年以上経った今でも啄木の短歌は多くの人に愛されています。

盛岡出身の啄木を偲び、盛岡駅の「もりおか」の文字は、啄木の自筆の文字を集めて作られました。

  • 啄木の歌碑
  • 啄木と一緒に写真に写っている人は誰?

盛岡に残る啄木の足跡を訪ねます。
盛岡城跡公園には、啄木の歌碑があります。
不来方のお城の草に寝転びて 空に吸われし 十五の心
不来方(こずかた)とは、盛岡の古い呼び名です。
青年時代の啄木は、ここの草原に寝転び、空想にふけっていたそうです。

今回は、啄木と一緒に写真に写っている人に関係のある人をお呼びしています!
カレンさんも知っている人です。誰だかわかりますか?

  • 金田一秀穂先生
  • メガネ外すと少し似てる??

そこに現れたのは、金田一秀穂先生。

カレン「落ち着く〜!」
先生「遠くまでご苦労さんでございます。」
カレン「こちらこそ!よく来ましたね。嬉しい〜!」
先生「写真見てくれる?(啄木と一緒に写る人を指して)これが僕のおじいちゃん。」
カレン「えっ!!」
先生「メガネ外すと少し似てるんだけど。…そうでもないか?」
カレン「…そうでもないです。」

  • 金田一先生の祖父・金田一京助さん
  • 先生とカレンさん

金田一先生の祖父・金田一京助さんは、啄木の短歌の才能を見初め、創作に集中できるようにと生活を支えていました。
京助さんは英語の先生をしていて、働いておらずお金のなかった啄木を援助していたのですが、啄木はそのお金でお酒を飲んでいたそうです。

このエピソードを聞いたカレンさんの感想は…
カレン「嫌な人!!(先生に)石川啄木さんとも会ったことあるんですか?」
先生「僕はないですよ!だって明治の頃に亡くなってるんだもん!」

  • カレンさん
  • 金田一先生

次に訪れたのは、啄木が教えていた小学校(旧渋民尋常小学校)です。
幼い頃、自分も通ったこの学校で、20代のときに代用教員として子どもたちの指導に当たっていました。

先生「啄木は普段の生活、僕たちがいつも感じることを歌にする。だから、今、僕らが読んでも啄木の歌は心に響いたりするんですね。」

ここで先生は、カレンさんにクイズを出しました。
次の【?】には何が入ると思いますか?みなさんも考えてみてください。
はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢつと【?】を見る

先生「何だと思う?」
カレン「月!」
先生「なるほどね〜。これ、正解は『手』なんです。」
カレン「逆だ、私と!」
先生「そうそうそう!」
カレン「私はそういうとき上を見たい!この人は下ばっかり見てたんだ。」
先生「働くっていうことが『手』なんだよね。だから、手を見て、“あぁ、楽にならないな”って思っちゃうわけです。」
カレン「え〜…手なんですね。」
先生「月を見るだと、外へ気持ちが動いていくんですよね。でも、手を見るだと、自分の中へ入っていく。心の中に深く深く入っていく。そこが啄木の上手なところだね。」 

  • カレンさん
  • 友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ

「僕が割と好きなのはこんなの。」
先生がそう言って紹介したのがこちらです。
友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ

カレン「素敵〜!」
先生「友だちがみんな自分よりえらく見えるときってありますよね。僕はダメだなぁって思うわけじゃない?啄木さんもそういうことを思うわけですよね。そういうときに人はどうするか。男の子で20歳をちょっと過ぎたくらいの人だったら、友だちと騒ぐとかさ。そんなかんじじゃない?」
カレン「うん。」
先生「この人(啄木)は、花を買ってきて、奥さんと親しむ。」
カレン「いいですね〜。身内で。」
先生「そう。そういうときも、家族と一緒に過ごすことの方がずっと幸せなんだ(ってこと)。」
カレン「素敵な男の人ですよね。」
先生「“この花きれいだね” “素敵だね” って奥さんと話す。同感することによって、この女の人といてよかったなと思えるでしょう。」
カレン「なるほど。」

  • 先生とカレンさん
  • 次回もお楽しみに〜!

先生「啄木のコツっていうのはね…啄木が上手だなっていうのは、具体的に“手を見る”とか“花を買う”とか、とってもわかりやすいでしょう。」
カレン「はい。」
先生「だから、“花を買ひ来て 妻としたしむ”とは言うけど、“奥さんと楽しく暮らした”とは言わないじゃない。“嬉しい”とか“悲しい”というような言葉を使っちゃうとつまんなくなっちゃう。」

つまり、具体的な行動だけを描写することで、気持ちは読み手に想像させるのが啄木の“コツ”なのです。
このコツを踏まえて、カレンさんに和歌を作ってもらいました!

カレン「山もどき 遠くに見えど 近づけば ちがう山かと かんちがいする
先生「なんだ、なんだ?」
カレン「かなり深いから、分かってないかもしれないですけど…」
先生「説明して!」
カレン「あっ!山だ、遠くに見えるな〜(と思って)、よし近づいてみよう(と動き出す)。(いざ近づいてみると)あれ?これ、さっき見ていた山と違う!(と思い、)勘違いしちゃった、また今度来ようって帰ってしまうけど、実はそれは同じ山だったんです。」
先生「なるほど。」
カレン「遠くで見るのと、こっち(近く)で見るので、違うって人間は思っちゃうから。だから、すぐに物を決めつけないでっていう。」
先生「そういうことってあるよね。うん。そういう日常性っていうのは、わりと啄木かもしれないよね。」
カレン「ありがとうございます。」
先生「じゃあ、今日の総括をお願いします!」
カレン「周りの仲間を大切にしよう!」
先生「そうだね。」
カレン「やっぱり、この人もかなりお金を借りて生きてたので。」
先生「そういうことをしたくなっちゃう人だったんですよね、啄木は。」
カレン「愛されてた。」
先生「そう!愛されてたんですよね〜。」

だらしのない性格でしたが、啄木の才能は周りから愛され、応援したくなる人だったようです。

それでは次回もお楽しみに!

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