第6回 漢字仮名交じりの書
MCは皆藤愛子さん。
そして今回みなさんと一緒に学習する高校生は、
古橋舞悠さん、栗原大河くん、清水せれなさんの3人です!
“書”というと特別なイメージをもつかもしれませんが、手書きの文字はすべて広い意味での“書”です。
そう考えてみると、私たちの生活の中にはさまざまな書があります。
お店や商品のイメージを楽しく伝えたり、喜びや感謝の気持ちをていねいに表現したり。
今回は日常生活で手書きをする場面に注目して、表現力を磨きましょう!
冠婚葬祭や儀式、展覧会の受付などで名前や住所を書くものを芳名帳(ほうめいちょう)といいます。
舞悠さん、大河くん、せれなさんの3人に芳名帳に記入してもらいました。
書くのは住所と名前だけですが、バランスよく収まるように書くのはなかなか難しいものです。
ここで、「達人に聞こう!」のコーナーです。
今回の達人・川合広太郎先生に、美しい芳名帳の書き方を教えていただきました。
まず、上半分に住所を、下半分に名前を書くように心がけましょう。
字の大きさは、住所を小さめに、名前を大きめに書くのがポイントです。
今回、生徒のみなさんには暑中見舞いのハガキを書いてもらいます。
大河くんは友だちに、舞悠さんはいとこに、せれなさんはおばあちゃんに書くことにしました。
ハガキを受け取ったときにまず見るのが宛名ではないでしょうか。
宛名は、読みやすく、良い印象を与えられるように、ていねいに書くことが大切です。
まずは宛名を美しく書くための書式を覚えましょう。
縦書きの場合には、相手の名前を中央に書きます。
このとき、住所より少し下の位置から書き始めるのがコツです。
また、住所は郵便番号の下2桁の間を目安にして書くとバランスがよくなります。
横書きの場合にもほとんど同じですが、名前を少しだけ右寄りになるように意識しましょう。
このような書式にしたがって書くと、自然とバランスのとれた宛名が書けますよ☆
達人・川合広太郎先生が、宛名書きの見本を見せてくれました。
最初に相手の名前を書き、次に相手の住所、そして自分の住所、名前の順で書くとバランスが取りやすくなります。
また、名前の文字数によっても姓名の間のスペースの空け方が変わってきます。
文字と文字の間隔にも注意するようにしましょう!
中国や日本では、古くから毛筆が筆記具として使われてきました。
しかし、世界に目を向けると、硬いペン先を使う硬筆にも長い歴史があります。
およそ6000年前のメソポタミアの人々は、粘土板に植物の葦の茎で文字を書いていました。
また、古代エジプト文明では、墨と同じような成分のインクをペン先に付けて、水草で作ったパピルス紙に文字を記していました。
7世紀になると、ヨーロッパで羽ペンが使われるようになりました。
そしてその後1000年以上に渡って筆記具の代表でした。
劇作家のウィリアム・シェイクスピアも羽ペンを使って作品を書いていました。
19世紀には、アメリカでペンの中にインクを蓄えることができる万年筆が誕生します。
当時、持ち運びに便利で、長時間書き続けられる画期的な筆記具でした。
日本に硬筆文化が入ってきたのは明治時代です。
万年筆が輸入され、軍人の間で高級品として使われるようになったのです。
東京都中央区にある万年筆の博物館「ペン・ステーション」の館長・熊澤さんによると、
その後、万年筆が広く普及したのは国内で生産されるようになってからだったといいます。
大正時代半ば頃には万年筆を作る会社も増え、庶民にも使われるようになりました。
一方で、明治20年には鉛筆が、大正4年にはシャープペンが、昭和22年頃にはボールペンが国内で生産されるようになりました。
そして、現在においても筆記具は進化を続けています。
高校生のみんなもこだわりをもって筆記具を選び、手書きを楽しんでいるようです。
時代と共に道具は変わっても、手書きで伝えたいと思う気持ちは変わらないのかもしれないですね。
生徒の3人には、好きな筆記具を使って実際に暑中見舞いを書いてもらいます。
相手に自分の心が伝わるように、ていねいに書くのが基本です。
時候のあいさつやメッセージなど、それぞれを固まりとしてレイアウトを考えましょう。
書のデザインとして意識的に余白をつくるのもコツです。
いきなり書き始めず、文字の大きさやイラストの配置などを鉛筆で下書きすると良いですね!
3人の暑中見舞いが完成!
上手にできました☆
書はとても身近なものですから、楽しく書いていきましょう!
次回もお楽しみに〜☆
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