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番組情報

けもの撃退!大作戦スペシャル
12月1日(金)後8:00〜8:43放送 <再放送>12月17日(日)後1:05〜1:48放送

「News かいドキ」のシリーズ「けもの撃退!大作戦」のスペシャル版。
中学生が動物からサツマイモを守る!南アルプス市にある私立中学校「南アルプス子どもの村中学校」の授業に8か月間、密着。畑がある場所は南アルプス市築山の高台エリア。かつては100人ほどが暮らす集落だったが、今は誰も住んでいない場所。そのため、たくさんの動物が現れる。ここで獣害対策を行いながらサツマイモの収穫を目指す。はたして無事に収穫できるのか!?中学生が学んだこととは?

裏クエ

舞台となった南アルプス市築山・高台エリアですが、私が事前に聞いていた情報では、住む人がいなくなった場所で、サツマイモを作ることは不可能なほど、獣害がひどい場所だということでした。
さぞ山奥にある土地だと思いながら実際に、現地に行ってみてびっくり!山際の高台で山の一部といえるのですが、すぐ下は盆地で、人がたくさん暮らす町が広がっていたのです。言われているほど、そんなに動物は現れないのではないかと、そのとき思いました。するとすぐさま、その印象は覆されることに。
集落の中でサルの群れと遭遇したのです。サルはそこまで人を警戒する様子も無く、耕作放棄地となったスモモ畑の草をついばんでいました。

地元農家の方の話では、サツマイモを植えた場合、まず葉っぱを食べに「鹿」がやってきて、ある程度、土の中で成長してから、土を掘り起こしに「猪」がやってきて、収穫間際になると、サツマイモを引き抜きに「サル」がやってくるそうです。まさに「三重苦」です。

主人公となる南アルプス子どもの村中学校の生徒たちは、動物好きな子が多い印象を受けました。
最初は「獣害対策というと、動物を殺すことになるかも」と不安に思っていた子もいましたが、生徒たちは、獣害対策についてほとんど何も知らない状態からのスタート。「まずはやってみて失敗しながら学んでいこう」というのが学校の方針でした。
メディアの仕事をしている身としては、彼らを陰ながら応援しつつ、答えを与えたくなるのを我慢しつつ、でした。

結果的に、主な失敗は畑にサルが侵入したシーンだけでしたが、細かい失敗はたくさんありました。
たとえば動物の姿を撮影したセンサーカメラ。動く物を捉えると自動的に録画が開始される便利な物ですが、設置方法や場所次第で、成果が大きく変わります。目の前に葉っぱが映っていると、葉っぱが揺れるたびに録画されてしまうのです。結果、生徒たちは撮影した大量のデータから動物がいるかどうか、確認する手間がかかることになります。

私が取材を進めながら思ったことは、獣害対策は、中学生の総合学習に最適なのではないかと言うことです。
たとえば、動物のことを知る「理科(生物学・生態学)」、獣害の背景となる地域力低下(人口減少・耕作放棄地)の問題は「社会」ですし、電気柵の設置に取り組むことで、理科や算数などを学べます。
地域の人たちにとっても、獣害のひどい場所で、定期的に子どもたちの声がこだますることは、有効な獣害対策になるのではと感じました。

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