くう ねる あそぶ こども応援宣言

―今回の番組を企画した理由を教えてください。

以前に「すくすく子育て」という番組を制作していたとき、災害時の避難所で小さなお子さんが泣いたり、動き回ったりするためにご家族が肩身の狭い思いをしていたり、子どもたち自身も大人に気を遣ってストレスをためたりしていることを知りました。確かに、大人でも生きていくのに精一杯の状況の中で、子どもたちが困っていることにまでなかなか意識が回っていないのかもしれないと考え、災害の中での「子ども」に注目した番組を制作したいと考えていました。
2018年は西日本豪雨、北海道地震と災害が続いたので、そういう地域で今、子どもたちがどんな状況にあるのか調べたいと思いました。
結果的には、「今、何に困っているのか?」ではなく、「災害が起きた時、何に困ったのか?」に焦点をあてることになりました。「その時」に備えて、多くの親と子が助かるような情報をと心がけて制作しました。



―制作するにあたって、どんなことを心がけましたか?みどころは?

今回の番組は、災害時に、子育て家庭が遭遇するであろう、ごく一般的な事態を紹介しています。「避難をするとき」、「マンションの高層階に子どもととり残されたとき」、「被災後、子どもの心が不安定になったとき」など。子どもがいる場合といない場合では備え方が違うということを具体的に知ってもらうことで、もしものときに、参考にして頂けたらいいなと思います。
また、通学中など子どもが一人でいるときに災害が起きることを想定した親子の防災や、発達障害のある子どもが避難所で過ごすことへの不安についても専門家に答えていただいています。

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写真左上より、番組を制作した
山本ディレクター、中村ディレクター、中塚ディレクター
写真左下:柴田デスク、岡本チーフ・プロデューサー


―岡本さんが制作している『ウワサの保護者会』(Eテレ 毎週土曜午後9時30分)では、どんなことを目指していますか?

子どもを育てることは大変なことです。特に今はたくさんの情報があふれている一方で、どっしり構えて安心させてくれるような人、適切なアドバイスをくれる身近な人といった存在がいなくて、子育ての責任が保護者に全部のしかかっているような重圧を感じる人も多いのではないでしょうか。
ウワサの保護者会」はそんな中で悩む親世代に少しでも役に立ったり、安心できたりする情報を届けて、結果的に、子どもたちが自分らしく健やかに育つための手助けになればいいなと思っています。


―岡本さんは、長く、教育や子どもをテーマにした番組の制作を続けてきました。
どのようなきっかけで携わるようになったのですか?

私自身は入局時は、特に子どものことをやりたいと言ってNHKに入ったわけではありません。学生時代は在日外国人などマイノリティの問題に関心があり、「多数派はどうしたら少数派を心から理解できるのか?」ということを知ったり、伝えたりしたいと思っていました。
1997年に神戸で連続児童殺傷事件が起きたときに、「14歳の心の闇」「14歳が分からない」などといったテーマでたくさん番組が作られ、私も加わったのですが、その時に全国の14歳の子どもに聞いたアンケートの中で、「知りたいとか言うけど、大人は全然自分たちのことを見ていない。」という声がいくつかあったことが印象的でした。日本の社会では、子どもってある意味“マイノリティ”で、同じ人間として平等に扱われていないというか、悔しい思いをしている子たちってたくさんいるのかもしれないと思ったところから、子どもたちのことをやりたいと思うようになりました。


―この『くうねるあそぶ こども応援宣言』サイトを見てくださっている方に。

このサイトを見てくださっている時点で、子どものことに関心があったり、問題意識を持ってくださったりしているのだと思います。もしかしたら、お子さんが見てくださっているかもしれませんね。
日本は平和で安全という意味ではとてもいい国ですが、子どもたちが置かれた環境をみると、たくさん課題があると思います。“おかしい”と思ったことは口に出してみる、他の人とつながる、ちょっと気になる子に声をかけてみる。そんなことをひとりひとりが地道に行っていくことで、「つらい」思いをしている子どもが一人でも減ったらいいなと思います。
私もそういうつもりで声をあげていきたいと思いますので、思いを同じにする方々とつながっていけたら嬉しいです。


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岡本朋子チーフ・プロデューサー
1995年、NHK入局。
「トップランナー」「天才てれびくん」「すくすく子育て」など
青少年の教育や子育てに関わる番組を制作。

現在は「ウワサの保護者会」(Eテレ毎週土曜午後9時30分)の
チーフ・プロデューサー



くうねるあそぶ×ウワサの保護者会 コラボ特番「災害 そのとき子どもは」
2019/3/16(土)[Eテレ]午後9時00分~ 午後9時55分

2018年、さまざまな災害が日本を襲い、多くの子どもたちも被害を受けた。そこで「ウワサの保護者会」と「くうねるあそぶ子ども応援宣言」では、子どもと子を持つ親に焦点をあて、災害について考える。子どもを連れての避難やその後の生活、そして子どもの心のケアはどうする?札幌や倉敷、熊本で子育て家族がどう乗り越えたのか取材。災害に備えて子育て家族が知っておくべき情報が満載。【川崎市立上丸子小学校で収録】

【出演】関根麻里,ユージ,【司会】尾木直樹,高山哲哉