くう ねる あそぶ こども応援宣言

2017年08月24日 (木)

こどもと睡眠Q&A

「くうねるあそぶ」特集番組「ねる子よ育て!」放送に際し、みなさまから寄せられたご質問について、熊本大学名誉教授 三池輝久さんに回答いただきました。

回答者:熊本大学名誉教授 三池輝久さん

Q:3歳と1歳の子どもがアトピーのため、夜中に何度もかゆがって起きてしまいます。
朝まで熟睡してくれたことは、ほとんどありません。上の子は寝つくまでに時間がかかり22時近くになってようやく寝ます。下の子は、明け方に何度も泣いて眠りが浅いようです。
将来的に影響はありますか?

A:アトピー性皮膚炎、鼻炎、喘息などアレルギー性疾患を持つ子どもたちには、睡眠障害が高い割合でみられます。特に夜間睡眠の中断が問題です。皮膚の痒みなどによる刺激的な問題の他に、眠りを妨げる働きを持つ炎症性物質が血液中に増加するために起こると考えられています。このままの状態を放置すると、将来的に、睡眠不足による、発達への影響や朝起き困難に伴う学校生活への影響も考えられます。
そこで「アレルギー性疾患を持つ子どもたちには、アレルギー治療と睡眠障害治療を並行して行うことが大事」です。なぜなら睡眠障害によってアレルギー症状そのものが増悪する傾向があり、睡眠問題が解決するとアレルギー症状も改善する傾向があるからです。最近では睡眠問題と炎症を押さえる働きとを併せ持つものとして「メラトニン(サプリメント)」が比較的安全で有効性が高いとして使用を進める論文もいくつか見られます。専門医にご相談ください。
(※尚、「メラトニン(サプリメント)」は副作用がでる可能性もあり、日本では医薬品指定のため市販はされていません。)

 

Q:4才の子どもがいますが、毎日寝る時間が遅くて心配です。毎日、朝6時に起こすようにしていますが、なかなか目が覚めず起きません。
この先、どのような症状が続いた場合、病院などを受診したほうがよいのでしょうか。

A:新生児期から寝つきが悪い、日中とても不機嫌になる、何度も目を覚ますなどの特性を持つお子さんの場合は、その時すぐに医療が必要ではない場合も多いですが、成長を見守る段階で以下のことに注意をしておく方が良いでしょう。
・回数は少ないけれども1歳を過ぎても夜中に30分~60分以上も起きていることがある
・寝つきが悪く60分程度もかかる
・夜中に3回以上目を覚ます
・朝起きる時間が常に朝8時以降
・日中不機嫌で泣いてばかりいる
などの場合は、夜間睡眠リズムの乱れが考えられるので医療機関(子どもの睡眠に詳しい小児・小児神経科医や内科医、児童精神科)に少しでも早めにご相談下さい。

学童期以後の問題では、
・朝起こすと非常に不機嫌あるいは暴れる
・なかなか目を覚まさず遅刻気味な日が多い
・休日になると朝8時半や9時を過ぎて起きてくる
・帰宅すると直ぐに眠ってしまう
などの症状は、平日の睡眠が不足しており蓄積している(睡眠負債ともいう)ことが心配されます。
このような場合は家族全員で夜8時など早めに消灯して、一緒に休む生活を二週間ほど続けてください。
ご家族全員であることが大事で、この取り組みでうまく行かなければ医療機関の受診をおすすめします。

また、これと言う納得できる理由がないのに
週に一日、大幅に遅刻してしまう、あるいは、朝起きられず欠席してしまう状態が出現した場合は、直ぐに受診することが必要です。



Q:現在、保育園でお昼寝をしていますが、今後、何歳くらいからお昼寝をやめてもよいものでしょうか。

A:早い子どもでは3~4歳頃からお昼寝が消失し始めますが、この場合、夜間の基本睡眠時間が十分(9~11時間:平均10時間)に確保できていることが大事な条件です。
遅くとも小学校入学前には昼寝が無くなっている必要があります。
5~6歳になっても昼寝の習慣が残っているのは、夜間睡眠時間が不十分でその不足分を昼寝で補充する悪いリズムが身についている可能性があります。「小1プロブレム」の背景になるのですぐに入眠時間を早くするなど生活リズムの修正が必要です。
また、夜間の基本睡眠時間が8時間以下で昼寝を辞めることは、問題がある場合がありますので専門医にご相談ください。


※三池輝久さんの寄稿文はこちらからお読みいただけます。
「子どもたちの質の良い眠りが人生を豊かにする」