くう ねる あそぶ こども応援宣言

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こども食堂で
「ここがあるから、ふだんのおかずをもう一品増やせる」
と言ったお母さんがいました。
そういうの、(場所)大事~!

■これは、初めてこども食堂の活動にかかわるようになったときに、あるおかあさんが伝えてくれた、忘れられないひとこと。

■自分はおとなの貧困や格差の社会課題にずっと向き合ってきたが、子育て世代の貧困や、ひとり親の大変さについて全然わかっていなかった。こども食堂って、こどものためだと思っていたけど、おかあさんやおとうさん、「親」のためでもあるんだと初めて知った。だからそこに力をいれないと、こどもは救われない。

■こども食堂を運営するある30代の女性が言っていた。「自分が子育てをしていて、世の中から取り残されている、孤立していると感じた。居場所もつながりもない。だから自らこども食堂を始めた」と。

■たしかにそうだ。子育てをする環境は、昔とまったくちがう。自分がこども時代を過ごした地元も変わってしまった。小中学生の時には、外で駆け回り、友だちの家で遊び、夕飯をごちそうになって帰った。地域のこども会もにぎわっていた。しかし高校から地元を離れ、久しぶりに戻ってみると、風景が一変していた。こども会もなくなっていた。子育ては、孤育てになっている。

■こども食堂は現在全国におよそ3,700。去年1年間に1,400のこども食堂が増えた。お寺や自治会が始めるところもある。夢は、2025年までに、全国に2万ある小学校区すべてに多世代交流拠点としてこども食堂を置くこと。こども食堂を始めたいという人がやれる環境を整えること、すべてのこどもや親がアクセスしやすくすることにこれからも力を尽くしていきたい。

【湯浅誠さん プロフィール】
1969年東京都生まれ。日本の貧困問題に携わる。1990年代よりホームレス支援等に従事し、2009年から足掛け3年間内閣府参与に就任。政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。現在、東京大学先端科学技術研究センター特任教授の他、NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長など。著書に『子どもが増えた!人口増・税収増の自治体経営』(泉房穂氏との共著、光文社新書)、『「なんとかする」子どもの貧困』(角川新書)、『反貧困』(岩波新書、第8回大佛次郎論壇賞、第14回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)など多数。