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検証“いのち”を守る防災力

平成23年12月13日(火)放送 第5回「防災拠点としての空港の備えは」

放送内容

シリーズでお伝えしている「検証!”いのち”を守る防災力」。
きょうは、「防災拠点」としての空港の防災力についてです。

空港は、交通施設としてだけではなく、東日本大震災を受けて災害時の「防災拠点」としての機能も求められるようになっています。
津波の対策に加えて、新たに必要となった「防災拠点」としての備えは十分なのか。
神戸空港で検証しました。

オープニング画像

ことし(平成23年)、神戸空港で大規模な災害訓練が行われました。
今、空港は、交通施設としてだけではなく、災害時の「防災拠点」となることが求められています。

神戸空港の災害訓練

ことし(平成23年)3月の東日本大震災では、仙台空港が津波で大きな被害を受けました。
しかし震災から3日間、1400人の避難を支えたことから、今、空港を災害時の「防災拠点」に整備し直す動きが、全国的に進められています。

被災した仙台空港被災した仙台空港

年間200万人以上が利用する神戸空港には、いくつかの防災設備があります。

海面からの高さが7.5メートルある護岸で津波を防ぎます。

護岸

また、液状化を防ぐための砂のくいが11万本設置されていて、神戸市は、これで対策は十分だとしています。

しかし災害時の「防災拠点」としては新たな課題が見えてきています。

砂のくい

今月(平成23年12月)、神戸市の担当者は、ターミナルビルの管理会社を訪れていました。
災害が起きた時にどのように利用者の避難誘導などに当たるのか、互いの情報を共有しようとしているのです。

やりとりする担当者

空港には、いくつもの事業者が入っています。
市の管理事務所やターミナルビルの管理会社。
それに国の出先機関や航空会社、消防や警備会社などです。

しかし大災害が起きた時、それぞれがどう連携するのか決まっていないのです。

空港内の事業者ノルマル

神戸空港は、東日本大震災を受けて、空港内で最も高い場所にあるターミナルビルの屋上を「避難場所」として使うことを決めました。

しかし・・・。
ビル管理会社の担当者は、「1000人くらいなら十分対応できるが、それを超えるとかなりきつくなってくる」と現状の厳しさを市の担当者に伝えました。 空港には、多い時には一度に2000人が滞在するため、このスペースだけで収容できるのか、課題になっているのです。 神戸市は、周辺の企業のビルも避難場所に使えないか、検討しています。

神戸市の担当者は「災害規模に合わせて避難所として大丈夫なのかどうか検証しながら、周辺企業にもご協力頂ければと思います」と話しています。

ビル屋上案内

海に浮かぶように埋め立て地に作られた神戸空港。
救援物資を運ぶ道路は1つしかなく、孤立した場合、避難は長期化する可能性があります。

一本橋と空港

現在、空港には、航空機事故に備えて、毛布や水は用意されています。
しかし、長期化した避難を支えるための食糧の備蓄はありません。
当面、空港内で売られている土産物でしのぐしかなく、今後、神戸市は、食糧の備蓄を検討しています。

神戸市の担当者の話です。
「避難時間をどのくらい想定するか、基本的に72時間と言われているが、その間、避難できる資機材、備蓄材を今後、ビルと調整していきたい」。

DMAT車両

京都大学防災研究所の牧紀男准教授は、さまざまな組織が一体となって運営されている空港では、あらかじめ災害時の役割分担と情報の共有を進めておくことが大切だと指摘しています。

牧准教授の話です。
「いつもは一緒に飛行機を飛ばすという作業はやっているとはいえ、災害時の対応に共同で当たるということはやったことがないので、事前にマニュアルを作って訓練をして問題点を洗い出しておくことが重要だと思います」。

牧紀男准教授

取材後記

東日本大震災から2か月後、取材で、仙台空港に降りた時のショックは忘れられません。
これまでにも仙台空港を利用したことがありましたが、この時に見たのは、ガラスが割れ、土砂が流れ込んだ、変わり果てた空港の姿でした。
大震災を受けて、兵庫県が津波の想定を2倍にした時、仙台空港の姿を思い出し、神戸空港はどうなるのだろう・・・、と思ったのがきっかけで取材を始めました。

その中で、空港が「空の防災拠点」として位置づけられていることや、仙台空港が、震災から3日間にわたって1400人の避難を支えたことを知りました。
国も、空港が「命を守る場所」なんだということを、強く意識し始めました。
神戸市によると、神戸空港は津波の被害は受けないということですが、だからこそ、関係者どうしが細かく連携を取っておくなど、災害が起きる前にやっておくべきことがたくさんあるように思います。

その積み重ねが、想定外にも対応できる「“いのち”を守る防災力」になっていくのではないかと思いました。

(山本有沙記者)

写真M:取材する山本有沙記者

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