2016年04月09日 (土)

脳科学で買い物力アップ

きわめびと 脳研究者 池谷裕二さん

51-kiwamebito.jpg東京大学薬学部教授。「脳のカラクリを知れば 人生はもっと楽になる」をモットーに脳を研究し続けている。わたしたちの脳は様々な情報を先読みしすぎるあまり、時々、脳そのものが勘違いを起こしてしまうという。池谷さんはこれを“脳のクセ”と呼び、このクセを知らないまま買い物をしていると、無意識のうちに自分自身が脳そのものにダマされ、損をしていると警鐘を鳴らす。
“脳のクセ”を知って、買い物力をアップさせるために池谷さんが決行した大実験とは?

 

お悩み 

51-onayamisan.jpgお悩みを寄せてくれたのは、“衝動買い”がやめられないと嘆く主婦たち。値下がり品に目がないものの買った洋服は袖を通さずじまい…。子ども用のビニールプールを買ったものの、大きすぎてマンションのベランダに収まらずじまい…。掃除グッズを新製品が出るたびに買っていたら家のなかが掃除機だらけ…。ダメとわかっているのにやめられない衝動買い。そんな衝動買いをおさえる術を身につけたいと、お悩みを寄せてくれました。


 

脳科学で買い物力アップ レッスン1 
「高値の花にはトゲがある」

51-lesson1.jpg知らず知らずのうちに衝動買いをさせる“脳のクセ”。そのひとつが「“数字というトゲ”が金銭感覚を左右する」というもの。今回は、このことを道行く人に100円のハサミを使って大実験!
500~3000の数字を書いたサイコロを振ってもらってからハサミの値段を尋ねると、あら不思議、なんと出た数字に引っ張られるように「3000円」や「7500円」と付ける値段が上がっていったのだ。

実は、人間の脳は、直前に見た数字がトゲのように脳に残り、その数字を基準に商品の値段を考えてしまうクセがあるという。
ショーウィンドーのすてきな商品に付けられた“高額な値段”、“値引き前の金額”をあえて大きく表示するバーゲンセールの値札…。これらはすべて、私たちの脳に“数字というトゲ”を植え付け、買い物の際に商品を「安い!」と勘違いさせるための作戦だったのだ。

ここにはさらに「自分が下した判断を疑おうとしない」という脳の悪いクセも働いている。これは、状況に応じて物事を瞬時に判断しなければならない野生動物の本能の名残だと池谷さんは言う。

51-taisaku1.jpg<対策>

たちの悪い“脳のトゲ”対策としては、事前に商品の相場を知っておくことが重要だと力説する。それが、“脳のトゲ”に対するバリアになるという。

 

 

 

脳科学で買い物力アップ レッスン2 
「三択ロースにご用心」

51-lesson2.jpg続いての“脳のクセ”は、「脳は選択肢に惑わされやすい」というもの。
このことを、複数の旅行プランから1つを選んでもらう大実験で確かめる。
まず「15万円乗継便」と「30万円直行便」から選んでもらうと、ほとんどの人が割安な「15万円」を選択。だがここに「30万円乗継便」を加えると、あら不思議、なんと多くの人が「30万円直行便」を選択するようになったのだ。

実は、「30万円」と高額なのに「乗継便」と明らかに不便なプランは、注目を集めるための“おとり”。ふたつの「30万円」プランを見比べるうちに「同じ値段で直行便ならオトク!」と勘違いしてしまうのだという。

池谷さんはここにも野生動物としての名残があると言う。集団生活を営むヒトは元来、仲間はずれを嫌う生き物。極端に異なる選択肢は排除し、中庸を目指してしまうのだという。

51-taisaku2.jpg<対策>

三択に惑わされないようにするためには、3つの選択肢を二つずつに分けて比較検討することが重要。メリット・デメリットを冷静に判断することができるという。


 

 

 

Oh脳~あなたの知らない販売マジック

<1>「うなずくだけで買ってしまう」 

51-ohno1.jpgネットショッピングなどでは、時としてわざと画面を縦にスクロールさせることがあるという。
これには「うなずく」という首を縦に動かす動作を起こさせようというねらいがあるのだ。ドイツのビュルツブルグ大学の研究で、実は脳には“首を縦に動かす”動作を“肯定に捉える”クセがあるという。これは赤ちゃんがおっぱいを探すときの首の動きに共通するもので、多くの国で「首を縦に振る=イエス、横に振る=ノー」を表す。販売側は「この商品は良い」と肯定的な気持ちにさせるために、なんとかして首を縦に振らせようと躍起になっているのだ。


<2>「柔らかなイスが財布のひもを緩める」

51-ohno2.jpg感情は、皮膚の感覚や体の動きに大きく左右されるという話。
アメリカのマサチューセッツ工科大学の研究によると、柔らかいイスに座ったときと固いイスに座ったときとでは、態度の柔らかさ、硬さまで変わってくるのだという。自動車の商談で座るイスの堅さによって、交渉の柔軟さに変化があったというのだ。
他にも、ガッツポーズを作るだけでやる気が出る、など身だしなみや姿勢、皮膚感覚などによって感情が生まれるということが分かっている。



一柳アナの収録こぼれ話

すべては脳みそのせい!

51-ichiyanagi.jpg脳みそって…賢い!だからこそ厄介!
今回、脳のトゲの怖さを思い知りました!!
ただただ生活しているだけでも、知らず知らずのうちに
脳にはトゲがグサグサグサグサ…
衝動買いしていたのは脳みそのせいだったんだと責任転嫁したくなりますが、
そんな脳みそも「私の脳みそ」なんですよね(笑)これから即断即決は禁物です!

そして、夜中のネットショッピングは衝動買いにつながるので慎重にというのは
よく耳にしていましたが、それにもしっかり根拠があるとは…
画面のスクロールが購買意欲を促進するのに役立っていたなんて、
なんだか思うつぼすぎて悔しいです!!
売る方も必死にあの手この手で我々に物を販売しようとしているわけですから、
買う方もこれは必死で抵抗していかないと…

それにしても、脳科学っておもしろいですね!
今回は買い物力アップのためにどうしたらいいかを脳科学で解明したわけですが、
私たちの行動をみていくと、きっと賢すぎてやっかいになっている事が
まだまだある気がします。
買い物力だけではなく、ぜひまた池谷さんのお話を別の例でも伺ってみたいです!

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:50


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