ハレピョンブログ~NHK北九州だより~

2018年3月29日

2月25日(日)、冬季オリンピックにおける日本史上最多となる
13個のメダル(金4、銀5、銅4)を獲得し、幕を閉じたピョンチャン五輪。
メダリストたちがそれぞれの地元に帰って凱旋パレードを行っている姿をみると、
「感動」がよみがえってきます。
そのピョンチャン五輪終盤の2月22日(木)~25日(日)、
イギリスのロンドンでは卓球の団体戦「卓球チームワールドカップ2018」が開かれていました。

この大会の日本女子は、エースの石川佳純選手(25才)をはじめ、伊藤美誠選手(17才)、
そして伊藤選手と同い年で福岡県北九州市出身の早田ひな選手(17才)が出場。
決勝で王者中国に完敗したものの準優勝。
さらに早田選手は、その後、東京で開催された「ジャパン・トップ12」で
計4試合を全てストレート勝ちで優勝。
東京五輪に向け、存在感を示しました。

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さらに3月に入って、3月20日(火)~25日(日)の日程で開かれた
ワールドツアーのドイツオープンでは、伊藤美誠選手とペアを組んだ早田選手、
いわゆる「みま・ひな」ペアで抜群のコンビネーションを見せて優勝!
着実に、そして確実に、早田選手自身の目標に向けステップアップしているなと感じました。

そんな早田選手を見ていて、私自身が初めて直接早田選手を見た時のことを思い出していました。

それは2年前、2016年、夏の全国高校総体です。
そのときは、日本時間の8月6日(土)に開会式を迎えたリオデジャネイロ五輪の真っ最中。
そのリオデジャネイロ五輪では、競泳男子800mリレーで、
萩野公介選手(当時東洋大=21歳)、江原騎士選手(当時自衛隊=23歳)、
小堀勇気選手(当時ミズノ=22歳)、松田丈志選手(当時セガサミー=32歳)の日本チームが、
勝ちたい気持ちと互いを思いやる気持ちもつないで7分3秒50で見事3位!
この種目では1964年(昭和39年)の東京五輪以来、52年ぶりのメダル(前回も銅メダル)を獲得しました。

また、体操男子団体は、エースの内村航平選手(当時コナミスポーツ=27歳)を中心に、
山室光史選手(当時コナミスポーツ=27歳)、田中佑典選手(当時コナミスポーツ=26歳)、
加藤凌平選手(当時コナミスポーツ=22歳)、白井健三選手(当時日体大=19歳)がそれぞれ持ち味を発揮。
予選4位からの大逆転で、2004年(平成16年)のアテネ五輪以来、12年ぶりの金メダルを獲得しました。
なお内村選手は男子個人総合でも金メダル獲得。
五輪2連覇の快挙を成し遂げました。
そして柔道では、男子90キロ級のベイカー茉秋選手(当時東海大=21歳)が、この階級で日本初の金メダルを獲得しました。

このように挙げれば切りが無いほど、連日のように日本人選手の大活躍が耳に入ってきました。


そんなリオデジャネイロから地球を半周、日本で開かれていた全国高校総体。
女子卓球に、当時、高校1年生の早田ひな選手(福岡・希望ヶ丘高校)が出場していました。
早田選手は当時からワールドツアーでも活躍する卓球界のホープとも言える選手でした。
身長165cm。左利きでドライブショットを得意とし、強気に攻めてくるのが特徴です。

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この年の7月時点の世界ランキングが19位。
2016年(平成28年)1月の全日本選手権ではベスト8に入った実力の持ち主です。
この大会、早田選手は第2シードに入り、2回戦からの登場。
優勝候補に挙げられていました。

そして早田選手は大会前から、なんと
「東京五輪では金メダルを狙いたいです!」と話していたのです。
2回戦から準決勝までの6試合で失ったゲーム数(セット数と同じ)はわずか3ゲームのみ。
ただ、その数字以上に苦しむ場面があったのも確かですが、勝負所を逃さない集中力とテクニック。
粘り強さは、さすがに若くして「世界」を視野に入れている選手だなと感心させられました。
元日本女子代表監督の近藤欽司(こんどう きんじ)さんも
「以前よりバックハンド(ラケットを持つ利き腕の左手とは逆サイドの球を打つ時)の使い方が上手くなった。
向上心がすごく強い選手です。目標に向かって努力している姿勢が良く出ていますよ。」
と早田選手の力を評価していました。

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決勝の相手は第1シードで、全日本ジュニアで準優勝している実力の持ち主である
橋本帆之香(はしもと ほのか=当時大阪・四天王寺高校3年)選手です。
試合開始直後、早田選手は
橋本選手が繰り出してくる様々な変化をしてくるボール(6種類の変化球)に苦しんでリードを許します。
しっかり返そうとすると早田選手が打つボールが高く上がってしまって台をオーバーし、
低く抑えようとするとネットにボールが掛かってしまうのです。
第1ゲームは11対3で圧倒されました。

しかし、ここから気持ちも含めて、しっかりと切り替えられるのが並みの選手と早田選手の違いです。
第2ゲーム、早田選手は少しずつ橋本選手を左右と前後に揺さぶり始めペースを引き寄せます。
橋本選手の様々な変化球にもしっかり対応し始めます。
結局第2ゲーム以降は持ち味の強烈なドライブショットと左手から繰り出す強烈なスマッシュ。
強打だけでなくふわっとネットに近い場所に落とすショットなどなど、
力任せにしない多彩なショットと、相手の動きや心理状態を読むなど頭を使ったプレーを見せます。

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ゲームカウント3-1と早田選手リードで迎えた第5ゲーム。
得点は10-9とリード。
そして、その後しばらく続いたラリー。
最後は橋本選手の放ったボールがネットを越えずゲームセット。
勝利が決まった瞬間、早田選手は「きゃー」と会場内に響き渡る甲高い声を出し、喜びをあらわにしました。
そして右手を口元にあてます。
目からは次々と涙があふれ出てきます。
ゲームカウント4-1での優勝。涙の初優勝でした。

試合後のインタビューで早田選手は、
「1年生ですが、最初から優勝を狙っていたので緊張しました。
(自分への)応援の力がプレー(の結果)に変わって、
すごく良い球を打てたので、すごく感謝しています。」
と深々と観客席へ頭を下げました。
そして
「自分のプレーを忘れずに攻撃。
ラリーが続いたらしっかり粘って、打ちに行けると思ったところはしっかりスマッシュを打つという戦術でいきました。」
とも話してくれました。

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そして最後に、こう付け加えました。
「2020年<平成32年>の東京五輪、
団体と個人両方で金メダルを狙って頑張りたいと思います。
自信はまだないですが・・・(笑)。」と。
リオデジャネイロ五輪、女子卓球日本代表の伊藤美誠(いとう みま)選手と同い年の早田選手。
それだけに東京五輪への出場、いえ東京五輪での活躍をすでに具体的に思い描いているのかもしれません。

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早田選手の、とても高校1年生とは思えない立ち居振る舞い。
しっかり自分のプレーを分析していること。
目標設定がしっかりしていること。
向上心を常に持ち続けていること。
自分の強みと弱い部分をしっかり客観的に見られること。
粘り強さをもっていること。
我慢強さを持っていること。
目標を達成するための努力を惜しまないこと。
リフレッシュの仕方をしっていること。
プレー中の落ち着き方を知っていること。
自分のためにコメントしてくれる人の話に耳を傾けられること。
そして何より、周りの仲間であったり親であったり、コーチであったり・・・、
周囲の人に感謝の気持ちを常に持ち続けていることだと思います。

2年後の東京五輪に向けて、頑張れ、早田選手!!


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<今日のひとこと>
「活躍(かつやく)」は「勝つ役(かつやく)回りの人」だけの活動でなく、支持者の活動があって初めて成り立つ言葉である!

(常に感謝の気持ちも忘れずに!)