ハレピョンブログ~NHK北九州だより~

こんにちは!アナウンサーの吉松欣史です。

サッカーJ1、サンフレッチェ広島の元監督で、
2020年東京オリンピック・サッカー男子日本代表監督、
森保一(もりやす はじめ)監督の横顔に迫るシリーズ、
3回目の今回は、「ぶれない姿勢」についてです。
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その3:<ぶれない姿勢>

吉松)監督は、選手から見ると
    「ぶれない」、「熱い」という言葉が聞かれますが、
    自分自身で、指導者「森保一」をどう見ていますか?

森保)「ぶれない」は、基本的には考え方はぶれないと思いますけど、
    結構いろんなことを考えながらやっていますし、
    心の中ではブレブレになりながら・・・、
    でも選手に何か伝える時とか自分が何か行動を起こす時には、
    ちゃんと割り切ってできるようにとは思っていますけど。

 

吉松)試合の中で熱くなることもあるでしょうけど、
    選手の個々のプレーでどうのこうのと言うこともないですし、
    普段の練習でも喜怒哀楽をあまり出さず!というように見えるのですが
    選手への接し方、これはどのように考えていらっしゃいますか?

森保)あまり上から押さえつけるようなっていうか、そのような接し方は
    出来れば避けたいなって思っていますね。
    というのも、もちろん僕が、色んなコンセプトを打ち出して
    選手にやってもらわないといけないですけど、
    その中でも、何ていうんですかね・・・、
    選手の個性をできるだけ出してもらって自然体で自分の良さを出せるように
    選手には思い切ってプレーしてほしいので、自分の思っていることを出来るだけ
    素直に発言してもらいたいので・・・、
    そこは選手が自然体で、言動に移せるように接していきたいと思っています。

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吉松)その考えはどこから生まれた発想?

森保)どこから生まれた発想かは分からないですが、
    自分自身がそうであったと思いますし、サッカーって・・・、何ていうんですかね・・・。
    誰かに教えられて、あるいは試合中なんかだと、右行け!前行け!後に下がれ!だとか、
    一回一回指示されたりサイン出されたりするスポーツではないので、
    自分で考えて、相手とマッチアップする中で、相手をどうやって上回っていくかを
    考えながらやっていかなければ行けないスポーツなので。
    そこはこう・・・、自由というか持ってるモノを自然と出せるように、
    普段から個々に意識を高めてもらって、
    それをサッカーの方に生かしてもらえればなって思っています。

 

吉松)ご自身の体験がそうさせているのですか?

森保)こんな体験というのは具体的には分からないですけど・・・、何でですかね。
    自分がそうしてほしいなっていうふうには思いますね。
    もちろんというか、我々がプロとしてやっている中で、
    プレッシャーがかかった中で選手もやっていますけど、
    まずは自分の大好きなサッカーを仕事としてやれているってことを
    喜びに感じながらやってほしいなっていうところ、思いはありますね。

 

吉松)「ぶれない」っていうことについて、作戦面でも聞きたいんですけど、
    試合の中でサンフレッチェは研究されます。
    でもやり方、戦い方を変えないじゃないですか。
    そういう「戦い方を変えない」という背景は?

森保)ぶれないっていうのは基本的な部分がぶれないって言ってるのかなって思います。
    攻撃にしても守備にしても、チームのコンセプトの中の、
    ベースがぶれないってことだと思います。
    それと、あとは、ベースっていう部分で言うと、状況がよくなくなったり、
    流れが悪くなったりした時に、立ち返る所をベースとして持っているというのは、
    ぶれないっていうところがあるのかなって思います。

    ただし、試合を、サンフレッチェの試合を見ている方はこう、何ていうんですかね、
    だいたいの部分では、試合の戦い方変えてない、システムも含めて変えていない
    というふうに見られるかもしれないですけど・・・。
    でも実際は、相手のことは分析していますし、
    我々はサンフレッチェが守備にまわる時は、
    相手の攻撃に対しての対応はトレーニングの中でもやりますし、
    相手のキーになるような選手には抑えに行くっていうのは、
    自分たちがやっているそのベースの形の中で、相手に対しては対応していますし、
    あるいはサンフレッチェの攻撃の場合には、
    相手のどこが弱いのかっていうところは突き詰めて突いて行こうっていうふうなこと。
    それはゲームの中でその駆け引きはあって、やっているのですけど、
    ただ、相手が強いからウチ(サンフレッチェ広島)は守備的にとか、
    相手が弱いから攻撃だけにっていうふうに、偏った考え方では試合には臨まないですね。
    そこは常にバランスを考えて、勝つためにどうやったらいいかと考えて試合を進めています。

 

吉松)その考えに至ったのはどういうところからですか?

森保)まずはやはり揺るぎないベースっていう部分がほしいかなと思って。
    そのベースって部分はこう、どんな状況でも自分たちはこう、これは必ずやるんだ
    っていう部分を持っておけば、そこから上積みして攻撃でも守備でも
    プラスαの肉付けを対戦相手によってやっていくっていうところですね。
    ベースがないと、結局は一回一回、今日は攻撃的、今日は守備的にやっていくとか、
    相手によって全く自分たちのことはできないとか、そういうふうにはなりたくないので、
    まずはこれをやろうという事を選手には意識してもらえるようにはしています。

 

吉松)裏を返せば臨機応変にということもできると思いますが、そうするとぶれてしまう?

森保)選手には臨機応変という言葉を試合前とかミーティングとかで伝えていますけど、
    臨機応変というのは、やるべきコンセプトのベースがあってこその状況によっての
    臨機応変だっていうふうに、はい、僕は考えています。

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チームの中心選手であり、森保監督を現役時代から知る
森﨑和幸(もりさき かずゆき)選手に話をきくと・・・

吉松)森保監督はどんな監督ですか?

森﨑)んー。ぶれない。

吉松)具体的には?

森﨑)結果が出ている時には監督は(戦い方を)変えないっていうのは
    今まで経験してきましたけど、負けていて、なかなかこう・・・
    ぶれずにやるっていうのは監督として難しいことだと思いますし、
    僕ら選手も、やはり負けている時はネガティブな気持ちになりますし、
    ちょっと自信を失いかけるんですけど、そんな中でも監督はいつも、
    勝っても負けても一喜一憂しないですし、同じことはやり続けてくれるんで、
    どんな時も自信を持って自分たちのサッカーを出せているかなと思います。

    本当に熱い監督で、厳しく言うときには厳しく言いますけど、
    選手にいじられたりもしますし、親しみやすいというか、
    常にこう選手目線で物事を考えてくれてるんで、
    選手としてもいろいろと相談とかしやすいですし、
    ベテランから試合に出てない若手まで、
    常に全員の体調とかプレーを見てくれているんで、
    そこは選手としてはモチベーションが常に保てる証かなと思います。

 

※選手目線で改めて考えてみましても、ランナーならランニングフォームで、
  野球の投手なら「肩の開き」、打者なら「タイミングの取り方」などなど
  基準となる部分、「ぶれてはダメな部分」があります。

  また日常生活でも何か迷いがあった時、困った時に、
  「メンタル面も含めて自分が戻れる場所」があると、気持ちが楽になります。
  そこを原点に、客観的に自分を見つめたり、周囲の状況を確認したりすると、
  再び力強い一歩を踏み出せるかもしれませんよね。
  言い方を変えると「ぶれない」とは「自分らしさ」と言えるのではないでしょうか。

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<今日のひと言>
気丈な考え方、机上だけにしないように!

(現実の世界でこそ、ぶれずに強くありたいですね!!)