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2009年10月23日放送(ほうそう) ((だい)415(かい)

(ぼく)空気(くうき)()めないんです・・・ 〜自閉症(じへいしょう)中村徹(なかむら てつ)さん〜

【コミュニケーションをとることが苦手(にがて)中村(なかむら)さん】

ピアノを弾く中村徹さん 今回(こんかい)主人公(しゅじんこう)は、音楽大学(おんがくだいがく)(かよ)中村徹(なかむら てつ)さん、26(さい)神戸市(こうべし)にお()まいです。
中村さんは、6歳の(とき)に、自閉症(じへいしょう)診断(しんだん)されました。中村さんの場合(ばあい)知的障害(ちてきしょうがい)(ともな)わない高機能自閉症(こうきのうじへいしょう)(かんが)えられています。
自閉症は、「コミュニケーションの障害(しょうがい)」ともいわれており、「相手(あいて)気持(きも)ちを(さっ)するのが(むずか)しい」「()空気(くうき)()むのが苦手(にがて)」「言葉(ことば)意味(いみ)をそのまま()()る」などの特徴(とくちょう)があげられます。

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女子学生2人の前で踊り出す中村さん 中村(なかむら)さんに、日常生活(にちじょうせいかつ)でどんなことに(こま)るのか、(うかが)いました。
小林(こばやし)> たとえば、友達(ともだち)から「空気(くうき)()めてないよ」って()われたりすることはありますか?
<中村さん> ありますね。()こうが2人(ふたり)でお(はなし)しているのに()()んだりする(とき)に言われるんですよ、「大事(だいじ)な話をしてるのに」と。でも、(ぼく)もすごく(いそ)いでいる時とか、どうしても()きたいことがあったりとか、()ちきれない時もあったりして、それでイライラする時も あるんですよ。(いま)(はな)しかけていい状況(じょうきょう)なのか、いけないのかっていうのが、ちょっと自分(じぶん)でも把握(はあく)できないんですね。

中村さんは音楽大学(おんがくだいがく)(かよ)い、作曲(さっきょく)専門(せんもん)勉強(べんきょう)しています。学校(がっこう)()くと、友達を(さが)して校内(こうない)をうろうろ。()つけると自分から話しかけていきます。
<中村さん> (ひさ)しぶりやな、あいちゃん。どないしたん?昨日(きのう)、ダンスの授業(じゅぎょう)
女子学生(じょしがくせい)> 言いなや、そんなこと。
<中村さん> こんな(かん)じだったのよ。タンタタン、タタッタタン…。
中村さんは、いきなり、授業で(なら)ったダンスを披露(ひろう)しはじめました。友達の反応(はんのう)()にせずに(おど)(つづ)けます。
<女子学生> (てつ)くん、来週(らいしゅう)(おし)えて。

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食堂で女子学生に話しかける中村さん 食堂(しょくどう)()った友達(ともだち)には、自分(じぶん)(つく)った(きょく)()てほしいと()()しました。
中村(なかむら)さん> このリズムを(たた)けるか、どうか。
女子学生(じょしがくせい)> ちょっと()って、(いま)するの!今するの!?
<中村さん> できるかなと(おも)って。
<女子学生> なに、この()()ち、どうしよう。

会話(かいわ)はたいてい自分のペース、(まわ)りの状況(じょうきょう)は見えていないようです。
そんな中村さんを、友達はどう見ているのでしょうか?
<女子学生> いつもニコニコ(はな)しかけてくるんですけれど、(わたし)先生(せんせい)としゃべっている(とき)、状況がちょっと把握(はあく)できなくて、いつもの調子(ちょうし)で、バーって(話に)(はい)って()たりとかするんですよ。そういう時は「ちょっとまた(あと)にしてください」って言って、後にしてもらうんです。
男子学生(だんしがくせい)> 感情(かんじょう)を100パーセント素直(すなお)()して、(いや)なことは嫌だし、うれしい時は思いっきり(よろこ)ぶし。(こま)っている時は、やっぱりすごい困ってるって出しますし。でも、ちょっとそれで、空気(くうき)()めないとことかがあったりしますけど…。

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中村さんと友人の佐藤さん この()中村(なかむら)さんは、自分(じぶん)(つく)った(きょく)演奏(えんそう)してくれる(ひと)(さが)していました。どうやって探そうかと思案(しあん)していた(とき)友達(ともだち)佐藤陽平(さとう ようへい)さんが、 学園祭(がくえんさい)のことで相談(そうだん)をもちかけてきました。すると・・・
<中村さん> 佐藤くん、(いま)打楽器(だがっき)の人探してんねん、すごい大変(たいへん)やねん。(すこ)(あたま)()やしなさいよ!
<佐藤さん> ()かりましたよ。

<中村さん> なぜそうやって(ぼく)圧力(あつりょく)をかけてくるのか、わからへんねん。
<佐藤さん> 圧力かけているつもりはないですよ。
中村さん、いらだちを(おさ)えることができません。
Q:なぜ(おこ)ってる?
<中村さん> 打楽器のことですごくいっぱいなんですよ。人探すの、今日(きょう)昼休(ひるやす)みにね、打楽器のところへ()って人に()わなあかんねん。
中村さんは、自分のことに集中(しゅうちゅう)している時、(ほか)事柄(ことがら)がおきると、うまく対応(たいおう)することができないのです。

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自宅、中村さんと母 (いえ)(かえ)ると、毎日(まいにち)授業(じゅぎょう)友達(ともだち)のことなど、その()出来事(できごと)両親(りょうしん)一緒(いっしょ)()(かえ)ります。
中村(なかむら)さん> 「打楽器(だがっき)ですごい(いそが)しいねん、いいかげんにしなさい、(あたま)()やしなさい」って、(おこ)っちゃって、そのはずみで…。
(はは)> 怒ったらいかんよって、約束(やくそく)したやん。

<中村さん> だから(ぼく)も、堪忍袋(かんにんぶくろ)()()れちゃったのよ。佐藤(さとう)くんも打楽器を(さが)すことを()ってるくせに、(いや)がらせをするのよ。
<母> それ嫌がらせじゃないよ。「ごめん、僕、(いま)これのことで頭がいっぱいだから、その(はなし)はまた今度(こんど)にして」って()ったら、佐藤くんどう言ったと(おも)う?
<中村さん> ん?…「じゃあ()かった、(あと)にする」って…。
<母> ママもそう思う。
<中村さん> そうか…。
中村さんは、その()では分からなかった状況(じょうきょう)を、両親と確認(かくにん)することで(ひと)つ一つ理解(りかい)しようとしています。
<母> 最低限(さいていげん)我慢(がまん)すること、相手(あいて)気持(きも)ちになって(かんが)えること、(かれ)にとってすごく(むずか)しいことみたいなんですけれども、それを毎回(まいかい)言って()かせたら、いつかちゃんと、言わなくてもわかる(とき)がくるのかなと思いながら()ごしています。でも、なかなか難しいみたいです。

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食堂で佐藤さんを探す中村さん (つぎ)()昼休(ひるやす)みに中村(なかむら)さんは食堂(しょくどう)()かいました。けんかした佐藤(さとう)さんと、()()わせをしていると()うのですが、(かれ)姿(すがた)()あたりませ ん。何度(なんど)電話(でんわ)をしますが、連絡(れんらく)がつかない様子(ようす)

<中村さん> 約束(やくそく)したんですけど、()ないんですよ。
Q:いつ約束したんですか?
<中村さん> 昨日(きのう)の((よる)、)メールでしたんですよ。
Q:返事(へんじ)はありましたか?
<中村さん> 返事はなかったですけどね。
Q:それは約束したことにならないのでは?相手(あいて)は「いいよ」って()ってないんでしょう?
<中村さん> 言ってないけど…、無理(むり)とも言ってないです。暗黙(あんもく)了解(りょうかい)だから。
佐藤さんからの返事がなくても、()てくれるものと(おも)いこんでいました。
<中村さん> 「昨日ごめんね」と、けんかしたことも()って(あやま)りたかったし、ちょっと(ぼく)も、佐藤くんをどんな気分(きぶん)にしたのか心配(しんぱい)で。それでずっと(なや)んでました。

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スタジオ、中村さん <シュウ> どこに障害(しょうがい)があるのかっていうのが本当(ほんとう)にわかりにくい。たとえば、カッーっと(おこ)(ひと)は、()(なか)にいるじゃない。でも突然(とつぜん)、「(あたま)()やしなさい」というセリフを()いたらびっくりすると(おも)うんですけど、(中村(なかむら)さんは)よく(()ってしまうことが)あるんですか?

<中村さん> (ぼく)もすごくイライラしたから、(やさ)しく注意(ちゅうい)することができなくて、つい、テレビの芸人(げいにん)さんの悪口(わるぐち)とか、ドラマで言っているような言葉(ことば)真似(まね)して言ってしまうんですよ。
<シュウ> テレビで(おぼ)えた言葉を、「(ひと)(おこ)(とき)は、こういう言葉()くんや…」と、それをそのまま使(つか)っちゃう。
<中村さん> ついつい使っちゃいました。第一(だいいち)まだ「頭を冷やす」という言葉も、(じつ)はわかってないんですよ。ただ、その言葉を()ってきただけなので。
玉木(たまき)> 感覚的(かんかくてき)に使っている、ということですか?
<中村さん> 感覚ですね。
小林(こばやし)> でも、(いえ)(かえ)ったあと、ご両親(りょうしん)一緒(いっしょ)にそのことを()(かえ)っていますよね。ということは、「なんか自分(じぶん)がいけなかったかな」という思いもあった?
<中村さん> ちょっとはあるんですけども、「優しい言葉で言いなさい」とお(かあ)さんに言われたんですよ、「もう(すこ)()ってね」って。でも、その優しい言葉が、どういうのが優しい言葉なのか、すぐに()()えられないんですよ。いわゆる、(いか)りと優しさのスイッチが…。

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スタジオ、中村さんと司会者玉木(たまき)> よくわかりますね。(しか)るということと、(つた)えるということは、微妙(びみょう)(ちが)いますよね。本当(ほんとう)は、「邪魔(じゃま)せんといて」ということを伝えたいだけなのに、(いま)いっぱいいっぱいの気持(きも)ちを、ただ表現(ひょうげん)した…そういうことなのかな?
中村(なかむら)さん> はい。

中村さんの両親(りょうしん)は、中村さんが自閉症(じへいしょう)であることを学校側(がっこうがわ)に伝えています。
<玉木> (学校側に伝えているので)(まわ)りの(ひと)も、ある程度(ていど)は(中村さんのことを)理解(りかい)しているのですか?
<中村さん> 理解しづらい(理解してもらいにくい)ところもありますね。全部(ぜんぶ)を理解するというのはちょっと難しいです。
<玉木> 周りの人にもちゃんと自閉症について理解がされておけば、もう(すこ)し周りから、「これはこうじゃないか」とか「こんな場合(ばあい)はこうしたらどうか」とか、いろんなアドバイスがもらえると(おも)うので、()ってもらうということがとても大切(たいせつ)なのかなと思いましたね。
<シュウ> 大切ですよ。普通(ふつう)なら「()わんでもわかるやろ?」と言いたくなるような場面(ばめん)がある。でも、ちゃんと情報(じょうほう)(はい)っていれば、「ここはこうだから()って」とか「今度(こんど)時間(じかん)とるから」とか、説明(せつめい)すればいいんですよね。

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【“演奏(えんそう)してくれる(ひと)()つけたい” 思案(しあん)する中村(なかむら)さん】

自宅、作曲に取り組む中村さん この()中村(なかむら)さんは、大学(だいがく)(おこな)われる発表会(はっぴょうかい)曲作(きょくづく)りに()()んでいました。今回(こんかい)の曲は、打楽器(だがっき)をメインに組み()てました。曲は 完成間近(かんせいまぢか)、でも(ひと)(なや)みごとがあります。演奏(えんそう)してくれる(ひと)が5(にん)必要(ひつよう)なのですが、まだ1人(ひとり)()つかっていません。

Q:演奏者(えんそうしゃ)をどうやって(さが)しますか?
<中村さん> (うそ)をつく。嘘の褒美(ほうび)(あた)える。「もし、これをやってくれるのなら、()きな芸人(げいにん)さんに()わしてあげるよ」と、嘘をつく。
Q:それで、()いた人がやってくれる?
<中村さん> ・・・と、(おも)うっちゃうんですよ。
中村さんは、嘘と冗談(じょうだん)区別(くべつ)がなかなかつきません。半年前(はんとしまえ)友達(ともだち)の冗談を()()けてしまったことがありました。
<中村さん> 友達から「2(かい)()きな芸人さんがいるよ」って()われたことがあったんですよ。これは本当(ほんとう)だと思って(しん)じたんですよ。でも、どこ探してもいなかったんですよ。「じゃあ、いなかったってことは、(かれ)は嘘をついている。だから、(ぼく)も嘘をついてもいいんだな」と思ったからなんです。
“どうすれば演奏してくれる人を見つけることができるのか?” 両親(りょうしん)相談(そうだん)しました。

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中村さんと両親中村(なかむら)さん> 「()きな芸人(げいにん)()わせてあげるよ」っていう(うそ)がひとつ。
(はは)> なんでそんなこと()うの?嘘がばれたらどうするの?
<中村さん> 「だまされた(ほう)(わる)いんだよ」って言う。
<母> 「(だまされた)(わたし)が悪かった、でも()くのは(いや)よ」って言われたらどうするの?彼女(かのじょ)はなんにも(そん)しないけど、損するの、だれやの?
<中村さん> (ぼく)
嘘をつくことはだめだと(さと)された中村さん、(つぎ)(かんが)えた作戦(さくせん)は?
<中村さん> ほめ言葉(ことば)()たる四字熟語(よじじゅくご)才色兼備(さいしょくけんび)だとか。
<母> 才色兼備って言われたら、(だれ)でもうれしいと(おも)う?
<中村さん> うれしいと思う。
<母> ママ、うれしくないわ。
<中村さん> 八方美人(はっぽうびじん)とか?
(ちち)> 八方美人は、ほめ言葉じゃないと思うよ。
<母> 自分(じぶん)もほめ言葉を言われたからって、()()ける?
<中村さん> なくても引き受ける(とき)も…。(ひま)だったらね。
<母> 暇でその()があいてたから、引き受けたんでしょう?みんな、そうだって。まず()いてみ。(ことわ)られるかもしれないと思ってるわけ?
<中村さん> うん。僕もそれが、ふられる気分(きぶん)になるんですよ…。

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学生2人に話しかける中村さん 翌日(よくじつ)中村(なかむら)さんは打楽器(だがっき)のできる()()いに、とりあえずお(ねが)いしてみることにしました。自分(じぶん)気持(きも)ちが相手(あいて)(つた)わるよう、(まえ)もって、メモに まとめます。『打楽器(だがっき)(きょく)をかくのは(はじ)めてなので、わからないことも(おお)いんだけど、(たの)しくかいています』。
はたして、うまく伝えることができるのでしょうか?

<中村さん> こんにちは!作曲専攻(さっきょくせんこう)中村徹(なかむら てつ)です。(おぼ)えていますか?
まず(たず)ねたのは、オペラサークルで知り合った学生(がくせい)です。メモを()ることで、()()いて(はなし)(すす)めることができました。
男子学生(だんしがくせい)> じゃあ、もうちょっとうまい()()いてみます。
女子学生(じょしがくせい)> ちょっと見てみますね、了解(りょうかい)しました。
すぐに(こた)えはもらえませんでしたが、気持ちは伝わったようです。そこでもうひと()し。
<中村さん> まあ、あの、(ほか)友達(ともだち)にも見せて、「(わたし)やりたい」という(ひと)がもしいたら、そういうのもまた…。
<女子学生> また聞いてみます。
<中村さん> じゃあ、そういうことで、よろしくお(ねが)いします。ありがとうございました。
Q:知人(ちじん)(はなし)をした感触(かんしょく)は?
<中村さん> (ぼく)(わた)した楽譜(がくふ)を「ちょっと見てみます」と()ったからには、僕の曲を素直(すなお)理解(りかい)しようとしている、それが僕に伝わったので、すごいうれしかったです。

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(まわ)りが理解(りかい)することの重要性(じゅうようせい)

スタジオ、中村さん <シュウ> 演奏者(えんそうしゃ)()つかりましたか?
中村(なかむら)さん> さっきの2人(ふたり)はどちらも4回生(かいせい)で、ちょっと(いそが)しいみたいで。打楽器(だがっき)先生(せんせい)(さが)してくれると、(いま)学生(がくせい)に)()いてくれているので、そこにあたって(さが)しているんですよ。そこで もうひとつ、お(とう)さんやお(かあ)さんに注意(ちゅうい)されたのが、「先生にあたっているんだったら、(ほか)のところにあたりなさんな」と()われているんですよ。「(かさ)なったりして、(おお)くなってしまったら、はずされる(ひと)(きず)つくでしょう」って。でも(ぼく)は、(ほか)にもたくさん(ひろ)めた(ほう)が、探せる確率(かくりつ)(たか)くなると(おも)っているから、そうした方がいいと思って。
<シュウ> 「先生に(たの)みましたけど、こっちでも見つかりましたから、そっちの人はいらないです」って言われたらどう思いますか?
<中村さん> 僕は、しょうがなくあきらめます。たとえば、選挙(せんきょ)でも、(えら)ばれなかった人が()いたりはしませんよね?
玉木(たまき)> (演奏者は)頼まれているわけであって、頼まれてる人は()ちるなんか思っていない。ところが、頼まれているのに、「他に見つかったから、もうあんた、いいよ」って言われた。そのときの気持(きも)ちと、選挙で落ちたときの気持ちは、(おな)じやろか?どう思います?

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スタジオ、中村さんと司会者中村(なかむら)さん> (ぼく)(すこ)(まえ)伴奏(ばんそう)(たの)まれたことがあったんですけども、しばらく練習(れんしゅう)して解雇(かいこ)されたことがあるんですよ。頼まれたのに解雇された。でも僕は全然(ぜんぜん)(きず)つきませんでしたよ。だから、 ((ほか)(ひと)も)傷つかないと(おも)ったから、この方法(ほうほう)でも大丈夫(だいじょうぶ)だと思ったんですよ。

<シュウ> つまり、僕たちはよく「相手(あいて)()になって(かんが)えて、していいことと(わる)いことを判断(はんだん)しなさい」って()うけども、自分自身(じぶんじしん)が相手の身になっても「(べつ)に傷つきません」と思うことはやっちゃいますよね。
玉木(たまき)> だからこそ(まわ)りがきちんと理解(りかい)して、いろんな場面(ばめん)説明(せつめい)をしたり、サポートしたりっていうことが必要(ひつよう)になってくる。たとえば、さっきの先生(せんせい)にお(ねが)いしたということについても、お願いされた先 生が中村さんのことをわかっておけば、「(ほか)にも(さが)すのか?」とか「先生に(まか)せとけよ」とか、一言(ひとこと)()るとわかりますよね。やりとりの(なか)で、「こうやね、こうやね」という確認(かくにん)がすごく大(だいじ)。そのためにも、周りもちゃんと自閉症(じへいしょう)について理解をしておくということが、すごく大事なことやと思います。

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【これだけは()いたい】

ピアノを連弾する中村さんと父の健さん <シュウ> 中村(なかむら)さんは、やっぱり、(まわ)りの(ひと)自分(じぶん)のことを()ってほしいですか?
<中村さん> はい。でもちょっと・・・。(ぼく)空気(くうき)()めてないだとか、あれこれ(へん)なことをしちゃうということを理解(りかい)してほしいんだけども、そうなったら、僕のこと(わる)人間(にんげん)だと()られちゃうでしょうか?

<シュウ> そんなことない。だって今日(きょう)(はじ)めて()ってしゃべって、すごく(たの)しいし。僕も音楽(おんがく)()きやもん…。どうやったら、みんながわかってくれると(おも)いますか?
<中村さん> 音楽で(つた)えていくことでしょうかね。

最後(さいご)に“これだけは()いたい”ということを(うかが)いました。
<中村さん> 言葉(ことば)(ひと)に伝えていくというのが、ちょっと僕は(むずか)しいんですけれども、僕には音楽があります。作曲(さっきょく)したもので、もっといろんな人に、気持(きも)ちを伝えていきたい。
中村さんは、(ちち)(けん)さんとともに、障害者(しょうがいしゃ)高齢者(こうれいしゃ)施設(しせつ)演奏会(えんそうかい)(ひら)いています。中村さんの活動(かつどう)は、これからも(つづ)きます。

ページ15(おわり)

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【おたよりイェイ! 作品(さくひん)イェイ! たくさんありがとう】

スタジオ、司会の3人 北海道(ほっかいどう)のペンネーム「奏多(かなた)」さんから(いただ)いたおたよりです。奏多さんは、知的障害(ちてきしょうがい)があります。
(わたし)小学校(しょうがっこう)中学校(ちゅうがっこう)とも普通学級(ふつうがっきゅう)でした。いじめにもあい、とてもつらい(おも)いもしました。でも小学校から仲良(なかよ)しな友達(ともだち)一人(ひとり)いたのでつらいことやぐちを()いてもらっていました。中学(ちゅうがく)年生(ねんせい)進路(しんろ)時期(じき)、普通 の高校(こうこう)ではなく養護学校(ようごがっこう)受験(じゅけん)することになりました。その(こと)を仲良しな友達に(はな)すことにしました。友達の(いえ)()って話しました。話した事とかは(おぼ)えていませんが、理解(りかい)してくれてとてもうれしかったです。私は友達に話せたおかげで勇気(ゆうき)がでまし た。1・2年後(ねんご)中学でできた友達一人と文通相手(ぶんつうあいて)(かた)一人にも障害のことを話しました。そしたら「わ」がまたひろがりました。私と(おな)(なや)みを(かか)えている(ひと)がいたら、友達に障害のことを話してみてください。きっと「わ」がひろまりますよ。』

玉木(たまき)> 今回(こんかい)中村(なかむら)さんの(はなし)にも(つう)じると思うんやけど、自分(じぶん)から(つた)えるとか、話し()うとかっていうことは、すごい大事(だいじ)ですね。そして、一方通行(いっぽうつうこう)ではなくて、お(たが)いのことをわかろうとすることが、このお手紙(てがみ)()てても大事やなと思いますね。

番組(ばんぐみ)では、みなさまからのご意見(いけん)・ご感想(かんそう)作品(さくひん)などを募集(ぼしゅう)しています。

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