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斎藤さんは、5年前、地元の中学生たちにサッカーを教えていました。
この日は、高校生になった教え子たちと、久しぶりに再会する日です。
斎藤さんは、視覚障害者サッカーを始めて二カ月が経ちます。
教え子たちと一緒にサッカーをしようと、グラウンドにやってきたのです。
数人の教え子たちと輪になって、パスの練習を始めました。
斎藤さん
「声を出して呼んでくれたらええねん。呼んでくれたら、そこにボールを蹴るから」
教え子たちも、目をつぶって、パス交換に挑戦します。
斎藤さんが、中学生にサッカーを教えていたときは、言葉での指導が中心でした。実際に、中学生の前でボールを蹴ることは一度もありませんでした。
斎藤さん
「僕の中では、彼らに負けたくなかった。やっぱり、ボールを蹴って教えるのは無理かな、中途半端にやりたくないなという気持ちでしたね」 |
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斎藤さんは、高校・大学のサッカー部で、レギュラー選手でした。
しかし、目が見えなくなり、自由にボールを蹴ることができないもどかしさから、だんだんサッカーから離れていったのです。 |
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やがて、斎藤さんは陸上に挑戦しました。
日本でもトップクラスの短距離ランナーになり、パラリンピックや数々の国際大会にも出場してきました。
陸上に打ち込んでいるときでも、斎藤さんは、サッカーを一度も忘れたことがありません。
去年、視覚障害者サッカーのことを知り、世界大会のビデオを手に入れました。
斎藤さんは、試合のスピーディーな音の世界に引き込まれました。サッカーへの情熱が、再び湧いてきたのです。
斎藤さん
「試合開始のホイッスルが鳴るときのワクワク感は、サッカーでしか味わえないんですよね」 |