2008年05月09日 (金)第31回「追跡!“アグー”ブーム」【航海日誌】
投稿者:のだD
番組のテーマが見つからず苦しむ入局2年目の新人Dにプロデューサーがかけた一言。
「最近、ガイドブックの特集ってアグーばかりだよね~」
そういえばこの1年間、沖縄に遊びに来た友達はみな口をそろえて
「おいしいアグーのお店教えてよ~」
と言っていたことを思い出す。
そもそも、アグーって他の豚と何がちがうんだ?
というわけで今回の取材が始まりました。
沖縄在来の黒豚アグー。
調べてみると、「○○アグー」やひらがなの「あぐー」などいろいろな農家がブランド名をつけて「アグー」を生産していることがわかる。
「どれも昔からいるあの黒い豚じゃないの??」
そう思って訪れたある農場でびっくり、
な、な、なんとそこにいたのは白い豚ばかり。
白い豚の正体は、純粋な黒いアグーと白い西洋の豚の掛け合わせから産まれた豚たち。
そう、ハーフアグーだったのです。
「僕たちが食べていたのは純粋なアグーじゃないの??」「純粋なアグーはどこにいる?」
混乱する新人D。
「今度こそ純粋な黒いアグーに会える?」
不安ながらに訪れたのは名護市にある北部農林高校。
おー、いたいた黒い豚。
しかし、安心するのもつかの間、先生の一言でまたもや混乱。
「純粋なアグーは市場にはほとんど出回っていませんよ~。」
この高校にいる純粋なアグーは50頭ほど。でもまだ市場に出荷していないんだそうです。
純粋なアグーは子豚をあまり産まないため、一般の豚の10倍ちかいコストがかかるとのこと。
「松坂牛なみの値段になちゃうよ!!」
現在「アグー」として出回っている豚肉のほとんどは、
純粋なアグーと西洋の豚を掛け合わせたハーフのアグーだったのです。
「純粋なアグーを食べていたわけじゃないんだ・・・。黒くないし。。。」
正直、予想外の取材結果にちょっとがっかり。
でも、ブームになっておいしいアグーがひろまっているのは、農家の皆さんが掛け合わせをして市場に広めてくれたからなんですね。
ちなみに北部農林の高校生たちが開発したハーフアグーが、名護にある道の駅の食堂にあります。北部に取材に行くたびに「ショウガ焼き定食」食べてます。肉質の柔らかさがよくわかります。
また、「純粋なアグー」は学園祭のときなどに振舞われているという噂も・・・
今後は市場にも出荷しようと考えているとのことでした。
取材では、南部から北部まで数多くの養豚業者を訪ねました。
エサ代の高騰だけでなく、いま養豚業者は何重もの苦悩に立ち向かっています。
都市化で近くに病院やスーパーができたために、異臭についてのクレームを毎日のように受けるようになった農家。
「豚のエイズ」といわれる伝染病の予防の為、本人以外だれも豚舎にいれさせないほど神経質になっている農家。
すでに廃業を決め、母豚の処分を始めた農家。
多くの人々が「自分の子供には養豚を継がせるつもりがない」「先が見えない」と訴えるように話してくれました。
「ブームに沸くアグーの影で、沖縄の養豚の未来はないのではないか??」
農家を訪ねるたびに悲しい気持ちになることも多かったんです。
そんな中出会った一人の若い女性。
「沖縄から豚を絶やしてはいけない、だからおじいの養豚を継いだ」

うるま市で200頭の豚を育てる門口めぐみさんは、4年前、脳梗塞に倒れたおじいさんの後を継ぎました。
エサ代の高騰を乗り切るため、近所のスーパーを回り、余った食材を回収するなどの新たな取り組みも始めています。
これまで別のお仕事をされていたご主人も、めぐみさんの熱意に押されて養豚業に転職したとのこと。
まだまだ理想の豚には遠いと話す門口さんですが、
「ただひたすらおいしい豚をつくりたい」と真っすぐ前を見ていました。
沖縄の食卓を守りたいと、日々豚と向かいあう彼女の話を聞いて、頭がさがる思いでした。
沖縄伝統の豚文化をどう守っていくのか?
ゲストは平川宗隆さん(沖縄県中央食肉衛生検査所 元所長)。
印象的だったのが、「中身汁作れる??」という愛理さんへの質問。
残念ながら、愛理さんは作れなかったようでしたが、若い世代が沖縄の豚肉料理を継いでいくことで、豚肉の消費も増え、結果的に生産者を支えることにもなるのかもしれません。
というわけで、今週の航海日誌は・・・
「豚のない沖縄なんて“トン”でもない!!
“アグー”レッシブに食べよう!」
投稿者:のだD | 投稿時間:20:45
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