おざなり?なおざり?

2010年4月13日(火)

『おざなり』と『なおざり』。似ている表現ですが、意味はまったく違う二つのことば。使い方は大丈夫ですか?『おざなり』は「御座形」と書きます。もともと「お座敷の形(なり)」ということばで、お座敷(宴会)の席で形ばかりを取り繕ったことをいったところから【いい加減に物事をすること】を『おざなり』というようになりました。そのため「おざなりな返事をする」や「おざなりな対応をする」のように使うのですね。一方、『なおざり』は「等閑」と書きますが、これは漢語の「等閑(とうかん)」をあとからあてたもの。ことばの成り立ちには "そのまま何もせずにいること"をいう「直(なお)」に"遠ざける"という意味を持つ「去(さり)」がくっついたのではないかという説もあります。「約束がなおざりになったまま」や「対策をなおざりにする」のように【いい加減にしておく、何もしない】といった意味で使うのですね。つまり、『おざなり』はいい加減でも"何かする"。『なおざり』はいい加減で"何もしない"。この点が違うのです。他に『頭越し』と『頭ごなし』も似ている表現ですね。『頭越し』は、人の頭を越えて何かをすることから【間にあるものを差しおいて相手に直接働きかけること】をいうことば。「交渉が頭越しに進められた」のように使いますよね。『頭ごなし』は「頭ごなしに反対する」のように使い【相手の言い分を聞かず、初めから決めつけた態度をとること】という意味。よく考えればことばの違いはわかりますがとっさに使おうとすると思わず間違えてしまう人も多いのではないでしょうか。

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