「下さい」と「ください」 どう違う?

2010年7月 5日(月)

日常的によく使う「~クダサイ」という表現。漢字だったり平仮名だったり、その表記の仕方はまちまちですよね。この使い分けに戸惑いがあるというお便りを複数いただきました。そもそも「ください」は、尊敬語の「くださる」が変化した丁寧・尊敬表現です。意味は大きく分けて2つ。例えば「りんごをクダサイ」「返事は私にクダサイ」。これは相手に何かしらの事物を願い求める時の"ちょうだい"といった使い方です。英語でいえば〔give〕。つまり動詞ですね。一方「資料を配ってクダサイ」「どうぞご自愛クダサイ」。これは、相手にこうして欲しいと動作を依頼したり命令する場合に用いる表現。英語でいえば〔please〕。"どうぞお願いします"といった意味ですよね。この場合は、「~てクダサイ」の形で動詞の後に付いたり、「ご○○クダサイ」「お○○クダサイ」の形で動作を表す名詞に付いて、敬意を添える補助動詞です。実は、「クダサイ」の使い分けには、この品詞の違いが大きく関係しています。戦前は、品詞に関係なく全て漢字で書くのが一般的でした。しかし、昭和28年に示された「文部省用字用語例」では、「"下さい"はやむを得ない場合以外は使わない」とし、公用文では専ら「ください」と平仮名書きに。その後、昭和48年に新たに示された「文部省用字用語例」では、『動詞...下さい、補助動詞...~(て)ください』とする、漢字と平仮名の使い分けの基準を定めました。先ほどの例に当てはめると「りんごを私に下さい」「資料を配ってください」と書き分ける事になります。ただし、これは絶対的なものではなく公用文における申し合わせ。普段はどちらで書いても間違いとはいえないようですね。

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