月の歌

かなじょ

「古今和歌集 仮名序」より

作曲:藤原 道山
編曲:篠田 大介
演奏:藤原 道山(尺八・篠笛)

やまとうたは ひとこころたねとして
よろこととぞ なれりける

天津風あまつかぜ くもかよ きと
をとめの姿すがた しばしとどめむ

うぐす か
きとし けるもの
れかうたをよまざりける

ちからをもれずして 天地あめつちうごかし
えぬ鬼神おにがみをも あれと思はおもわ
男女おとこおんなのなかをもやらげ
たけきもののふのこころをも
なぐさむるはうたなり

やまとうたは ひとこころたねとして
よろこととぞ なれりける

■解説

「古今和歌集」は、平安時代前期に作られた、勅撰和歌集です。
選者は、この『仮名序』を書いたと言われる紀貫之ら、4人。
「和歌とは何か?」について書かれた『仮名序』から、
一部を抜粋して歌にしました。

【現代語訳】

和歌は人の心を元にして、さまざまな言葉となったものである。
花の間に鳴く鶯、水に住む河鹿の声を聞けば、
この世に生きているもので歌を詠まないものがあろうか。
力を入れずに天地を動かし、目に見えない霊の心にも訴えかけ、
男女の仲をなごませ、猛々しい武士の心をもなぐさめるのは歌である。


■挿入した和歌

天津風あまつかぜ くもかよ きとよ をとめの姿すがた しばしとどめむ
僧正遍照(古今和歌集より)

【現代語訳】

天を吹く風よ、天女たちが帰っていく雲の中の通り道を
吹き閉ざしてくれ。
乙女たちの美しい舞姿を、もうしばらく地上に留めておきたいのだ。