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コラム
 
「つくってあそぼ」で伝えたいこと
ヒダオサム(「つくってあそぼ」造形アイデア担当)

造形とアニミズム


 われわれ大人がふだん忘れてしまっている心のありかたの一つにアニミズムがあります。アニミズムとは、かんたんにいえば、生命のないものにも生命を感じる心のことです。 大昔の人が素朴に山や川や海をおそれたり慕ったりしたのは「原始アニミズム」、幼児が、石につまずいて、石も痛がっていると思ったり、寒い雪のふる日に木や花も寒がっていると感じたりするのを「幼児アニミズム」といいます。こどもの造形を考えるとき、生命のないはずの紙切れや粘土のはしくれに、こどもたちは生命を感じているということを忘れてはなりません。
 また、われわれ大人は、自分の心はいちばん中心のところにおいて、たいせつにまもっていますが、こどもの心はほとんどはだかのまま外界と接していることも忘れてはなりません。外界と接しているどころか、自由に出したり入れたり、分けたりできるのです。こどもがおもちゃのくるまやお人形であそんでいるとき、こどもの心の中心は、そのおもちゃのくるまやお人形のなかにあることすらあるのです。「つくってあそぼ」ではそのようなアニミズムを大切に、こどもの心に届く造形を展開していきたいと思っています。

天地創造〜「いのち」をつくる


 造形は「かたち」を造ると書きますが、「かたち」以前に、「いのち」を造るという段階があることをしってほしいと思います。こどもたちが、紙のうえにクレヨンや絵の具で描いているのは、かたちではなくて、「いのち」を描いているのだという認識が必要だと思います。「かたち」だけをみて、じょうずだとかへただとか判断したり、表現や伝達の手段としてのみ「造形」を考えると、「いのち」の創造というもっとも大事なこどもの心の発達を見のがすことになります。こどもたちは、紙や粘土やクレヨンの線や空き箱などに「いのち」を与え、天地創造をしているのだという認識が大事だと思います。こどもが、こども自身の世界を創造し、そこに「いのち」を創造して、父母や先生やともだちと共感できた喜びを感じ、自身の存在に喜びを感じられることは、それがつみかさねられたときに、やがてそのこどもがこの世界とつながりをもって、自信をもって自立して生きていくことを助けるでしょう。それが、人への思いやりや、いのちを慈しむ心、物を大切にする心、真の創造性をはぐくむのだと、私は思います。

「忍耐」と「希望」が育ちあうものづくり


ものをつくることには、たのしさばかりがあるわけではありません。実は、むしろ思いどおりにいかない時の忍耐や妥協が必要になることが多いのです。のりが乾くのを待つのも忍耐だし、イメージとちがったできあがりに折り合いをつけるのも忍耐です。それでもつくるのはその先に希望があるからです。希望は忍耐をそだてます。逆に、忍耐は希望をはぐくみます。うまくできない経験がつみかさなってこそ、うまくいったときのよろこびは大きいのです。
 ワクワクさんはじつに簡単そうにつぎつぎと面白いものをつくっていきますが、実際つくってみるとむずかしいことが多いのも事実です。それでも、おもしろいアイデアに希望をみいだしてチャレンジするのだと思います。最初はテレビとおなじものをつくろうとはじめても、作っていく内につぎつぎとアイデアがうかんで、まったくちがったものになってもいいのです。むしろそんな造形活動をねらいとしています。