キッズワールド

幼稚園・保育所向け番組のひろば

お話でてこい

くわしい内容 - 年長児向け -

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あとはキツネどんのもの
日本昔話
放送日:4月1日・4月8日
昔、なんだ峠に食いしん坊のキツネがすんでいました。
ある日のこと、キツネは、山道を登ってくる飛脚からにぎりめしを取ってやろうと、ウサギとタヌキと共謀して草むらに隠れていました。まずウサギが、ひと休みしている飛脚の前へピョコリとあらわれます。飛脚が捕まえようと手を伸ばすと、ウサギはピョイと逃げます。いくら追っても手が届きません。飛脚が腹を立てて荷物を放り出してウサギを追いかけ始めたとき、タヌキが飛び出してにぎりめしをさらいました。ところが、にぎりめしは5つ。どう分けたらいいかのか3匹は困りました。するとキツネは「ここににぎりめしの分けかたが書いてある」と紙を取り出しました。「ひとつはウサギ、ひとつはタヌキ、あとはみんなキツネどん…。」
じごくのそうべえ
田島征彦
放送日:4月15日・4月22日
これは土方落語の傑作、『地獄八景亡者戯』を下敷きに書かれたお話です。関西弁を使い、軽妙で、おもしろおかしい語り口に、ついクスッと笑ってしまいます。
軽業師のそうべえが綱渡りをしている最中、過って綱から落下して、死んでしまいます。地獄への超特急「火の車」で乗り合わせた医者のちくあん、歯抜き師のしかい、山伏のふっかいとともに連れていかれたのが、地獄のえんま大王さまの前。えんま大王さまの指図でいろんな地獄へ送り出されます。けれども、そのたびに、自分たちの得意技を生かして、なんとか地獄からの脱出に成功していくのです。
さて、みんな地獄から抜け出して、生き返ることができるのでしょうか?

(童心社)

笛ふき男と大どろぼう
今昔物語
放送日:4月29日・5月6日
昔、袴垂(はかまだれ)と呼ばれる大泥棒がいました。この男は有名な泥棒で、狙った物は絶対に逃さないと言われていました。
ある秋の夜のこと、この袴垂が人の衣類をはぎ取ろうと都大路を歩いていると、笛を吹きながら歩いている男がいます。「しめた」とばかりに後をつけていきましたが、少しもすきがありません。
この笛吹き男は、強力無双の藤原保昌という国司で、その名を言えば泣く子も黙るという人でありました…。
ロバになった旅人
中国物語
放送日:5月13日・5月20日
旅の若者が一軒の宿に泊まりますが、夜中に宿の女主人が実は魔法使いだとわかり、夜が明けると一人だけ逃げ出します。こっそり戻ってみると案の定、朝ごはんのまんじゅうを食べたほかの客たちはみんなロバにされていました。
計略を考えた若者は、旅の帰りにまたその宿屋に泊まり、まんじゅうをすり替えて女主人に食べさせ、ロバに変えてしまいます。
さて、それから何年かがたち、若者がそのロバに乗って旅を続けるうちに、山の中で仙人のような老人に出会い、「もう許しておやりなさい」と言われます。
伝奇小説が原典の、ちょっと怖いお話です。
お天道さん 金のくさり
日本昔話
放送日:5月27日・6月3日
ある山のふもとに、お母さんと三人の男の子が住んでいました。
ある日、お母さんが遠い山のお墓へお参りに行ったので、男の子たちが留守番をしていると、山んばがやって来て言いました。「お母さんだよ、戸を開けておくれ」。
利口な兄さんは怪しんでいろいろ試してみますが、山んばはうまくお母さんに化けて、家の中へ入ってきてしまいました。真夜中ごろ、隣りの部屋から変な音がするので、みんなは山んばだと気づきます。兄さんと弟は大急ぎで逃げ出し、池のほとりの木に登りました。そこへ、山んばがものすごい勢いで追いかけてきました。
もう少しで食べられそうになったとき、兄さんは、天に向かって「お天道さん、金のくさり」と、叫びます…。
王子と灰色の狼
ロシア昔話
放送日:6月10日・6月17日
むかし、ロシアに1人の王さまと3人の王子がいました。王さまの庭には金のリンゴがなる木がありましたが、金色の火の鳥が飛んできてはもぎ取っていくのです。王さまは火の鳥を生け捕りにするよう3人の王子に命令しました。
末っ子の王子は森の中で灰色のオオカミに出会い、首尾よく火の鳥を見つけますが、持ち主の王さまに見つかり、金の馬を探すように命じられます。
やがて、金の馬を見つけますが、ここでもその持ち主の王さまに発見され、ある美しい姫君を連れてくるように命じられます。こうして王子は、灰色のオオカミに助けられながら、とうとう火の鳥と金の馬、そして姫君を手に入れてしまうのでした。
ふしぎな水がめ
タイ昔話
放送日:6月24日・7月1日
貧しいお百姓さんが、土の中に大きな水がめが埋められているのを見つけますが、それはなんと宝のかめでした。なにしろお金でも何でも、そのかめに入れると二倍になるというのですから、お百姓さんはたちまち大金持ちになりました。
さて、それを知った地主が、「それはわしのものだ」といいだして、とうとう裁判になります。ところが裁判官の大臣も欲張りで、自分もひと儲けしてやろうと、かめを証拠の品だと取り上げてしまいます。大臣は水がめを自分の家に運ばせますが、その中に大臣のおとうさんが落っこちてしまい、さあ大変。驚いて引っ張りあげますが、まだかめの中におとうさんが二人いる。つぎつぎと夢中で引っ張りあげて、気がついたときにはなんと、おとうさんが二十人にも増えていました。
やまんばのにしき
松谷みよ子
放送日:7月8日・7月15日
昔、あるところに、「ちょうふく山」という山があって、そこに山んばが住んでいました。ある年の秋、すごい風が吹き、「ちょうふく山の山んばが、子どもを生んだで餅ついてこう。」と呼び歩くものがいました。ついていかないと、村の人や馬を食い殺すというので、村の人は餅をつき、「あかざばんば」というおばあさんを道案内に出かけました。
ところが、途中で男たちは逃げてしまい、あかざばんばだけが山へあがります。そして山んばに言われるとおり、21日間手伝いをして帰りました。すると、山んばは、不思議な錦をくれました。あかざばんばは、みんなに錦を分けてやりますが、錦はすぐ元通りになり、村人たちもそれからというもの病気をする人がなくなりました。

(ポプラ社)

海の水が塩からいわけは
フランス昔話
放送日:7月22日・7月29日
海の水はなぜ塩からいのか。そのいわれを説く、フランスに伝わる昔話です。
船長さんは、自分の奥さんを悪い王さまにとられそうになります。そのとき、海が暴れまくって助けてくれたので、お礼に海を岩塩のある切り出し場に連れて行ってあげます。そんなことがあってから、海の水は塩からくなりました。

今ならば海が塩からい理由を科学的に解明しようとしますが、昔の人は、メルヘンの世界でその不思議さを解こうとしたのです。したがって昔話はフィクションでありながら当時の人たちの考え方や夢をあらわすものでもあります。1本の草木、1個の石にまで、目に見えぬものの力を感じようとする心が、こうしたすばらしい昔話を生み出したのです。
現実には不可能な出来事でも、メルヘンの世界では、ただちにその願いをかなえてくれます。神や動物たちばかりでなく、海も山も、人間と口をきいてくれるというよろこび。それは、つらい現実を生き抜くためのエネルギーでもありました。
なんの変哲もない海だって、私たちにとってかけがえのない仲間であることを学びたいものです。
ちんちん小ばかま
小泉八雲再話
放送日:8月5日・8月12日
昔、あるところに一人の女の子がいました。美しかったのですが、ものぐさで、なんでも召使いにやってもらっていました。やがて、その子は大きくなり、ある武士のところへお嫁に行きました。
ところが、その武士が戦いに行って留守中のことです。夜中になると、小指の半分もないくらい小さな男たちが何百人も出てきて、歌を歌うのです。
「ちんちん 小ばかま 夜もふけそうろう
 おしずまれ ひめぎみ や とんとん」
お嫁さんは、怖くて怖くて眠れなくなってしまいます。帰ってきた夫がそれを聞き、切りつけると、男たちはバラバラと散りました。なんと、それは、お嫁さんが捨てた「つまようじ」だったのです。
フランクと大きな魚
ヨーロッパ昔話
放送日:8月19日・8月26日
昔むかし、まだ今のフランスもドイツも他の国々も成立していなくて、ヨーロッパが深い森に覆われていたころ、北の海に面した小さな村に、フランクという若者が住んでいました。お母さんと二人で助け合って暮らしていましたが、やがてお母さんが年をとって病気になり、働けなくなると、フランクも看病で働きに出られなくなり、暮らしに困るようになりました。
ある日、食べるものが何もなくなったので、フランクはお母さんを寝かしておいて、海に魚釣りに出かけました。ところが、大きな魚がかかってしまい、フランクは逆に飲み込まれてしまいました。魚の腹の中で、何日か途方にくれている中に、ふとしたはずみで魚がフランクを吐き出しました。家にかえってみると、お母さんは亡くなっていて、フランクは何日も泣いて暮らしましたが、やがて元気を取り戻し、村一番の働き者になりました。
ヨーロッパの方々で伝えられる、古いお話の一つです。