【特集】胃もたれ・胸焼けの治し方 原因となる病気と治療法

更新日

【特集】胃もたれ・胸焼けの治し方 原因となる病気と治療法

食べすぎ・飲みすぎ、ストレスなどは胃の調子を崩してしまいます。胃の健康を守るために食事でのポイントなど、自分でできることをご紹介。また、慢性的に続く胃もたれや胸焼けは、病気の可能性もあります。胃もたれや胸焼けの原因と治療法をまとめました。

胸焼けの原因 胃食道逆流症(逆流性食道炎)

胃食道逆流症とは

胃食道逆流症とは、いったんは胃の中に入ったものが、食道まで逆流することで「食後に胸焼けがする」「胃液がこみ上げてきて酸っぱく感じる」などの不快な症状を起こす病気です。

胃には、胃酸から自らを守る粘膜がありますが、食道にはこうした機能はありません。なんらかの原因で逆流してきた胃酸にさらされ続けると、食道が傷つき、不快な症状が起こります。

胸焼けを引き起こす胃食道逆流症とは

胃食道逆流症で、一番多くて特徴的な症状は、「胸焼け」です。
胸焼けは、みぞおちの上が焼けるように痛くなる症状のことを言います。軽症でも重症でも、胸焼けの強さは変わらないと言われていて、非常につらい症状が起こるとされています。

胃食道逆流症になりやすい人とは

胃食道逆流症になりやすい人のチェック項目

  • 食べすぎ・早食いの傾向がある
  • 食べてすぐ寝る
  • 高脂肪食が好き
  • アルコール・喫煙の習慣がある
  • 肥満気味
  • 前かがみ姿勢・猫背になりがち

上記にあげた項目にあてはまる人は胃食道逆流症に注意が必要です。

「胃食道逆流症の原因、2つのタイプと注意」について知りたい方はこちら
「胃食道逆流症の治療と注意すべきこと」について知りたい方はこちら



胃もたれの原因 機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアの症状

「機能性ディスペプシア」の代表的な症状は、次にあげる4つです。

機能性ディスペプシアの症状

【機能性ディスペプシアの症状】

  • 胃の痛み
  • 胃が熱くなる「しゃく熱感」
  • 食べたらすぐお腹が張った感じがする「胃のもたれ」
  • すぐにお腹いっぱいになる「早期満腹感」

胃もたれや早期満腹感は当然食事の後に起こるのですが、胃の痛みやしゃく熱感といった症状も食後に起こることが多いということが最近分かってきました。

機能性ディスペプシアの診断

機能性ディスペプシアの診断は、胃の痛み、胃もたれなどの胃の不快な症状が長く続いているかがポイントになります。不快な症状が週1、2回以上現れて、1か月以上慢性的に続いているかどうかが一つの基準です。

自分でできる対策

治療の第1歩となるのが、自分でできる対策です。

機能性ディスペプシアの自分でできる対策

【機能性ディスペプシア 自分でできる対策】

■食生活

  • 食事はゆっくりよくかむ
  • お腹いっぱい食べずに腹八分目
  • 食後30分は休憩し動き回らない

■自律神経の働きを高める

  • 十分な睡眠
  • ウォーキングなど適度な運動
  • 禁煙

なかでも特に重要なのは、「食生活」です。ただし、食事の内容を気にしすぎるとかえってストレスになるため、常識的な内容であれば、あまり気にしないほうがよいでしょう。

こうした対策を1週間続けても改善がみられなければ、消化器内科など、早めに医療機関を受診してください。

機能性ディスペプシアの診断、治療法、薬について知りたい方はこちら



胃もたれの原因 胃不全まひ

「胃不全まひ」の症状

胃不全まひの症状

主な症状として、食後の胃もたれ、早期満腹感、胃痛などがあります。
それに加えて、吐き気やおう吐を訴える患者さんが多いのが胃不全まひの特徴です。

胃不全まひはさまざまな要因で引き起こされますが、1番の要因は糖尿病です。
ほかには、自律神経の動きが障害されるパーキンソン病、胃や食道、肺の手術で胃に分布する自律神経が傷ついた場合などに発症します。
また、はっきりとした要因がつかめないケースもあります。この場合、機能性ディスペプシアと診断されますので、胃不全まひと機能性ディスペプシアは一部重なっているといえます。

胃不全まひの原因や治療について詳しく知りたい方はこちら



胃が原因ではない胃もたれ・胸焼け



「胃食道逆流症」に関する質問

『Q&A 胃食道逆流症』はこちら



「機能性ディスペプシア」に関する質問

『Q&A 機能性ディスペプシア』はこちら